きっとあなたも、このように思ったことがあるかもしれません。
「交渉術」を身につけておけば、もっと仕事や人生がうまくいくはずだと。
こうした向上心のある方であればすでにお気づきの通り、成功者と言われる人たちや、仕事で高い結果を出している人に、交渉が下手だという人はほぼいないのではないでしょうか。
あなたがさらに上のステージへと成長するために、
不可欠なスキルの1つが「交渉術」なのです。
なぜなら「交渉術」は、日本では日常的な言葉ではないかもしれませんが、
多くの人が気づいていないだけで、私たちの日常は、ほぼ交渉で動いていると言っても過言ではないのです。
例えば、
- お小遣いアップして欲しい
- デートの約束を取り付けたい
- 買い物を頼まれて欲しい
- 取引先に、条件の見直しを提案したい
- あるブランドの代理店契約を取りたい
- イベントの協賛を募りたい
こうした日常にありふれたことから、多くの人へ影響を与えることまで、
ビジネス、恋愛、プライベート・・・すべて交渉によって進んでいるのです。
交渉を学ぶことは、仕事や人生に影響をもたらし、選択肢を広げること。
そして周囲にも多くの利益をもたらすこと。
交渉術を磨けば、もっと世界が広がるはずです。
日常でどんどん交渉を実践して腕を磨いていきましょう!
目次 [非表示]
1.【必見】交渉で押さえておくべき5つのポイント
交渉とは、相手とのコミュニケーションに他なりません。
当然、コミュニケーションスキルが交渉の行方を大きく左右しますが、だからと言っていわゆる「交渉テクニック」などの、スキル面に囚われすぎてしまうのは要注意です。
相手が日常的に交渉を行っている人であれば、よく知れた交渉術はお見通しですから、かえって墓穴を掘ることになりかねません。
ポイントを押さえ、いかに自然なコミュニケーションの中で交渉を進めていけるかが重要です。
そこであなたが交渉術を学ぶ前に、まず心得ておきたい大事な5つのポイントをご紹介します。
- Win-Win型の交渉を目指すこと
- 交渉成立には、信頼関係が欠かせないこと
- 準備を徹底すること(代替案や様々な選択肢など)
- 交渉は心理戦。人間心理を把握すること
- 複数の視点を持って交渉に臨むこと
交渉のタイプには、お互いの利益を奪い合う交渉(配分型交渉)と、
双方それぞれ、利益の最大化を目指す交渉(統合型交渉)の2種類があります。
この記事で推奨するのは、後者の方。
長期間に渡って、相手と良い関係性を続けることを可能にする「WIN-WIN」の交渉です。
WIN-WINのゴールを目指すには、双方の信頼関係が大前提です。
そして、「自分」「相手」「全体」を客観的に捉える、多角的な視点が欠かせません。
こうしたすべてを包括して、交渉を理想的な結果に導いていくために、
高いコミュニケーションスキルは不可欠です。
2.【実践編】ちょっと得する交渉術!
交渉は、相手とのコミュニケーション次第で、方向性や結果、関係性が決まります。
ですから交渉の腕を磨いていくには、日常で実戦を積むのが一番です。
この2章では、多くの人が1度は経験したことのある「家電製品の購入」をテーマに、プロセスと交渉術をご紹介していきます。
身近にある様々なケースに置き換えて、ぜひ腕試しを!
<交渉のミッション>
予算は4万5千円。
トースター機能のついたオーブンレンジを、家電量販店で1円でも安く交渉すること
2-1.情報収集
交渉は、交渉材料になる信頼できる情報をどれだけ持ち合わせているかが大事。
事前の調査が必須です。
今回のように、家電製品を安く購入したい、という場合の価格交渉においては、
最低でも以下のサイトで「ネット販売価格」「実店舗での販売価格」両方で相場を調べます。
- 価格com
- Amazon
- 楽天市場
各量販店のサイトには、各店舗のWEBチラシも見られるようになっています。
店舗ごとの特売、セール情報も必見です!
