編集側である自分はとある秘密保持契約と暗黙の秘密保持契約を結んでいるのだが、過去諦めた業界の広報用語としての「エンバーゴ」の方を用語としてよく使う。所謂「情報の公開を解禁する時間」のことだ。
一方主催側はというと、勤めている会社と「NDA」契約を結んでいると聞いていた。これはより高度なもので「情報の使用目的・人間・時期の包括的な制限を定める機密保持契約」のことだ。
今回の制作は「NDA」基準に合わせた情報管理を行っていた……のだが、主催者が幾度となく情報管理ルールを無視する言動を繰り返し、とどめに明確なNDA違反を行った。最後の明確なNDA違反について説明する。
自分が仕掛品、それも比較的失敗している方を主催に1枚渡した際、自分は主催にこのように伝えていた。
「一人修正について聞いていない人がいるから、その人にのみ渡して「仕掛品での修正方針確認です、完成品ではないのでここからどの程度修正すればいいか教えてください。仕掛品なので他の人には流さないでください」と言ってた、と伝えてほしい」
つまり
①公開範囲は参加者のうち一人だけ
②利用目的は修正の方向性の確認のみ
③仕掛品につき他の参加者への転公開禁止(②の利用目的について、他の参加者からは既に聴取済だった)
の3点をNDA方式で伝えて渡した。主催を通したのはその参加者が撮影会には主催側からの招聘で参加していたため、筋を通さねばならなかったからだ。が、不安しか感じていなかったのも事実である。
結果は案の定NDA契約が全く守られなかった。参加者側に主催が伝えたのは②の条項だけで、直接渡した相手という部分に限っては①を守ったものの①と③を伝え損ねた。
その参加者は「全条項を適切に伝えていれば」流す心配の無い人であったが、①と③の伝え損ねが発生した事で写真の状態と情報公開範囲を間違え「完成品と勘違いしたままグループDMに載せて」しまった。
そして、仕掛品と知らず他の参加者が酷評するさまを主催にスクリーンショットで伝えたのだ。
ここで主催がNDA契約の公開範囲と利用目的制約の条件から逸脱していると気付いていれば、速やかに写真の削除とグループDMへの「仕掛品の特定目的確認品が流出した」旨の転載依頼、同内容の編集側への謝罪通知をするべきであった。
しかして、主催がやったのはグループDMのスクリーンショットをそのまま編集に送りつけて「こんなことを言われてるが大丈夫か?」という問いを投げ掛けてきた、ただそれだけであった。
この瞬間に企画の商品化中止と「主催者を通さない形での」写真利用解禁日通知を行うと決めたと言っても過言ではない。
この点については主催者の勤務会社に「貴社はNDA教育の「利用目的・公開範囲制限」について正しく教育しているのか」と質問状を送ることを検討している。
何しろNDAについて関係者内で一番知悉しているはずの主催者が、NDAを堂々と破った上で自覚無しに「NDAを破って流した情報でこんな論評がでているぞ、大丈夫か」と言ってきたのである。
出資関係が逆であったり、会社間であれば即刻「NDA破ったこの馬鹿をクビにしない限り出禁」とならない方がおかしいし、社内であれば上司であっても「NDA契約違反でプロジェクト除外」を更に上に伝える案件である。
この点について、主催者側は意図的に情報を隠しているのではっきりさせておこう。「主催者が致命的なNDA違反をやって、なおかつNDA違反の自覚無しだったのが作業全面中止の原因」だと。その対象物が写真であったとしても、NDAの対象として扱われている以上正しく扱う必要があったということだ。
追伸:自分が「主催の事も公平に調べろ」と言った原因がこれである。NDAに一番うるさい業界・系列に勤めてる人間が堂々とNDA違反したというのは「例え相手が出資者だとしても」即時プロジェクト中止の上で全責任をNDA違反側に負わせると決断するに足る理由だと思われるが。
追伸2:この主催者、夏の合同でも表紙の修正をめぐるDMでの言い争いのログを「了承も取らずに」ほかの編集に流すというNDA違反を堂々とやっている。今まで何故こんな情報管理であの公社系で働けてるのか、正直疑問に思える。