誰も知らない「この私」が怒っても…

「エラい女性」の記者会見の違和感の要因は

2018年3月30日(金)

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相撲やレスリングの「騒動」に関する記者会見を見ていて、とても違和感を感じました。およそその競技と縁のなさそうな人が、その協会を代表する立場で、何だかとても偉そうにしゃべっていることに、です。なんでこんなことになっているんでしょうか。(20代男性)

遙から

 最近続く違和感。

 それは、なぜ女性リーダーの言葉に説得力がないのだろう、だ。

 女性登用、女性活用、女性管理職、と、あきるほど聞いてきた言葉だが、実際、その女性が登りつめた上でのある地位に到達した時、そこから発せられる言葉に、残念な気持ちを繰り返し感じている。男性リーダーでもとんでもない失言を繰り返しつつ、その対応策ばかりを磨き上げその地位に残り続ける人もいる。だが、女性(と、ひとくくりにするのはよくないが、少なくともここのところメディアに登場する女性たち)のリーダーには、あきらかな失言レベルというよりも、その言葉を聞いた大勢の人々にどうやら相当に強い反発感情を抱かれている。

「正しい」けれど…

 例えば最近では日本相撲協会評議員会議長の池坊保子氏の発言。貴乃花親方の弟子が暴行問題を起こした際、

 「再発防止で様々な取り組みを行っている最中に、また暴力が発生した。応援してくれる方々に失望や落胆を与えたのではないかと心を痛めています」

 ・・・とても正しい事を言っている。評議員会の議長なのだから、立派なことを口にして当然だし、訓示に近い発言も是とされる立場だ。なのに、イラッとくる。「天知る 地知る 人知る 神様っているんですね」という発言も同様、私の感想は「正しい。が、イラッとくる」だ。

 貴乃花親方のこれまでの言動に対し、賛否は両論あろう。議長として批判するのもそれは自由な立ち位置かと思う。批判したいなら批判すればいい。議長としての失望、詫びめいた発言に加え、ことわざに例える皮肉も別にいい。しかし、聞いた人々に残る感情が「イラッ」だけでは・・・。

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「誰も知らない「この私」が怒っても…」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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