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あなたもこれでタッチタイパー!!


タッチタイピングとDelete

タイピングの際、打ち間違いは必ずある。
人間、どんなに上達しても、どんなに注意していても間違いがある。
キーボードを打っていても必ず間違える、早く打てるようになればなるほど間違える量が多くなる。(と思う)
昔、電子タイプライターが出始めた頃、タイピストが電子タイプライターへの移行を求めてストライキをしたことがあるそうだ。普通のタイプライターと電子タイプライターが何が違うかと言えば、間違ったところを訂正できるかどうか。それだけである。
まあ、他にもあるかもしれないが、一番大きな違いはこれだと思う。
想像してみてほしい。もし、ワープロに [BackSpace]や[Delete]のキーがなかったら。間違えてもその文字を消すことができない。印刷した後で修正液か何かでなおすのである。ぞっとする。というより、ワープロが全然便利じゃなくなる。
しかし、ご安心あれ。キーボードには、 [BackSpace]と[Delete]キーがある。間違えても、トントントンと押すだけで何事もなかったかのように消してくれる。
100以上もあるキーの中で一番便利なキーなのである。
このキーさえあれば、流れるように文字がうてる!!
........という風にはなかなかいかない。それはなぜかというと [BackSpace]キーは遠いのである。
タッチタイピングを少しでもやろうと思った人は「ホームポジション」という言葉を聞いたことがあると思うが、この「ホームポジション」に指を置いてみてほしい。
「ホームポジション」からあまり離れずに打つには [BackSpace]は遠すぎるのである。
そこで [BackSpace]の代わりに使うのが、CtrlキーとHキーを同時に押す(以後、Ctrl+Hと記す)である。
同時に2つのキーを押すのはめんどうだと思われる人もいるかとは思うが、見てみてほしい。Ctrlキーは左手の小指が十分届く場所にある。(Windowsパソコンはちょっと遠いが)Hキーも当然右手の人差し指の先にある。「ホームポジション」から手が放れないのである。
そういうことで、私の持論。「キー配列を覚える前に、Ctrl+Hを覚える!!

だけど、ちょっと待って。「僕のキーボードのCtrlキーは遠いところにあるよ。」という人もいるでしょう。というより、そういう人の方が多いはずである。なぜならば世界で一番使われているWindowsパソコンは全てCtrlキーが遠い(左下の方にある)のである。いやあ、困った。困った。
そもそも、キーボードを一番叩く人たち「プログラマー」が一番使っていたコンピュータ「UNIXワークステーション」はちゃんと[a]キーの隣にCtrlがあった。(例外もあったが)
そして、よく使われていたエディタEmacsはCtrlキーがないと話にならないエディタだった。どれくらい話にならないかというと、先に話した普通のタイプライタと同じなのである。はっきり言ってしまえばCtrlキーを使わなければカーソルの移動もバックスペースも、削除も、保存も、なあんにもできないのである。カーソルキーがカーソルの移動に使えないエディタがこの世にあるのだ!
でも、このEmacsというエディタが、使い慣れるととお~っても具合がいいのである。
その理由が、ホームポジションから指が離れないキーバインドなのである。このミョーなエディタのおかげで私はタッチタイピングができるようになった。
私は、この経験から「タッチタイプへのキーポイントは、Ctrlキーだ」と言い切る。

「でも、さっきから僕のはWindowsパソコンだって言ってるでしょ。Ctrlキーは遠いの!」
それならば近くへ持ってきましょう。
[A]キーの左側に変更すればいいのである。そんなフリーウェアがある。
そんなことは、やりたくない?それならここをクリックして、この先はあきらめてください。

それでは、やってみましょう。

 

Ctrlキー位置の変更

Windows用のソフトで私が仕事に使っているのは「Keylay 21 for Windows XP」というキーレイアウトをかなり柔軟に変更できるシェアウェアだ。
マッキントッシュは、ずいぶん昔「Swap Key」というフリーウェアがあって使っていたが、最近のマッキントッシュのキーボードは「A」のとなりにCtrlキーがあるので不要になっている。

 

IBM PS/5570のキーボード

雑談であるが、私が学生の頃(1989年頃?)、大学にIBMのPS/5570というパソコンがあった。
このキーボードがまたくせ者で、Ctrlキーが現在のWindowsパソコンのキーボードよりさらに3cmほど左にあったのである。つまり、一般的なキーボードよりも左へ2列多かったのである。
これには困った。どんなにがんばって小指を伸ばしてみてもCtrlキーに届かない。
そこで、研究室の同僚谷口君が名案を出した。つまりこうである。
    「小指が届かないのなら、腕で押そう!」
そのためにCtrlキーに消しゴムを張り付け、手の付け根あたりでガツンと押すと言うやり方になった。
こんな変なやり方でも、ないよりはまし。しばらく経つと結構慣れてしまったものだ。

 

ホームポジションのポッチ

ホームポジションと言うのをご存じだろうか。
FとJのキーのことである。
このキーにあるポッチを「なんだろう」と思ったことはないですか。
私は思ってました。
それで、高校生の時に初めて買ってもらったパソコンのポッチをヤスリで削って平らにしてしまいました。はっはっは。
実は、キーボードを見なくても指がホームポジションに戻せるための仕掛けだったのである。
今では時間がかかってもホームポジションを手探りする癖がついてしまっている。

 

