最近、百貨店、コンビニ、飲食店などで、こんなお辞儀をする人が目立つようになりました。
f4d60b91-s
  • 両脇は広げる
  • 左手を前にする形で、手を伸ばして重ねる
  • 手の位置はへその位置
  • お辞儀をするときは、へそを押さえるようにして上半身を前に倒す
これを丁寧な挨拶の作法だと習った人も少なくないと思います。

実はこれ、日本式の挨拶でもなければ、欧米式の挨拶でもないのです。
ではどこの挨拶かというと、韓国の作法なのです。

韓国ではこの挨拶を「コンス」、といいいます。丁寧な挨拶、という意味です。
元々は、朝鮮王朝における宮廷での挨拶の方法でした。

一方で朝鮮王朝以降の庶民派というと、お辞儀をする習慣はありませんでした。
この状況を大きく変えたのが1970年代で、日本人が韓国の百貨店での接客指導において、お辞儀の習慣を取り入れたのです。
その中で、朝鮮宮廷で使われていたコンスを参考にしました。

なぜ広まったのか?

これについては不明ですが、少なくとも10年ほど前から徐々に広がっているようです。日韓サッカーワールドカップ、そして韓流ブームのそれにリンクしているようにも思えます。
韓流ドラマを見ても、挨拶が見事にコンスをしているのがおわかりかと思います。

最近では、コンスを正しい作法だと教えるインストラクターも増えており、若い人を中心に、これが正しい作法だと勘違いする人が増えているのは事実です。

日本人として正しいお辞儀は?

これは私も子供の時から教わっている方法なので、全く不自然ではないのですが、本来の日本式の挨拶は下記のように行います。
8e959c4318b0adf6f1cc5ee799488fd4
  • 立つときは、両手は脇につけ、まっすぐ伸ばす。
  • お辞儀をするときは、上半身を伸ばすようにして曲げる。曲げる角度は、15°で会釈、30°で敬礼、45°で最敬礼となる。
  • 女性や和装の男性の場合、お辞儀の際の手の位置は、両ももに手のひらをつけるようにする。
  • 洋装の男性の場合は、手の位置は両脇のまま動かさないようにする。
最近では、和装であってもコンスのようなお辞儀を指導するインストラクターもいますが、これは間違いです。
この作法は、小笠原流作法の一つで、室町時代から武家を中心に広まりました。
日本人であれば、日本式の挨拶をするよう心がけましょう。