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ここ数日は、「昭恵 - 谷秘書官」というルートを示していた。「昭恵夫人の名を掲げたら、話が急に進展した」という籠池証言に基づいてのことだ。
ところが、「昭恵夫人が介入するよりも前に、森友への貸し付けが決まっていた」という文書が見つかったそうだ。
森友学園の籠池泰典前理事長が近畿財務局職員に対し、安倍昭恵首相夫人について言及する(のよりも)7カ月前から、近畿財務局が、売却を前提に森友側に土地を貸し付ける方針を固めていたことが25日、決裁文書の記載から分かった。
( → 近畿財務局は「安倍昭恵」名を知る前から森友に国有地売却方針 決裁文書改竄 - 産経 )
ちょっとわかりにくい文章なので、私が「(のよりも)」というのを加筆しておいた。
つまり、昭恵夫人への言及よりもずっと前に、森友に貸し付ける方針が決まっていたという。
ま、貸し付けだけならば、別に違法でも何でもない。違法っぽいのは、「タダ同然の価格での払い下げ」だ。だから、上記の話は、物事の核心とは関わりない。
とはいえ、貸し付けが決まった時点では、すでに「天からの声」が下っていたことになる。とすれば、上記記事の意味することは、こうだ。
「昭恵夫人が介入する前に、森友問題(という不正)は始まっていた。とすれば、その責任者は、昭恵夫人ではなく、首相自身である」
これが真相だということになる。
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実は、これは、目新しい話ではない。1年前に、同趣旨のことを書いていた。
(2) 昭恵夫人の財務省照会は、影響したか?
昭恵夫人の財務省照会は、その時点では何の成果ももたらさなかったが、それが別のルートでの工作をもたらし、最終的には値引きに結びついた。間接的な影響はあったと言える。
ただし、直接的に影響があったのは、別のルートだ。(たぶん首相ルート。)
これは要するに、昭恵夫人の力だけではうまく成功しなかったので、首相ルートで直接的に影響力を発揮したのだろう。
( → 森友問題に残る謎: Open ブログ 2017年03月27日 )
では、首相ルートとは? それも、1年前の記事に記してある。
森友問題の真相は、意外なところにある。この問題は、安倍首相と維新の癒着から生じたのだ。真の主犯は、安倍首相と橋下府知事(当時)である。
要するに、森友学園のために、強引に規則を曲げて、新規則を作って、不認可にすべきことを認可にしてしまった。
そして、これを強力に進めたのは、大阪府では橋下府知事(当時)と松井府知事。また、政府の側では、維新と仲良くしたい右翼で、最高権力をもつ人。(誰のことかわかりますね?)
こうして見ると、森友学園は、維新と自民とが仲良くするための象徴(または事例)として利用されただけだ、とも言える。
首相の真の狙いは、集団的自衛権などにおける維新の協力だ。そのために、大阪において、「維新と自民が大好きな国粋教育をする小学校」を、何とかして設立しよう……と狙ったわけだ。一衣帯水ふうに。
ここが本質だろう。ここが事件の真相だ、とも言える。
そして、昭恵夫人は、首相の政治方針のために利用された、ただの下っ端に過ぎまい。見た目では、昭恵夫人が勝手に暴走したように見えるが、違う。その行動のすべては、安倍首相の指示があったはずだ。もちろん、百万円についてもそうだ。
( → 森友問題の真相: Open ブログ )
これが1年前の推理だ。ここでは、(維新の会を含めて)安倍首相を真犯人だと見なしている。
そして、こう見なしたとき、すべてはすっかり符合するだろう。以後の書き換えもまた、安倍首相の指示でなされたと見なせば、話はスッキリする。
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そもそも、「昭恵夫人の口利き + 官僚の忖度」という構図は、無理がある。このくらいのことで、財務省が大々的な違法行為(文書偽造)をするはずがない。「官僚の忖度」なんて、「ちょっとした行政サービス」ぐらいのことしかやらないはずだ。たかが忖度で、自分がクビになるような違法行為をするはずがない。
このような違法行為に公務員が手を付けるとしたら、それは、上司による圧倒的な強制力がある場合に限られるはずだ。それは、下位職員の場合も同様だし、最上位の国税庁長官の場合も同様だ。
つまり、佐川氏が「忖度」によってサービスした、という形での「文書偽造」はありえない。そんな違法行為に手を染めるのは、上からの強制があった場合に限られる。
こうして、「首相が真犯人」という説は補強される。
