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インターネットが遅すぎる。高速化をうたうサービスに切り替えても状況が改善しない。つながる端末が激増するIoT(インターネット・オブ・シングス)時代の今、宅内ネットワークの“見えない混雑”が起きている可能性がある。
NTT東西の光回線サービス「フレッツ光」は、従来のPPPoE方式で利用するインターネット接続サービスにおいて混雑が続いている。別の設備を利用するIPoE方式の接続サービスは比較的空いており、切り替えで高速化を見込める状況にある。ただ、フルHD動画や高音質な音楽配信のストリーミング視聴が普及。宅内ネットワークまで混雑していると、期待通りの効果は得られない。宅内の状況も正確に把握しておく必要がある。
10を超える端末が帯域を圧迫
混雑の背景には、パソコンに加えて、スマートフォンやタブレット、ゲーム機やデジタルカメラ、さらにはスマートスピーカーやスマートテレビまで、あらゆる家電がインターネットに接続する、いわゆるIoTの進展がある。
「4人家族だと10を超える端末が宅内ネットワークに存在するのは珍しくない。ほとんどのストリーミング再生では、各人が同じコンテンツを再生したとしても、人数分のトラフィックがインターネット上に発生するうえに、映像は4K、音楽はハイレゾとデータ量も増える一方だ」。バッファロー ネットワーク事業部コンシューママーケティングの副島直樹係長は、ホームネットワークとインターネットにかかる負荷をこう分析する。
しわ寄せが来ているのは無線LANネットワークだ。想定外に無線LANアクセスポイントに接続する端末数が増え、仕様上は1Gビット/秒を超える無線LAN機器でもトラフィックをさばききれない。さらには他の無線LANアクセスポイントが乱立し、干渉によって速度が低下する場面が出てくる。