POPなポイントを3行で
- バーチャルYouTuberを見てダテコーが脳裏をかすめませんでしたか
- 生アニメの開拓者がVTuverを語り尽くす
- Yahoo! JAPANでVTuber番組も始動!?
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日に日に大きくなっていくバーチャルYouTuberたちが起こすビッグウェーブ。
ついに1000体を超えるキャラクターたちが生まれる中、やはりキズナアイをはじめとした3Dキャラクターによるリアルな動きが目を惹く。人間のように表情を変えることや、アドリブな言動にすぐそばにいるかのような存在感を感じることができる。
そんなテクノロジーの進化と触れ合う中で、脳裏をかすめる一抹のデジャブ。我々は既にこれを知っている──ダテコーだ。「魔法少女?なりあ☆がーるず」第1話
ダテコーこと石ダテコー太郎監督作品は3Dキャラクターをリアルタイムで動かす手法をいち早くとっていた。実際『魔法少女?なりあ☆がーるず』で使用されていたシステム「KiLA」は、一部のバーチャルYouTuberにも採用されている。
まさしくダテコー監督は、このムーブメントの開拓者だったのだ。
そんな監督は現在のブームをどのように感じているのか、そして満を持して何に取り組もうとしているのか。時代を先取りすぎた男が見据える新たな潮流についてうかがった。
取材・文:オグマフミヤ 編集:ふじきりょうすけ
石ダテコー太郎(以下石ダテ) キズナアイが登場したという話を聞いてからですね。あんまり生身のYouTuberを見るタイプではなかったんですが、バーチャルだったら少し見てみたいと感じました。
言い方悪いですけど、生身のYouTuberはアマチュアの「俺、ドヤ?」みたいな映像を見せられるのが苦痛で(笑)。でも、アニメキャラクターがそれをやる分には見ていられる。応援したい気持ちが芽生えるといいますか、なんだかそのキャラが頑張っている感覚は微笑ましい。
当時「KiLA」(※)チームとも、せっかくこういうCGのきぐるみを着れるシステムがあるなら、バラエティ的に「中身はおっさんです」って番組ができないかという話をしてたんですよ。
※きぐるみライブアニメーター・KiLA。生でVRキャラクターのアニメーションをつくる技術であり、石ダテ監督作品の『魔法少女?なりあ☆がーるず』でも用いられた。石ダテ監督は当初システムのプロデューサーとして関わっていたバーチャル狐娘YouTuberおじさん。はじまります。【001】
石ダテ そしたら実際出てきちゃったんで「そう! これこれ!」と思いました。キズナアイを発端に色んなキャラが出てきてますが、こういう風に多様化してくると面白いですよね。
──率直に、現在のブームはどのように感じられているんでしょうか。
石ダテ 楽しいなっていう個人的な思いはもちろんありますが、今はアニメの本数が多すぎて、みんな見るのがしんどくなってきてると思うんですよね。
そんな中、YouTubeでキャラクターの可愛さだけを短めの動画で見せてもらえるってすごい丁度いい。アニメを見るのは腰が重いけどキャラには触れていたいって人達にはとてもいい存在だと思います。
ビジネス目線でも、予算がかかる上に当たるかどうかもわかんないアニメより、予算も低くて制作に時間がかからないバーチャルYouTuberでキャラクタービジネスができるというのはとても魅力的だと思います。
──そういう手軽さが現在のブームに関係しているのでしょうか。
石ダテ 生身のYouTuberブームを受けてというのも当然あると思います──けれど、アニメを好きな人達は普通のYouTuberを見て、「うわぁ、クラスにこういう奴いたわ……」ってちょっと嫌だと感じるところもあったと思うんですよね。
そういう中でバーチャルYouTuberは「やっと俺達が応援できるのが出てきたじゃん!」みたいな。
──YouTuberに苦手意識を持っていた人でも、バーチャルなら大丈夫っていう流れができてきたんですね。
石ダテ 生身のYouTuberもテレビではできないことをやれる、みたいな面白さはあったんですよね。
ちょっと前のニコ動の「やってみた」みたいなもので、余計なものが削ぎ落とされたシンプルなコンテンツだと思いますし、そちらも受け手にちょうどいいものなんだと思います。
──なるほど。ちなみに注目してるバーチャルYouTuberはいますか?