【実践編】
今回、4万円代で販売している、トースター機能のついた、オーブンレンジを調べてみました。
もちろん、購入者のレビュー(評価、オススメ)、ポイント付与、各メーカー独自の機能・性能などの「価格以外」の情報も調べておきます。
価格以外の情報は、製品の選択条件や、交渉条件の優先順位※クライテリアを決めるのに役立ちます。
●価格.com
合計10件がヒット!
●Amazon
10件がヒット!
●楽天市場
31件がヒット!
最終的に、予算オーバーの製品も価格交渉できる可能性があるので、候補に含めていきます。
2-2.クライテリアを押さえる
クライテリアとは心理学NLPの用語で、「価値基準」とも言います。
仕事や人生、お金、人間関係など・・・
あらゆる物ごとに対して、人がどのように「良い」「悪い」「正しい」「間違っている」などを判断しているのか、その根拠となる価値観、大事な考えや基準です。
そして、クライテリアは人それぞれに複数あって、優先順位があります。
当然、優先順位の高いものは、その人にとってより強い動機を呼び起こす大事なものなのです。
人が何かを購入する時に当てはめれば、「譲れない条件」といえるでしょう。
物件を探す時であれば、「駅近」「南向き」などの「こだわり条件」です。
交渉においては、「交渉材料」になるものです。
交渉で自分側のクライテリアを明確にすることはとても大切ですし、
交渉相手のクライテリアを押さえることができるかは、交渉で「yes」を引き出す重要なポイントです。
クライテリアをもっとよく知りたい方へ、こちらの記事が読まれています。
【実践編】
今回のオーブンレンジを買うにあたってのクライテリアを真剣に考えてみたところ、
以下の順番になりました。
- 機能(簡易的でも、多機能タイプ)
- 価格
- デザイン
- サイズ
- プラスアルファのメリット
オーブンレンジ購入にあたって、私にとってこのリストの上位にあるものほど、譲れない(こだわり)条件です。
例えばクライテリアの4番目の「サイズ」。
あまりサイズが大きいと、キッチンで場所を取ってしまうため、置く場所に収まる必要があります。
しかし、コンパクトであっても、(3番目の)デザインがイマイチでは候補に入りません。
デザインが「最高!」でも、そもそも(2番目の)予算オーバーであれば候補から外れていきます。
そして、下位のクライテリア(価格・デザイン・サイズ・プラスアルファ)がすべて満足する製品であっても、求めている機能に不満があっては、購入の大きなハードルになってしまいます。
クライテリアは、交渉だけでなく、あらゆる意思決定をスムーズにしてくれる超重要ポイントです。
セールスマンの方は、これを知っておくだけでグッと成約率アップにつながるハズです!
さて、この5つのクライテリアを元に、製品を3つに絞り込みました。
2-3.BATNAとZOPAを設定する
次にBATNAとZOPAを決めます。
BATNAとは、その場の交渉が成立しなかった時の他の選択肢や最も良い代替案のこと。
その交渉での譲歩の限界ラインと考えてみましょう。
ZOPAとは、合意可能領域のこと。
仮に価格が条件に満たさなかったとしても、代替案でプラマイゼロになる。など、付加価値が手に入るなどがわかれば、その交渉は総合的に考えて良い結果だといえます。
こうしたトータルで見たときの条件成立、合意できる範囲のことです。
【実践編】
まず、3つに絞った商品を、価格.comで安い順に調べてみました。
左がオンラインショップ。右が実店舗での価格です。
それぞれの製品の「最安値」がBATNAです。
つまり、最低でもこの製品なら、この価格で購入できることがわかっています。
そこで、ここが交渉の限界ラインと設定。
次に最安値で販売している店舗の情報から、ZOPAの範囲が最も広くなるところを探します。
A店はポイント付与額が最も大きいため、値引きができなかったとしても、ポイント付与率次第ではメリットが大きい。B店は送料無料で設置までのサービスが可能。
こうした条件面を総合的に見て、「ここまでの条件なら購入可能(合意可能)」というラインを探します。
同じ価格で複数店舗が販売していることがわかりますので、
設定したZOPA(合意可能領域)が最も広い店舗で、次は実際に交渉に臨んでみます!
