トランプ米大統領、退役軍人長官を解任 後任に担当医指名
ドナルド・トランプ米大統領は28日、デイビッド・シュルキン退役軍人長官の解任を発表し、大統領の担当医、ロニー・ジャクソン海軍少将を後任に指名した。ジャクソン氏は今年1月に、トランプ大統領の就任後初の健康診断を担当している。
トランプ大統領は、退役軍人長官の交代を発表したツイッターへの投稿で、シュルキン長官に謝意を述べた。
シュルキン氏に対しては、昨年7月に欧州を訪問した際に観光に興じたなどと指摘する内部調査の報告書が今年2月に公表されていた。ロイター通信は匿名の政府関係筋の話として、シュルキン氏の去就をめぐる憶測で支障を来たしていたと報じた。
ジャクソン氏の議会承認を待つ間、国防総省の高官、ロバート・ウィルキー氏が長官代行を務める。
今月に入り、レックス・ティラーソン国務長官をはじめとするトランプ政権の主要閣僚の交代が相次いで発表されている。
シュルキン氏の去就めぐる暗雲
シュルキン氏は当初、公の場でトランプ大統領から高く評価されていたが、更迭への圧力が強まっていた。
先月公表された内部調査の報告書では、昨年のシュルキン氏の欧州訪問時に、「退役軍人省の職員による深刻な職務怠慢」があったと述べられていた。
報告書は、シュルキン氏がテニスの英ウィンブルドン選手権の観戦チケットを贈与され、観光に興じていたと指摘した。
シュルキン氏は内容を否定したが、報告書が求めていた同行した妻の飛行機チケット代4300ドル(約45万円)超の支払いに同意した。
退役軍人長官の解任を発表したトランプ大統領はツイッターで、「とても尊敬されているロニー・L・ジャックソン医師を新たな退役軍人長官に指名すると発表できるのをうれしく思う。移行期間は、国防総省のロバート・ウィルキー氏が長官代行を務める。我が国や我々の偉大な退役軍人たちに対するデイビッド・シュルキン医師の貢献に感謝している」と述べた。(訳注:太字部分は、原文では感嘆符と共に全て大文字で強調されている)
アメリカン・リージョン(米国在郷軍人団)のベラ・ジョーンズ事務局長は、シュルキン氏の辞任を残念だと語った。「シュルキン長官は退役軍人のために素晴らしい働きをした。シュルキン長官の下で、退役軍人たちの要望は予想以上の前進を見た」。
ロニー・ジャクソン海軍少将は、ジョージ・W・ブッシュ政権時から大統領の担当医を務めている。
(英語記事 Trump picks his doctor to replace Shulkin as veterans secretary)