石ダテ キズナアイはしっかりしててクオリティが高いと思いますし、輝夜月もキャラが魅力的ですよね。何やっても面白いのは素晴らしい。月ちゃんマジメにインタビュー受けたったワwwww
石ダテ あとねこますも「自分でやりたかったやつだ!」って思いましたし、そういう立ち位置がちゃんとしていて、気の利いた人達が好きですね。クリエイティブ的に新しさを求めて挑戦する分には、どんどん増えていってほしいと思います。
──逆に、足りないものや不安な部分はありますか。
石ダテ どんなジャンルでも切磋琢磨して淘汰されていくのは重要だなと思いつつも、最近のアニメのように溢れかえってる状況になるのは良くないんですよね。追っかけるのもしんどくなると思いますし。
今流行ってるらしい……だからって、全体を見ずに群がるところは怖いと思いますね。畑全体が荒れちゃったらもう得する人がいないですから。
キズナアイがいて、じゃあこっちは輝夜月みたいな感じをやろう、おじさんだけど猫耳やっちゃおう……。そんな住みわけをしつつ後追いする分には先駆者に対してのリスペクトもあるし、切り開いた土壌をみんなでお祭りにしましょうよっていう全体のルールを壊さずにできると思うんですけどね。
企業プロモーション的な、「TVでガンガン宣伝する予算もないから、バーチャルYouTuberをつくってそいつにやらせよう」みたいなことを考えてる人も多いと思うんです。そうなってくると、また一気に畑が荒らされちゃうだろうなと懸念してしまいますね。
YouTubeって選んで見る分ユーザー優位なコンテンツじゃないですか。なので一方的なビジネス側の都合で増えたもので埋め尽くされてしまうのは不幸なことに繋がっていくだろうなと。
──ユーザーが喜ぶかどうか、その先に愛着がわいて、ビジネスに繋がっていくかというポイントはあると思います。
石ダテ バーチャルYouTuberって、いわばキズナアイが切り開いた発明じゃないですか。
そしてその前、ヒカキンやはじめしゃちょーたちがYouTuberという存在を切り開いた上にあるもの。なので、繋いできたバトンの連携をぶち壊すようなのは非生産的だし、嫌ですね。【1st Anniversary】ついに一周年! 本当にありがとう!
──バーチャルYouTuber増えすぎた理由の1つとして、2Dキャラで始める人が増えたというのもあると思うのですが、石ダテさんはいかがでしょうか。
石ダテ どんな形であれ、バーチャルYouTuberは「実在するように感じさせる」のが大きなポイントだと思ってるので、それであればなんでもいいとは思います。
だけど、今のテクノロジーでそれをするなら3Dが一番相性がいいだろうなとは思いますね。
ついに1000体を超えるキャラクターたちが生まれる中、やはりキズナアイをはじめとした3Dキャラクターによるリアルな動きが目を惹く。人間のように表情を変えることや、アドリブな言動にすぐそばにいるかのような存在感を感じることができる。
そんなテクノロジーの進化と触れ合う中で、脳裏をかすめる一抹のデジャブ。我々は既にこれを知っている──ダテコーだ。
まさしくダテコー監督は、このムーブメントの開拓者だったのだ。
そんな監督は現在のブームをどのように感じているのか、そして満を持して何に取り組もうとしているのか。時代を先取りすぎた男が見据える新たな潮流についてうかがった。
取材・文:オグマフミヤ 編集:ふじきりょうすけ
キズナアイが切り開いた発明
──早速ですが、石ダテさんはバーチャルYouTuberをどのように知りましたか石ダテコー太郎(以下石ダテ) キズナアイが登場したという話を聞いてからですね。あんまり生身のYouTuberを見るタイプではなかったんですが、バーチャルだったら少し見てみたいと感じました。
言い方悪いですけど、生身のYouTuberはアマチュアの「俺、ドヤ?」みたいな映像を見せられるのが苦痛で(笑)。でも、アニメキャラクターがそれをやる分には見ていられる。応援したい気持ちが芽生えるといいますか、なんだかそのキャラが頑張っている感覚は微笑ましい。
当時「KiLA」(※)チームとも、せっかくこういうCGのきぐるみを着れるシステムがあるなら、バラエティ的に「中身はおっさんです」って番組ができないかという話をしてたんですよ。
