ウェブ漫画(パソコン・モバイル向け漫画)を原作とする映画『神と共に-罪と罰』『鋼鉄の雨』などがヒットしていることから、ウェブ漫画家が最近脚光を浴びている。しかし、大多数の漫画家がウェブ漫画を連載する企業の横暴さを前になすすべがないことが分かった。
公正取引委員会がウェブ漫画を連載する企業26社を調べたところ、事実上の「奴隷契約」に近い不公正条項が多数発見されたという。ウェブ漫画は「ネイバー」や「ダウム」といったポータルサイトや「レジン・コミックス」などの専門サイトで連載されている。
公取委が27日に明らかにしたところによると、「レジン・エンターテインメント」(レジン・コミックス)、「ネイバー・ウェブトゥーン」(ネイバー)、カカオの子会社「ポドトゥリー」(ダウム)などは、ウェブ漫画コンテンツが映画化・ドラマ化される場合も使用権の一切を企業に委任すると条項に明記されているとのことだ。公取委関係者は「別途に使用権契約を結んで費用を支払うべきなのに、無断で使えるようにしているということだ」と指摘した。
ポドトゥリーでは契約期間終了後にコンテンツが映画化・ドラマ化された場合、自動的に契約が延長されるようになっているほか、ネイバー・ウェブトゥーンと「バトル・エンターテイメント(バトル・コミックス)」は契約期間後もコンテンツの電子出版権を企業が保有するという不公正利用条項を設けている。
ネクスチャー・コリア(スプーン・コミックス)、ボム・コミックス(ボム・トゥーン)などはウェブ漫画コンテンツの価格を漫画家と協議せずに勝手に決められるようになっている。ウィズダムハウス・メディアグループ(ジャストゥーン)は漫画家の許可なく第三者にコンテンツ使用権を譲渡できるように、レジン・エンターテインメントやトゥーミックス(トゥーミックス)などは今後開発されるあらゆるメディアで該当コンテンツを使用できるように規定している。
また、KT(ケイトゥーン)やネイバー・ウェブトゥーンなど大多数の会社が事前警告なしに漫画家と契約解除できるようになっており、事実上の「上下関係」を強要していたことも分かった。
このような不公正条項について、業界関係者は「作品を連載するには泣く泣く契約を結ぶしかない。条項が複雑で詳細を知らずに契約を結ぶケースも多い」と話す。公取委関係者は「最近はウェブ漫画が人気で、漫画家も大幅に増えているが、ほとんどが無名なので不当な処遇を受けているのが現状だ」と語った。