Mac、Windows、そしてUNIX

ここで、マッキントッシュ、Windowsパソコン、UNIXのキーボードの特徴を見てみよう。私のキーボード選択の基準だけで見ている。
Ctrlキーが[A]の隣にあるのは、マッキントッシュ(一時期はWindowsパソコンに合わせて遠くにあったときもあったが)、UNIX(HPのワークステーション以外)である。
次は、JISかASCIIかである。私は仕事でJISを使っているので慣れてしまったが、ASCIIの方がタッチタイピングにはむいているのではないかと思う。例えば、リターンキーが近いとか。
ただ、両方使っているとまれに混乱する。()カッコが1個だけずれていたりするし。
最後にキータッチについて。Macintosh II fxのころのマッキントッシュのキーボードは最高。私は昔、愛用していた。逆に柔らかすぎたり、打った感覚がないものはだめ。II fxより後ののマッキントッシュは最低だった。最近のはそのころに比べると随分ましになった。
IBMはかなりいい線行っている。特にThinkPadはノートとは思えないキータッチだと思う。

 

ATOK、ことえり、そしてWnn

キーボードが決まったら今度は日本語変換である。日本人である限りキーボードと言えば日本語変換が必要である。
これにはタイトルに挙げたほかにも色々あるが、私が使ったことがあるのがこの3つだけなので、勘弁してほしい。
ATOKWindowsマッキントッシュの両方で使えてしかも変換効率がなかなかすばらしい。わたしはほとんどこれを使っており結構気に入っている。
続いて「ことえり」。これはマッキントッシュを買うとついてくるものである。
OSをバージョンアップしてもすぐに捨ててしまうのだが、たまに実家にかえって弟のマックでメールを打とうとすると頭にくるほど使いにくい。「ことえり」しか入っていないのである。「ことえり」は時代遅れだからやめましょう。(MS-IMEも同じようなレベルだと思う。)
最後にWnnである。UNIXの世界ではデファクトスタンダード(事実上の標準)となっており、数々の特徴を持っているのだが、ここでは割愛する。
なぜ名前を挙げたかというと、私がタッチタイプを覚える元となった日本語変換だったからである。全ての操作がCtrl+何かのキーででき、気に入らなければ簡単に変更できた。おそらく「変換」のキーバインドが「Space」でない唯一の日本語変換ソフトではないかと思う。(変換はCtrl+Wだった...)
最近はキーバインドを変更できるものがほとんどであるが、当時はWnnだけだったと思う。UNIXを使わなくなった後もしばらくは自宅のATOKWnn風にキーを変えて使っていた。

 

Ctrlキーによる漢字変換

余談ばかりでタッチタイピングの話はまだ Ctrl+H しかしていない。
やっとここでCtrlキーを使った日本語変換を説明できる。私が説明できるのはATOKだけであるが、ご了承いただきたい。今時の日本語入力ツールは、かならずATOKのキーバインドに変更できるはずである。
まずは、とにかくこのキーバインドを覚えるなりディスプレイの端っこにポストイットではるなりしてほしい。
後は、日本語変換の際にこれ以外のキーを絶対に使わないように注意することである。これ以外のキーを使わなくても何不自由なく変換できるはずである。実際、私はこれ以外のキー操作を知らない。間違ってもカーソルキー、バックスペースキー、デリートキー、ファンクションキーは使ってはいけない。

これだけである。

 

Ctrlキーによるカーソル移動

キー入力と削除と漢字変換ができるようになるとやりたくなってくるのがカーソル移動である。Windowsパソコンのように十字状に並んでいればまだいいが、私のマッキントッシュは横一列に並んでいる。これでは、ホームポジションから指が離れるだけではなく目で見ないとカーソルの移動もまともにできない。
AT互換機の場合、Windowsが出る前のアプリケーション(例えば一太郎4.3)は、ダイヤモンドカーソルとよばれるCtrlキーによるカーソル移動ができるものが多かった。Ctrl+E,X,S,Dで上下左右に移動ができるのである。これは直感的にわかりやすいが、ずっと使っていると右手の中指と薬指しか使わないため左手がつりそうになってくる。
他には、UNIXのエディタEmacsである。これは前にも紹介したが、カーソル移動はCtrl+P,N,B,Fで上下左右に移動する。これは慣れるまでが大変かもしれないが、両手をまんべんなく使うためダイヤモンドカーソルよりも疲れないかもしれない。
私自身は、Emacsのカーソルが好きなのだが、一時期一太郎4.3を使い続けたこともあり、その後はダイヤモンドカーソルが手になじんでしまった。
自宅のマッキントッシュで使っているのは「Keyboard Maestro」というシェアウェアで、どんなアプリケーションでもダイヤモンドカーソルになるようにカスタマイズしてしまっている。(過去は、「KeyQuencer」「DiamondKeys0.8」「Defkeys」などを乗り替えてきた。)
Windowsでは、製品版ではあるが「Quickeys for windows」や前述の「Keylay 21 for Windows XP」でダイヤモンドカーソルは実現可能であるが、いかんせんWindowsはショートカットキーがCtrlが基本なのでことごとくバッティングしてしまい、あきらめてしまっている。(特にCtrl+Sをカーソル移動に使ってしまうと、ファイルの保存ができない。) 

終わりに

ここまでが、私のタッチタイプに関するノウハウである。これだけである。
これを頭に入れて、特にCtrlキーの使い方は覚えてしまってから、後は文章を打つなり、キーボード練習ソフト(*)を使うなりするといいと思う。
たとえ、仕事が遅くなっても、いらいらしても、1週間くらいはキーボードを見ずに練習してみて欲しい。
必ず、一線を越えるときがやってくるはずである。


(*)キーボード練習ソフト

最近では、「打ちモモ」がお勧めであったが販売終了した。
お勧めの理由は、「どんなローマ字の入力方法でも認識してくれる。」「間違った場合はCtrl+Hキーで修正が可能。」 そう。キータッチ練習ソフトでCtrl+Hが使えない物があるのである!


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