[ 付記 ]
あとは、佐川氏が真相を告白するかどうか、だ。ま、告白するにしても、証言拒否をするにしても、「首相が真犯人」という説は揺るがない。
その説が揺るぐ場合があるとしたら、「私が独断でやりました。勝手に暴走しました」と佐川氏が告白した場合だ。しかし、それはあり得ないだろう。なぜなら、佐川氏にはそれ(文書偽造)によって得られる利益がないからだ。その利益を得るのは安倍首相だけである。
とすれば、「利益を得るのが真犯人」という推理小説の常道に従って、安倍首相が真犯人だと推定される。何ら利益を得ない佐川氏が真犯人であるはずがない。特に、今になってみれば、辞職した上で、懲戒免職の危機に瀕しているのだから、佐川氏は「まったく利益にならなかったな」と、しみじみと実感しているはずだ。
というわけで、佐川氏の証言が待たれる。それも、27日中にはわかるが。
それを佐川さんが上手く食い止められるかがポイントのように思います。
野党の“質問力”がカギとなりそうですが、そのスキルが彼らにはないんですよね、残念ながら。
「財務省の理財局内の話で、その長であり改竄の責任を大変重く受け止めている。」だって
管理人さんの予想とは裏腹に佐川は愚か者ということかな。
証言拒否すれば退職金を没収するぞ、没収されたくなければ黒だと言え、
と追い込む手法を提案しただけで、
その懲戒が現実的ではないと佐川が考えれば、証言拒否もありうること
私は最初からそっちだと思っていました
予想に従えば佐川は愚か者のようだという結論です。
本当は佐川と安倍関係者との話は付いるのかなぁとか思ってしまいますけどね。
管理人さんへのリクエスト。今回の佐川の証言の行動原理を上手く推測してロジックを説明してほしいなあ。面白そうではありませんか?
予想が外れたということは、2つの前提条件のいずれかまたは両方が間違っていたということです。
おそらく管理人さんは「佐川氏が愚かだった」説を取り、首相の指示が無かった説は意地でも取らないでしょうね。
まあ、愚かだったから、なんて理由がまかり通るならなんでもそれで説明できちゃいますがね。
なんで不倫した?→愚かだったから
なんで離婚した?→愚かだったから
そもそもなんで結婚した?→愚かだったから
おそらく『真犯人』という言葉の定義の違いかと
私などにとっては、この件における真犯人というのは、明確に指示した人物のこと
管理人にとっては、実質的、強制的に実行させたのであればそいつが真犯人
そういう意味では、佐川がいくら「首相からの明確な指示はなかった」と言っても「それはそうだろう。しかしだからと言って首相が実質的にやらせたのは間違いないから、首相に責任がある」ということになる
佐川がどちらを取ろうが管理人の意見は変わらない
しかし付記で「真犯人説が揺らぐ時は」とやってしまっているので、真犯人の言葉の定義はこの際どうでもよくなっちゃってます。
ま、「揺らいだだけで、消えたわけではない」とか言いそうですけど。
管理人は安倍首相への憎悪によって理性的な判断ができなくなってしまった。
このブログ全体の信頼性・品質が低下している。
どうせ裁かれるなら、司法の方がよほど公正だと思っているのではないでしょうか。
わたくしは、「あの責任転嫁丸出しの決裁文書を政治家に見られたくなかった」というのが事の真相ではないかと思い始めています。
出世の目が無くなりますからね。
※カレーさんの言うように「明確に指示した人物」を真犯人とするという観点からの話です。
仮にそうだとするとより事態はより深刻でしょう。官邸から具体的な指示がなくとも官邸に配慮し官僚が違法行為を働く異常な状況が示されてしまいます。そしてその状況を作り上げた政府首脳の責任も重いと考えます。
元々日本の中央省庁は独立性が高かったのですが(族議員の影響力が強かった頃)、近年では「官僚主導」に対する風当たりが強くなっていきました。そして現政権のもと「官邸主導」を推し進められました。これは忖度を生みやすい土壌を作った一因と言えます。
また下の者が忖度した上での独断によって上を振り回す戦前を思わせる状況も示されます。
戦前「八紘一宇」などのスローガンに熱狂した活動家達は、当時行われた政治活動規制の対象外であり、官僚と接触した彼らは上層部に無視できない影響力を与えました。上層部は自らのスローガンに忠実な活動家達に退路を断たれる形となり、下の者が上の者を振り回し一層戦争に突き進む結果となりました。
同様に安倍首相のスタンスと合致する森友学園の交渉に臨むに際、関係省庁が官邸の直接的な働きかけなくとも忖度が働く状況が作られていると言えます。「美しい日本」のようなスローガンが官僚に強迫的影響を与えるとしたら、少数の悪人がいるよりもはるかに恐ろしい事です。