2-4.いいお客さんだと思わせる(初頭効果・ハロー効果)
心理学の「初頭効果」とは、最初に相手へ与える印象のこと。
いわゆる第一印象です。
そして「ハロー効果」とは、特徴的な一部分の印象が、全体的な印象に影響すること。
つまり、第一印象で「この人は誠実そうだ」という良い印象を持つと、その印象が強く影響して、「この人は仕事もできるだろう」と、他の要素に対しても良い評価をしやすくなるのです。
実店舗でスタッフと良い交渉を進めるには、まず歓迎されるお客さんでなければなりません。
どのように自分を見せるか?は初歩的な交渉術ですから、必ず計画して臨みましょう!
【実践編】
家電量販店の方にとって、どのような印象を与えると良いお客さんに見られるでしょうか?
少なくとも、「買う気がありそうだ」「それなりに支払う能力がありそうだ」と思われる方は歓迎されます。
身なりの清潔感を整える
→髪、ヒゲなど。寝癖や無精髭はNGです。
服装を整える
→高額商品の買い物の場合の服装は、ブランド物や、そうでなくても、
きちんとアイロンがけがされているなど、手入れされた服装で臨みます。
店員さんには、靴や時計なども見られています!
実際に製品を使ってみる、サイズを測るなどをする
→サイズを測るのは、検討度合いの高いお客さんがする行動です。
優秀なスタッフの場合、購入する可能性の高いお客さんを見極めて声をかけてきます。
2-5.交渉相手を選ぶ
スムーズな交渉においては、以下の条件は外せません。
- 決裁権のある人
- 信頼できる人
- コミュニケーションが上手な人
交渉相手とは、共にWIN-WINの結果を築く協力関係ですから、コミュニケーションのレベル感が違うと、かなり苦戦することになります。
相手のコミュニケーションのレベルやパターン(特徴)がわかっている関係なら良いですが、未知数であるなら、相手のコミュニケーションのレベルは交渉開始前に、大まかに把握しておきましょう。
【実践編】
家電量販店には、複数のスタッフがいます。
そこから3つの条件すべてを満たす方を見つけるのは難しいことです。
メーカーから派遣されている方もいますが、価格の決裁権はない場合がほとんどですので、店舗スタッフを見つけましょう。
極力スムーズにコミュニケーションできそうな人を探すために、オーブンレンジの売り場付近で、何人かのスタッフに2つほど質問をしてみます。
●質問1
『オーブンレンジの他に△△を探しているのですが、売り場はどこですか?』
スタッフAさん「△△は3階です。」
スタッフBさん「△△は3階のエレベーターを降りて、右横のエリアです。」
質問をした時に、具体的にわかりやすい回答をくれるかどうかは1つのヒントになります。
●質問2
『今一番オススメのオーブンレンジって、どのメーカーですか?』
これに対して、こちらの用途や譲れない条件(クライテリア)を聞いてから答えてくれる人は、購入側の目線で相談に乗ってくれるスタッフです。
店側の特売品や一般的な売れ筋で説明する人は、自分目線だけでコミュニケーションをしがちですから、避けた方が無難です。
この人はコミュニケーションが取りやすいな、と思うスタッフの方に、
「△△も見たいので、また後で戻ってきます。名刺をいただけますか?」と言って約束しておきましょう。
2-6.味方につける(立ち位置・言葉の使い方)
では、早速交渉の中身に入っていきましょう。
価格交渉では、一定の価格を奪い合ったり、譲歩し合うケースが多くなります。
対立モードになってしまうと、お互いにとって利益の出せる交渉は目指せません。
そもそも、家電量販店は、良い製品を買っていただきたいのです。
そして販売するスタッフも人間ですから、「この人には安く売ってあげたい」「この人には売りたくない」という気持ちがあります。
それであれば、交渉相手とは、良好な関係を作りながらコミュニケーションを行うべきなのです。
コミュニケーションを行う時の「立ち位置」や「言葉」を活用して、交渉相手を一緒に交渉の障壁に立ち向かう『仲間』に巻き込んでいきましょう。
この立ち位置の取り方を覚えて置くと、問題解決や喧嘩を防ぐなどの「とっさの場面」でも役立ちます!