※きぐるみライブアニメーター・KiLA。生でVRキャラクターのアニメーションをつくる技術であり、石ダテ監督作品の『魔法少女?なりあ☆がーるず』でも用いられた。石ダテ監督は当初システムのプロデューサーとして関わっていた
──率直に、現在のブームはどのように感じられているんでしょうか。
石ダテ 楽しいなっていう個人的な思いはもちろんありますが、今はアニメの本数が多すぎて、みんな見るのがしんどくなってきてると思うんですよね。
そんな中、YouTubeでキャラクターの可愛さだけを短めの動画で見せてもらえるってすごい丁度いい。アニメを見るのは腰が重いけどキャラには触れていたいって人達にはとてもいい存在だと思います。
ビジネス目線でも、予算がかかる上に当たるかどうかもわかんないアニメより、予算も低くて制作に時間がかからないバーチャルYouTuberでキャラクタービジネスができるというのはとても魅力的だと思います。
──そういう手軽さが現在のブームに関係しているのでしょうか。
石ダテ 生身のYouTuberブームを受けてというのも当然あると思います──けれど、アニメを好きな人達は普通のYouTuberを見て、「うわぁ、クラスにこういう奴いたわ……」ってちょっと嫌だと感じるところもあったと思うんですよね。
そういう中でバーチャルYouTuberは「やっと俺達が応援できるのが出てきたじゃん!」みたいな。
──YouTuberに苦手意識を持っていた人でも、バーチャルなら大丈夫っていう流れができてきたんですね。
石ダテ 生身のYouTuberもテレビではできないことをやれる、みたいな面白さはあったんですよね。
ちょっと前のニコ動の「やってみた」みたいなもので、余計なものが削ぎ落とされたシンプルなコンテンツだと思いますし、そちらも受け手にちょうどいいものなんだと思います。
──なるほど。ちなみに注目してるバーチャルYouTuberはいますか?
石ダテ キズナアイはしっかりしててクオリティが高いと思いますし、輝夜月もキャラが魅力的ですよね。何やっても面白いのは素晴らしい。
──逆に、足りないものや不安な部分はありますか。
石ダテ どんなジャンルでも切磋琢磨して淘汰されていくのは重要だなと思いつつも、最近のアニメのように溢れかえってる状況になるのは良くないんですよね。追っかけるのもしんどくなると思いますし。
今流行ってるらしい……だからって、全体を見ずに群がるところは怖いと思いますね。畑全体が荒れちゃったらもう得する人がいないですから。
キズナアイがいて、じゃあこっちは輝夜月みたいな感じをやろう、おじさんだけど猫耳やっちゃおう……。そんな住みわけをしつつ後追いする分には先駆者に対してのリスペクトもあるし、切り開いた土壌をみんなでお祭りにしましょうよっていう全体のルールを壊さずにできると思うんですけどね。
企業プロモーション的な、「TVでガンガン宣伝する予算もないから、バーチャルYouTuberをつくってそいつにやらせよう」みたいなことを考えてる人も多いと思うんです。そうなってくると、また一気に畑が荒らされちゃうだろうなと懸念してしまいますね。
YouTubeって選んで見る分ユーザー優位なコンテンツじゃないですか。なので一方的なビジネス側の都合で増えたもので埋め尽くされてしまうのは不幸なことに繋がっていくだろうなと。
──ユーザーが喜ぶかどうか、その先に愛着がわいて、ビジネスに繋がっていくかというポイントはあると思います。
石ダテ バーチャルYouTuberって、いわばキズナアイが切り開いた発明じゃないですか。
そしてその前、ヒカキンやはじめしゃちょーたちがYouTuberという存在を切り開いた上にあるもの。なので、繋いできたバトンの連携をぶち壊すようなのは非生産的だし、嫌ですね。
石ダテ どんな形であれ、バーチャルYouTuberは「実在するように感じさせる」のが大きなポイントだと思ってるので、それであればなんでもいいとは思います。
だけど、今のテクノロジーでそれをするなら3Dが一番相性がいいだろうなとは思いますね。
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