カテゴリー「高橋洋一氏金品窃盗事件」の4件の記事

2009年4月28日 (火)

窃盗現行犯高橋洋一氏無罪放免の背景

2004年9月に私が巻き込まれた冤罪事件。

 

エスカレーターに普通に立っていた私は、下から駆けあがってきた警官に呼び止められた。警官は「携帯電話による盗撮」だと確信して駆けあがったと公判で述べた。

エスカレーターを降りた後、警官はポケットのなかの持ち物を確認して、直ちに携帯電話を出すように私に指示した。携帯電話での盗撮を疑っていたのである。しかし、携帯電話はアッシュケースの中にあった。そのまま、駅の交番に行ったが、弁護士の検証によれば、行動の様式は紛れもなく「任意同行」だった。警察で容疑事実が変更された。

「現行犯人逮捕手続き書」には「現行犯逮捕である旨を告げて逮捕した」との記述があるが、この書類は、事後的に、事務的な目的によりねつ造されたものであることを、書類を作成した警官が公判で証言した。

私は駅の防犯カメラ映像が私の無実を確実に証明する決定的証拠であることから、防犯カメラ映像の確認とその保全を要求し続けたが、警察は防犯カメラ映像の保全を行なわずに、10日以上放置し、その後、「防犯カメラ映像を確認したが、時間が経過して映像が消去された」と回答し、決定的な証拠が消滅された。

警察は防犯カメラ映像を確認し、私の無実を確認したために、防犯カメラ映像を消滅させたのだと考えられる。

被害者とされる女性サイドからは、「被害届を出した覚えもない。起訴して裁判にしないでほしい」との上申書が東京地検に提出された。しかし、私は起訴され、有罪判決を受けた。

元財務省職員の高橋洋一氏は、3月24日、東京都豊島区の温泉施設で数十万円の金品を窃盗した現行犯で捕らえられたが、逮捕されず、身柄が釈放され、書類送検された。

東京地検は4月24日、高橋洋一氏を起訴猶予処分とした。東京地検は被害品の返却や、勤務先を免職され社会的制裁を受けたことを理由としているとのことだ。検察審査会がどのように判断するか注目される。

「罪刑法定主義」、「法の下の平等」が日本国憲法で定められている以上、こうした事案についての実態がすべて明らかにされる必要がある。刑法の規定を覆す「裁量権」が警察や検察に付与されているとなると、刑事問題の運用はまさに「霧の中」、あるいは「闇の中」ということになる。

これらが、「天下り」を中心とする警察・検察利権、政治目的、官僚機構の身内対応によって、歪められているとすれば、重大な問題だ。何ともやりきれない思いがする。

日本国憲法は第31条に「罪刑法定主義」、第14条に「法の下の平等」を定めている。この規定の原典になっているのがフランス人権宣言であると考えられる。フランス人権宣言の第6条から第9条を以下に転載する。

第6条(一般意思の表明としての法律、市民の立法参加権)
法律は、一般意思の表明である。すべての市民は、みずから、またはその代表者によって、その形成に参与する権利をもつ。法律は、保護を与える場合にも、処罰を加える場合にも、すべての者に対して同一でなければならない。すべての市民は、法律の前に平等であるから、その能力にしたがって、かつ、その徳行と才能以外の差別なしに、等しく、すべての位階、地位および公職に就くことができる。

第7条(適法手続きと身体の安全
何人も、法律が定めた場合で、かつ、法律が定めた形式によらなければ、訴追され、逮捕され、または拘禁されない。恣意的(しいてき)な命令を要請し、発令し、執行し、または執行させた者は、処罰されなければならない。ただし、法律によって召喚され、または逮捕されたすべての市民は、直ちに服従しなければならない。その者は、抵抗によって有罪となる。

第8条(罪刑法定主義)

法律は、厳格かつ明白に必要な刑罰でなければ定めてはならない。何人も、犯行に先立って設定され、公布され、かつ、適法に適用された法律によらなければ処罰されない。

第9条(無罪の推定)
何人も、有罪と宣告されるまでは無罪と推定される。ゆえに、逮捕が不可欠と判断された場合でも、その身柄の確保にとって不必要に厳しい強制は、すべて、法律によって厳重に抑止されなければならない

 昨年10月26日の「麻生邸見学ツアー」の不当逮捕、小沢氏秘書の不当逮捕、私が巻き込まれた冤罪事件、高橋洋一氏の無罪放免、など、警察、検察行政に対する不信感は強まるばかりである。