【実践編】
●関係性を作るコミュニケーションの立ち位置
左:「対立の構図」
自分とスタッフが、正面を向き合ってコミュニケーションを行う構図は、「対立」を引き起こしやすくなります。
人の心理に対立心が起こりやすくなり、仲間意識を持ってもらうことや、和解などのコミュニケーションには不向きです。上司が部下へ指摘する、などのシーンでも相手に威圧感を与えてしまいます。
例えば価格交渉においては、「私は値下げして欲しいのに、あなたが拒否する」という、二者間のやり取りになります。
右:「連帯感の構図」
自分とスタッフが向きを揃え、話題(交渉テーマや条件)に相対する構図は「連帯感」を生みやすくなります。
「自分たち」と「交渉テーマ(製品)」という、第三者を登場させて対立構図を作ることができます。
例えば価格交渉においても、「あれは、どこまで値下げできる製品か」という話し方ができるので、実際に交渉するのはスタッフであっても、自分が譲歩を迫られているという印象は薄くなります。
●言葉で連帯感を生み出す
あくまで自分とスタッフは、一緒に理想的なオーブンレンジを購入するための仲間。
そして目の前にある商品の、購入障壁(オーバーした予算)が交渉相手。
その意識を作り出すには、立ち位置の他に連帯感を強調する言葉を使います。
例えば・・・
「オーブンレンジを買いたいのですが、一緒に良いものを選んでもらえませんか?」
「我々にとって一番理想的なのは、●●機能付きのこの製品ですね。」
このように『私たち』『一緒に』『我々の』などの言葉を自然と織り交ぜていくと効果的です。
連帯感を与える言葉が効力を発揮するには、一貫して友好的な姿勢でいることです。
無愛想だったり、自分は客だ、などと上から目線でコミュニケーションをとっていては、まったく効果はありません!
2-7.大幅な要求を切り出す
とても有名な交渉術です。
大きな要求を出して相手に一度断らせ、その後、下げた要求(本当の要求)をのんでもらうという方法で、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(門前払いをさせる)と言われます。
例えば、49,000円のオーブンレンジを、35,000円にならないか?と大幅に切り出します。
さすがに35,000円は値引きできないので、スタッフは断ることになります。
そこからさらに、
私:36,000円は?→ スタッフ:ダメ。
私:37,000円は?→ スタッフ:ダメ。・・・と刻みながら「OK」のラインを引き出します。
最初の価格の切り出しが、いわゆる交渉の起点となるので、この価格の提示はとても大事。
あまりにも現実離れした金額を出せば、交渉相手にとっては「話にならない」と見限るかもしれません。
この交渉術は、人は頼まれごとを断ると罪悪感を感じる、という心理効果を利用したもの。
人は何度も要求を断るたびに、罪悪感を増していきますので、譲歩しやすい心理を作り出すためには有効です。
【実践編】
これは有名な交渉術なので、家電量販店のベテランスタッフや優秀な人は大抵知っていると思っておくと良いでしょう。大幅な値切りをスタートさせると、「限界値を探って来たな」と気づき、身構えます。
相手は一緒に良い製品を探す仲間なのですから、49,000円の製品を目の前にして、
「予算が4万円(ほんとは4万5千円)なんです。この製品が気に入って。なんとか手に入れる方法はないですか?」
と、ストレートに「予算」を打ち明け相談する、というスタンスで切り出すのが自然です。
2-8.「ちょっとのお願い」で要求を通す
簡単に引き受けることができる小さなお願いをすると、それ以上のことを引き受けてくれるという、人の心理に働きかける交渉術の1つです。
