とある経緯で街コンに行った。世の中の仕組みがわかった気がした。ので書く。
申し込んだのは普通の街コン。趣味コンでもオタコンでもない街コン。
「男女比は必ず1:1に調整しているので、安心して参加してくださいね!」とのこと。
女二人で行った。開催場所は普通の居酒屋で、ほら穴みたいな半個室が並んでいるタイプの店。
司会のスタッフがほら穴に案内してくれる。机の上にはプロフィールカードが置いてある。
プロフィールカードを書く。名前、年齢、勤務地、在住、趣味、デートで行きたい場所。適当に埋めて、「早く着きすぎちゃったかな」とか言っていたら、スタッフがやってきて「今日、女性がちょっと少なくて……一人ずつに別れてもらってもいいですかね?」と打診される。しかも我々のペアだけでなくて、隣の女性ペアにも打診している。そして断られている。
「えっ、おかしくない?1:1に調整してるんじゃ……」
この時点で嫌な予感がする。
あとからHPを見たら、「当日キャンセルがあった場合など、男女比が1:1にならない場合があります。その場合は、スタッフの判断で調整させていただきますので、ご了承ください」みたいなことが書いてあった。
でも、おかしくない?参加料金は前払い。女性2700円。3千円近く払って、当日「やっぱ行ーかない」ってなるかなあ。しかも隣のペアにも声をかけてるってことは、相当足りてないのでは?
それでも同行の友達がOKしたので、一人ずつに別れた。店の入り口で人の話し声がして、ほら穴に男性が二人入ってくる。狭くて薄暗いほら穴に男性二人と座っている状況がすでに厳しい。おまけに相手は割とヤンチャな感じの方で、「ないわー」って顔をされている。
そこから25分のトークタイムが始まるわけだが、コンマ2秒で「ないわー」という表情をされた人と25分間、何を話せばいいんだろう?学会発表よりも長いのでは?
司会は仕事をしない。「お時間まで5分です!」と叫ぶだけ。それ、Google Homeとかでも出来る仕事じゃないかな?頼むから何か……何か……どうにかして。そう思うけど、何もしてくれない。
チェンジタイムが来て、また新たな男性二人組が入ってくる。ただ、(良いとか悪いとかではなくて)キャラクターがバラバラすぎる。DJをやっていそうな男性と、公務員の男性がペアにさせられている。一人参加同士なので組まされたらしい。居心地は互いに良くなさそう。
それなりに話ができた男性はいたけど、どうやら女性の側もキャラクターがバラバラだったらしく、パリピっぽい人もいればオタクっぽい人もいるとのことだった。
「……正直、疲れますよね」って話で一番盛り上がった。そしてそこで衝撃の事実を知った。なんと男性には、30分×2回の「休憩タイム」が設けられたという。
パーティの時間は3時間。そのうち1時間が休憩なんて、8千円弱も払っている男性側にしてみたら、たまったもんじゃないだろう。
それも納得の機嫌の悪さで、「なんで爪そんな色にしたんすか(笑)」と開幕早々disられたりした(※流行りの色です)。
機嫌が悪いのは分かるけど、こっちは少しでも盛り上げようとしていたし、失礼なことはしていないつもり。直球disは、正直なところ心にきた。(ちなみにこの時点で、まだパーティは半分しか終わっていない。)
これから先はいちいち書かない。でも、冷静に考えるといろいろおかしい。女性は1:1にされ、それでも足りず、男性側に2回も「休憩」が発生している。「男女比は必ず1:1に調整しております」というタテマエの信憑性が、ものすごく疑わしいのだ。
あまりにも納得できなかったので、家に帰ってから他のイベントも見てみた。
だいたいのイベントが「男性先行中(女性の参加者が足りていない)」となっている。でも、世の中に男女は1:1で生まれてきているはずだ。じゃあ女性はどこにいるか?実は唯一、常に「女性先行中」のイベントがあった。「ハイスペック男性コン」というやつである。
はいはい、そういうやつね、と思うだろうけど、もう少しだけ聞いてほしい。この「ハイスペック」の定義、よく見るとガバガバなのである。「身長170cm以上 or 大卒以上 or 年収300万円以上 or 非喫煙者 のうちいずれかを満たす〜」なのである。
「いずれか」だから、身長が500μmしかなく、大学にも行っておらず、年収もおそらく0円であろうミドリムシでも参加できる(ミドリムシは多分タバコを吸わない)。それでも女性はたくさん参加している。だから普通の街コンには女性が来ない。完全に理解した。結局、それっぽくガワだけ変えて、運営会社がトータルで儲かればいいや、ということなのだ。
というか、婚活ビジネス自体、ひとたび成婚してしまえば金づるでなくなるわけだから、懇切丁寧に参加者の世話をする必要はどこにもない。「お時間5分前です!」と叫ぶ役だけ配置すればいいのだから、こんなにうまい商売はない。性欲に流行り廃りはない。
うまく行かなかった場合でも、「じゃあ今度はオタク婚活とかなら……」とか思って、懲りずに参加する人は少なくないだろう。
一方、うまくいけば、広告塔になってくれる。実際、私も先輩が結婚式で「街コンで出会った」と言っていたから参加を検討したのだ。そしてマニキュアをdisられた。こんなことなら、2700円で美味しいものでも食べるべきだったと後悔する。
そうそう、Twitterで検索してみると、「ガワだけ変えている」説は割と有力らしい。ある街コンでは参加者が集まらず、「ハイスペック男性コン」と「オタクコン」が合併開催になったらしいです。その場の雰囲気は考えたくもない。
それから、司会がいないパターンの街コンもあるようです。徹底したコストカットだな。とりあえず私は牛タンでも食べに行きます。
「学会発表」とか「ミドリムシ」あたりに理系的な雰囲気を感じる。
司会が仕事していない 運営のメリット:人件費 参加者のデメリット:盛り上がりにかける場合の席交代とか話題を提供するとかそういうのがない バランスしていない 運営のメリッ...