 裁判員制度を論じる前に、警察、検察行政の適正化、前近代性除去が急務である。

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2009年4月 2日 (木)

高橋洋一氏窃盗事件文春新潮記事が小さい理由

高橋洋一氏の窃盗事件に関するメディア報道は私が冤罪事件に巻き込まれたケースと比較して、著しく少ない。数十万円の金品を窃盗して現行犯で取り押さえられた場合、住所等がはっきりしており、犯行を認めた場合には、「逮捕されない」処理が一般通常の警視庁の取り扱いであると解釈して間違いはないのか。

同様のケースが発生した場合、被疑者は逮捕を回避することを正当に主張できるのか。犯罪捜査において「逮捕するかしないか」は決定的に重要な事項である。警視庁は上記したケースでは「逮捕しない」ことを通常の取り扱いであると明言できるのか。確認したいと思う。

週刊誌報道では「新潮」、「文春」の覗き見心理報道が、いわゆるスキャンダル報道の双璧をなす。両誌の入稿最終締め切りは通常、月曜日夜と考えられる。

高橋洋一氏窃盗事件第一報は3月30日月曜日午後5時ころだったのではないか。「新潮」、「文春」の入稿締め切りギリギリのタイミングである。今週発売の両誌では、この事件の取り扱いが微少である。来週号で本格的に扱うのかどうかが注目されるが、扱いが小さければ、当局、メディアが一致して報道抑制を念頭に入れていると考えるべきだ。

ココログニュースがこの問題についての私の見解を紹介してくれたので、ご高覧賜りたい。

高橋洋一氏が財務省と対立しているとの見方があるが、この対立を私は「偽装」だと理解している。

小泉竹中政治は「改革」を掲げたけれども、官僚利権にはまったく手を入れなかった。小泉政権の末期に政府系金融機関改革が俎上に載せられた。私は「天下り」根絶に向けての最大の試金石が政府系金融機関への「天下り」を根絶するかどうかであることを主張し続けた。

『週刊金曜日』 2005年9月30日号の巻頭特集「「郵政」改革のウソ」に私は『小泉・竹中の二枚舌を斬る』と題する小論を寄稿した。政府系金融改革で小泉政権が「天下り根絶」を示すのかどうか。これが、小泉竹中政治の「天下り」に対する基本姿勢を示すことになることを指摘した。

予想通り、小泉竹中政治は「天下り」を完全擁護した。高橋洋一氏は竹中平蔵氏を理論面で指導してきた人物である。竹中氏は「天下り」利権には一切、手を入れようとしなかった。

小泉竹中政治の「改革」とは、一般国民に対する政府支出を切り捨てることでしかなかった。「セーフティネット」を強固にするには費用がかかる。小泉竹中政治が「改革」と称したのは、国民生活の安心と安全を確保する「セーフティネット」を切り捨てることだった。

「障害者自立支援法」、「後期高齢者医療制度」、「生活保護の老齢加算切り捨て」、「生活保護の母子加算切り捨て」、「セーフティネット整備なき派遣労働の容認」、「年金保険料の引き上げ」、「医療保険本人窓口負担の引き上げ」など、「セーフティネット」切り捨て政策を例示すればきりがない。

小泉竹中政治は「セーフティネット」を容赦なく、冷酷に切り捨てたが、「天下り利権」は完全擁護した。

財務省の「天下り御三家」は、「日本政策投資銀行」、「国際協力銀行」、「日本政策金融公庫」である。私はこの御三家に対する財務省からの天下りを根絶するかどうかを注視した。この問題を私は小泉政権が発足した2001年以前から訴え続けている。

結果として、予想通り、小泉竹中政治は「天下り」を完全温存した。

4月2日付の日本経済新聞1面トップ記事は「政投銀融資枠10兆円に」である。不況にかこつけて、財務省は政策投資銀行の業容拡大を図っている。

小泉竹中政治が日本の資産価格を暴落させたとき、暴落した日本の優良資産を買い占めたのは外国資本である。この外国資本に対して、小泉竹中政治は資金支援した。小泉竹中政治が活用したのは、日本政策投資銀行だった。外資による日本収奪を小泉竹中政権は日本政策投資銀行に支援させた。日本政策投資銀行は存在意義を失う局面だった。