人に罪悪感を持たせるドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは異なり、人の善意を引き出しやすくする手法。イーブン・ア・ペニー・テクニックと言われます。
これはある実験で、
A「募金をお願いできませんか。」と伝えた場合と、
B「1ペニーでもいいですから。」と加えて伝えた場合とでは、Bの方が高額の募金をしてもらうことができた、という結果からきています。
【実践編】
これもよく知られた交渉術の1つです。
唐突に「1円でもいいので安くなりませんか?」などと聞くのは不自然です。
例えば、
「傷があるので、端数を切り捨てしてもらえませんか?下2桁だけでもいいですから。」
「現金で支払います。小銭を持ちたくないので、端数を切り捨ててもらえませんか?1円単位でもいいです。」
1桁、2桁の金額であれば、値引きする痛みはほぼありませんから可能な範囲です。
頼まれた側は、たった1、2桁の値引きだけでは申し訳ない。傷があるのだから、現金で支払ってくれるのだからもう少し値引きしよう、という善意が起こりやすくなります。
2-9.WIN-WINを最大化する
双方どちらにとってもメリットのある交渉、WIN-WIN型の交渉を目指すには、この交渉でお互いがさらに手にすることができる利益はないかを探します。
自分のクライテリアの上位の条件を飲んでもらう代わりに、相手のクライテリアの上位の条件を譲歩する。
取引の中に新たな利益を加えるなどです。
こうした柔軟な発想や提案を生み出すには、
- 自分
- 交渉相手
- 関係者やそのビジネス全体
これらの3方向から見通す「多角的な視点」が欠かせません。
視点を切り替えることで、WIN-WINを最大化する柔軟な発想や価値を見出すことができます。
仮に、値引き交渉のように「価格」だけが交渉の焦点だとしても、
その先も継続した取引を見越して長期的に利益を作るような条件を取り決める。
商品の購入数を増やすことで、1商品あたりの単価を下げる、などで互いのメリットを大きくすることができます。
多角的な視点で物事を捉える手法を、心理学NLPでは「ポジション・チェンジ」といいます。
役立ちそう!と思った方にはぜひ、徹底解説したこちらの記事をオススメします。
【実践編】
今回の値引き交渉にあたり、1円でも安く手にすることが私のミッションです。
店舗側は1円でも高く良い商品を販売することがミッションです。
しかし商品価格だけにフォーカスした交渉で一定の金額を奪い合うのではなく、他に双方にとってメリットになることはなんでしょうか。
今回は、ポイント還元を交渉条件に持ち込んでみることにしました。
通常10%の還元率を、12%にアップしてもらう。
私の場合は、この店舗(グループ)内に限って、現金と同価値のポイントを手にすることができます。店側はポイント利用を促して次回の来店・購入へとつながる可能性を作ることができます。
ポイント還元というシステムは、ポイント分の価値が手に入ったというだけで、今回限りの取引に関しては、実質の値引きではありません。ただ、次を見越して双方にメリットを増やすことができる良い仕組みです。
ポイント利用する人であれば、積極的に活用することをオススメします。
2-10.【実践編】まとめ
今回の交渉のミッションは、
予算は4万5千円。
トースター機能のついたオーブンレンジを、家電量販店で1円でも安く交渉すること。
メーカー希望小売価格:―
A店(実店舗):49,280円
B店(実店舗):50,370円
ネット最安値:34,472円
2つの実店舗で価格を比較してから、秋葉原の某店舗でスタッフさんと交渉してきました!
ミッションの結果は・・・。
交渉成立金額:44,200円+ポイント還元11%
最新モデルなので、ネット最安値とは勝負はできません、とはっきりお断りされてしまいましたが、予算内の価格までは値引き交渉することに成功しました!
