近年の商品広告、CMにおいては、細かく見ないと正確に受け止めることが出来ないものが多くあります。

たとえば、男性にとっては必需品といえる安全カミソリの場合、「史上初」「かつてない」と、あたかも販売されているすべての製品において最初、ナンバー1であるようなうたい文句が見られます。
ところがよくよく見ると、端に注意書きとして、 「※○○社史上」「※同社製従来品と比較して」と小さく書かれているのがわかります。

こうするのは、まさに実際に購入した顧客からのクレーム回避のためです。
「広告を見て買ったけど、言うほどのものではなかった」とクレームを入れれば、「広告の注意書きとして明記しています」、と言い逃れが出来るわけです。

これがテレビコマーシャル、ネット上の動画広告となれば、注意書きが一瞬しか見えないので、なおさら悪質です。

ただし、こうした悪質な広告の宣伝文句が放任されているわけではなく、「景品表示法」によって、規制が敷かれています。 
これまでにも、悪質な広告表記に対して、広告の差し止めが行われた事例もあります。 

とはいえ、最初に挙げた例においても、法律のアウトになるラインをギリギリで回避しようとする目論見で表記をしている結果であり、必ずしもこれが機能しているとは限りません。

これでは、消費者にとっては広告を細かく見ないと「だまされる」恐れが多く、却って警戒心が高まり、広告としての効果が薄れてしまうと思います。
逆に消費者の立場からアドバイスするなら、「広告だけで商品購入を考えるな」 と言わせてもらいます。

海外の広告などを見ても、良質な広告というのは、下手な注意書きをつけず、映像や音だけですんなりと商品を認知でき、購入しようと思えるものが多いです。 
クリエイターの人たちには、小さい字の注意書きという姑息な手段に頼らず、表現方法の工夫に注力してもらいたいものです。 

ちなみに私は、5枚刃になって剃り心地がソフトになった理由で、前のモデルからジレットを使っています(ステマしておきます)。