日本政策投資銀行は時代の要請を終えて、廃止するべき存在だった。「官から民へ」の方針を掲げるのなら、民営化するとしても、業容を縮小して民間に吸収させることが正しい処理方針だった。

ところが、政策投資銀行も国際協力銀行も財務省の最重要天下り先であるために、小泉竹中政治はこれらの金融機関の縮小ではなく、業容拡大を図ったのである。竹中氏は政策投資銀行の前身である日本開発銀行の設備投資研究所研究員から大蔵省に出向し、その後の経歴を歩んでいる。政策投資銀行の縮小、「天下りの根絶」などを断行できる経歴の持ち主でないと考えられる。

高橋洋一氏と竹中平蔵氏は、日銀による量的金融緩和政策を強く求めた。量的な金融緩和政策によってインフレを誘発する政策を強く唱えてきた。

もっとも竹中氏は2000年8月に日銀がゼロ金利政策を解除して金利を引き上げた際、最も強く金利引き上げを主張していた人物の一人だった。

その後に何があったのか分からぬが、突然、量的金融緩和論者に変身した。高橋洋一氏の「指導」を受けたのではないかと考えられる。

財務省は本心ではインフレ熱望者である。激しいインフレが生じるとき、もっとも大きな利益を得るのは「債務者」である。損失を蒙(こうむ)るのは「債権者」である。この問題についても、拙著『知られざる真実-勾留地にて-』第一章「偽装」第6節「福井日銀総裁追及の深層」に詳しいのでご参照賜りたい。

100万円の借金がある人と100万円の貯金を持つ人。月給が30万円だとしよう。激しいインフレが起こると何が生じるか。物価が10倍になるとする。月給は物価に連動して300万円になるが、借金の100万円と貯金の100万円は元のまま変わらない。

つまり、激しいインフレが起こると、借金の重みはうそのように軽くなる。一方で、一生懸命ためた貯金は価値を失う。これを「債務者利得」と「債権者損失」という。

激しいインフレが起こると最も喜ぶのは「借金」をしている人々なのだ。日本一の借金王は誰か。正解は財務省である。日本政府は800兆円の借金を抱えている。だから、財務省は、本心で激しいインフレを熱望している。

 

また、日銀の量的金融緩和政策を強く主張している政治家や学者の多くが、巨額の借金を抱えているとの事情を有しているとも言われている。

 

財務省が日銀総裁のポストを熱望するのは、「天下りポスト」として日銀総裁が魅力的であることに加えて、物価を管理する日銀を支配下に置きたいからである。私は財務省から日銀への天下りに最も強く反対した者の一人だが、制度的に日本銀行は政府、財務省から切り離すことが極めて大切だからだ。預金者である大多数の国民に不当な不利益を与えるハイパーインフレを引き起こさない制度的な歯止めが必要なのだ。

高橋洋一氏と竹中平蔵氏がインフレ誘導政策を指向しているのは、財務省の利害と密接に関わっていると考える。

小泉元首相自身が歴然たる「大蔵族議員」だった。小泉政権は旧郵政省、旧建設省利権の切り込みには熱心だったが、財務省、金融庁、警察庁、検察庁利権に対しては徹底した擁護派だった。

高橋洋一氏は見掛け上、財務省と敵対しているように見せかけながら、その内実は財務省の利益を最も重視する人物であると私は評価している。

高橋洋一氏の窃盗事件が発生したのは3月24日とされている。警察はこの事実を隠ぺいしようとしたのではないか。しかし、何らかの要因で表面化が避けられなくなって、タイミングを計って公表したのではないか。

飯島勲氏が著書に記す言葉、「敵をあざむくにはまず味方をあざむく。これ権謀術数の第一歩と心得よ」の言葉を思い起こす必要がある。高橋氏は財務省をあざむくかに見せかけて、国民をあざむこうとしていたのではないかと考えられる。

検察がどのように対応するかが注目されるが、小沢氏周辺に対する無謀な捜査活動で国民の検察に対する信頼はいよいよ失墜しているだけに、バランスを欠いた対応はこうした批判の火に油を注ぐことになりかねない。

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2009年3月31日 (火)