価格交渉ってしていいの?と迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、店舗スタッフの方に伺ったところ、可能な限りは応じていますとのこと。
交渉の練習になる上、ちょっとでもお得に欲しいものが手に入るならいいことづくしです。
ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
※商品種類やお店によっては、値引きをしないというケースもあります。
3.【用語集】交渉術の代表的なテクニック
・アンカリング
相手に、交渉条件の枠組みをかける方法です。
最初に要求する条件が起点となって、その後の交渉を進めていくことができます。
・いい警官・悪い警官(グッドコップ・バッドコップ)
2人1組の交渉術です。1人が悪い警官のように敵対心をあらわにしたり心理的に圧力をかける態度を示し、
もう1人が相手に同情するような態度を示すことで相手を揺さぶり、心を開かせる方法です。
・イーブン・ア・ペニー・テクニック
簡単に承諾できる低い要求を出すことで、それを上回る相手の善意を引き出す方法です。
「募金をお願いします。」と頼むのと、「募金をお願いします、1円でもいいので。」と頼んだ場合に、後者の方が高額の募金を集めることができた、という実験に基づきます。
・コミットメント
強い意思表示や決定をすることで、譲歩しないことを示す方法です。
交渉相手はそのコミットメントに対してどう動くかの選択に迫られるため、相手の動きをある程度限定することができます。
・コンフリクト
交渉中に起こるトラブルや対立のことです。
コンフリクトに直面した人間は、一般的には1:競争、2:回避、3:譲歩、4:分配、5:強調(問題共有)という5つの対処パターンのいずれかを取ることが多いと言われます。
・スノージョブ
相手を圧倒するほどの専門知識や情報を提示して、心理的に優位に立とうとする方法です。
・ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
最初に断られることを織り込み済みで、ハードルの高い要求を出し、断らせた後に要求のハードルを下げて合意に持っていく方法です。
人は、頼みを断ると罪悪感を感じ、次の要求を承諾しやすくなるという人間心理に基づいています。
・バルコニーから見る
交渉全体や、その市場、関連性などを俯瞰して見ることです。
交渉中に交渉相手と同じレベルで対応し、同じ目線だけで考えていると、相手の反応ばかりに気を取られがちになります。自分と相手との交渉を第三者の立場で客観的に見つめます。
・フット・イン・ザ・ドア
最初に小さい要求を出して受け入れてもらい、次に少しずつ要求を積み重ねていく方法です。
人は一度承諾したことに対して、一貫性を保ちたいという人間心理に基づいています。
・プレイイング・ダム
相手の提案に対して批判的な分析をして、多くの問題点を指摘する方法です。
一方で、自分では一切提案をせずに相手を崩していきます。
・ポジティブフレーミング
今行なっている交渉が、解決に向けて前進しているという意味づけを、交渉の随所で行うことです。
「相手、解決に向けて前進したということだ。」など。
参考:
『ハーバード×慶應流 交渉学入門』(田村次朗著)
『ロジカルネゴシエーション』(バーデン・ユンソン著)
4.まとめ
向上心のある方であればすでにお気づきの通り、成功者と言われる人たちや、仕事で高い結果を出している人に、交渉が下手だという人はほぼいないのではないでしょうか。
あなたがさらに上のステージへと成長するために、
不可欠なスキルの1つが「交渉術」なのです。
日本人には、あまり馴染みのない「交渉術」。
しかし交渉は私たちの生活の中に溢れていて、
世の中、交渉で動いていると言っても過言ではありません。
交渉を学ぶことは、仕事や人生の選択肢を広げること。
そして周囲にも多くの利益をもたらすことでもあります。
今回の記事では、「実践編」として、実際に家電量販店での値切り交渉を実験してきました。
そのプロセスに沿って、交渉術をご紹介しています。
ビジネスシーンや、恋愛、プライベートの買い物、ちょっとしたお願いにも活用できる交渉術です。
あらゆるシーンで交渉の腕を磨いていきましょう!
交渉術とは、相手とお互いにとって最も良い結果を作り出していく、コミュニケーションに他なりません。
信頼関係を築くことも、心理に働きかける言葉を投げかけることも、すべてあなたのベースにあるコミュニケーションに左右されます。
もっとコミュニケーションを学ぶ必要があると感じている方への、スキルアップの方法はたくさんあります。講座やこちらの記事などをぜひ役立ててください。
■『対人関係の極意(スキル)を学びあなたの“影響力”を最大化する』
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