少ない高橋洋一氏事件報道と「かんぽの宿」疑惑

高橋洋一氏窃盗事件に関する報道は、私が冤罪事件に巻き込まれた際の報道と比較して、圧倒的に小さくはないか。

逆に高橋氏の事件にかこつけて私に対する誹謗中傷を記載するブログ記事が目立っているのではないか。

小沢代表の公設秘書である大久保隆規氏は、政治資金報告書に政治献金をすべて記載し、政治団体から受け入れた政治献金であるから寄付行為者の政治団体名を政治資金報告書に記載したのに、その政治団体が実は実体がなく西松建設からの政治献金であると報告しないのは「虚偽記載」だと言いがかりをつけられ、突然逮捕され、いまも勾留されたままだ。

総額数十万円の窃盗罪は逮捕せず、「言いがかり」としか言いようのない政治資金規正法違反では逮捕、長期勾留ではバランスを欠いているのではないか。

警察・検察行政は「法の支配」ではなく、「裁量」に基づいている。その「裁量」が政治権力によって著しく歪められているとしたら、私たちはそれを容認するべきか。

鳩山総務相が日本郵政株式会社の2009年度事業計画を認可した。日本郵政は「かんぽの宿」につていて、38億円の赤字を計上した事業計画を示したが、鳩山総務相がこれを認めず、黒字化努力を示して認可を得た。

西松建設問題で「かんぽの宿」疑惑が隠されたが、この問題はまったく解決していない。

東京地検特捜部は、西松建設事件捜査を終結して「かんぽの宿&不正不動産売却問題」を捜査するべきだ。

郵政民営化委員会委員の任期が3月末で切れる。竹中ファミリーが支配する委員メンバーを刷新する必要がある。

日本郵政社長の西川善文氏に対する責任追及も行わなければならない、

麻生政権が小泉竹中一家と手打ちをして、麻生おろしをやめる代わりに「かんぽの宿」疑惑追及をやめるとの密約が生じていないか。監視が必要である。

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高橋洋一氏事件・検察警察の裁量とマスコミ報道

竹中平蔵氏に対する理論的指導者であったと見られる元財務省職員の高橋洋一氏が窃盗容疑で書類送検されたとの報道があった。

事件の真偽を直接確かめたわけではないので、事件そのものの詳細な内容と事実関係は分からない。報道は、「いい時計だったのでどんな人が持っているのか興味があり盗んだ。大変申し訳ないことをした」と供述していると伝えている。供述の意味が極めて分かりにくいが、報道は高橋氏が犯行を認める供述をしていると伝えている。

警察は高橋氏を逮捕していない。逮捕するかしないかについて、警察には「裁量権」がある。逮捕の有無は「天国と地獄を分ける」と言っても過言ではない。

新聞報道によると、容疑事実は「24日午後8時ごろ、練馬区にある天然温泉施設「豊島園庭の湯」の脱衣所で、鍵のかかっていなかったロッカーから同区の会社員男性(67)の現金約5万円入りの財布やイタリア製ブルガリ高級腕時計(数十万円相当)などを盗んだ疑い」である。

森ビルの回転ドアで死亡事故が起きた際も、森ビル関係者は逮捕されなかった。これらの問題については、拙著『知られざる真実-勾留地にて-』第一章「偽装」第7節「摘発される人・されない人」に詳しいので、ご高覧賜りたい。

新聞報道によると、高橋氏は「逃走の恐れがないことなどから逮捕しなかった」と言うが、小沢民主党代表秘書の大久保隆規氏も逃走の恐れはなかったと思われる。

余罪の可能性を考えるなら、逮捕して家宅捜索しなければ、罪証隠滅の恐れがあると言わざるを得ない。私の場合、逮捕され、132日間勾留され、家宅捜索を受けた。

警察行政には巨大な「裁量権」が付与されている。これが、警察の巨大権力の源泉になる。警察が巨大な「天下り利権」を保持している最大の背景に、この「裁量権」が存在する。

ここでは、全国紙と通信社報道のタイトルと冒頭部分を引用して比較する。

読売新聞:「小泉政権ブレーン・高橋洋一教授を窃盗容疑で書類送検」
警視庁練馬署は30日、温泉施設のロッカーから財布や腕時計を盗んだとして、元財務官僚で東洋大教授の高橋洋一容疑者(53)を窃盗容疑で書類送検した。・・・

朝日新聞:「小泉政権ブレーンの高橋洋一教授 脱衣所で窃盗容疑」
温泉施設の脱衣所のロッカーから高級時計などを盗んだとして、警視庁は、元財務官僚の高橋洋一・東洋大教授(53)=東京都板橋区=を窃盗の疑いで30日に書類送検した。・・・

毎日新聞:「窃盗:元竹中氏補佐官を書類送検 腕時計など盗んだ容疑」
脱衣所ロッカーから他人の財布や時計を盗んだとして、警視庁練馬署は30日、元財務官僚で東洋大教授の高橋洋一容疑者(53)=東京都板橋区=を窃盗容疑で書類送検した。・・・

産経新聞:「竹中元総務相のブレーン置き引きで書類送検」
日帰り温泉施設の脱衣所で財布や腕時計を盗んだとして、警視庁練馬署は30日、窃盗の疑いで元財務官僚で東洋大教授、高橋洋一容疑者(53)=東京都板橋区=を書類送検した。・・・

日経新聞:「高橋洋一・東洋大教授を窃盗容疑で書類送検 郵政民営化を推進」
警視庁練馬署は30日、小泉政権時代の経済財政諮問会議に参加し、郵政民営化の推進役として活躍した元財務官僚の高橋洋一東洋大経済学部教授53)を、温泉施設のロッカーから他人の財布や腕時計を盗んだとして、窃盗容疑で書類送検した。・・・

共同通信:「高橋洋一・東洋大教授が窃盗容疑  竹中元総務相のブレーン」
警視庁練馬署は30日、温泉施設の脱衣所ロッカーから財布や高級腕時計を盗んだとして、窃盗の疑いで東洋大の高橋洋一教授(53)=東京都板橋区=を書類送検した。・・・

時事通信:「東洋大教授を書類送検=小泉政権のブレーン-温泉脱衣所で窃盗容疑・警視庁」
天然温泉施設の脱衣所のロッカーから財布や高級腕時計を盗んだとして、警視庁練馬署は30日、窃盗容疑で、元財務官僚の東洋大経済学部教授高橋洋一容疑者(53)=東京都板橋区=を書類送検した。・・・

(ここまで引用。太字は本ブログによるもの)       

 各紙の事件報道における被疑者の敬称の取り扱いについては、どのような内規があるのか。内規があるとして、例外的な取り扱いがあるのか。ご存知の方があればブログ等で紹介くださるとありがたい。

 一般的には警察によって被疑者とされた場合には「容疑者」、起訴されれば「被告」の名称が氏名のあとに付される場合が多い。

今回の場合、朝日新聞、日経新聞、共同通信が、タイトル・本文ともに「高橋洋一教授」と敬称をつけて報じている。

読売新聞は、タイトルで「高橋洋一教授」と敬称を付し、本文では「高橋洋一容疑者」とした。

日経新聞は、高橋氏について、「郵政民営化の推進役として活躍した」とのプラス評価の説明まで付している。

毎日新聞、産経新聞、時事通信は、通常報道と同列と思われる「高橋洋一容疑者」の呼称で記事を掲載した。

高橋洋一氏は内閣府の郵政民営化準備室で、竹中平蔵氏の下で郵政民営化法案の策定にあたった。新聞社では「朝日新聞」と「日経新聞」が小泉竹中政治を積極支援して今日に至っている。そのことと事件報道の表記との間に関係があるのかどうか。

ライブドア元社長の堀江貴文氏は証券取引法違反の罪を問われ、現在、上告審で係争中である。この堀江氏の控訴審などの報道において、NHKは定時ニュースで、「堀江元社長」の呼称で堀江氏を表現している。

小室哲也氏の詐欺事件公判では、NHKは小室氏を「小室プロデューサー」の呼称で表現している。

一般的な事件報道では、上記のように「○×容疑者」または「○×被告」と表現していることが多いのではないか。NHKの内規と例外的取り扱いを知る方がおられれば、ブログ等で紹介していただけるとありがたい。

ジャニーズ事務所の人気グループ「SMAP」のメンバーである稲垣吾郎氏が、2001年8月に東京渋谷で、道路交通法違反、公務執行妨害罪、傷害罪容疑で現行犯逮捕されたとき、多くのテレビ局報道が「稲垣メンバー」の呼称で稲垣氏を表現した。

適正な報道のあり方を考える場合、被疑者や被告をどのような呼称で表現するのかは重要な問題である。この部分でも、報道機関は「裁量権」を有するのだろうか。

捕捉になるが、日本相撲協会の力士である若麒麟が大麻所持の現行犯で逮捕された事件では、検察が若麒麟を不起訴処分とした。大麻を所持していれば犯罪の構成要件を満たしているが、若麒麟は不起訴とされ、罪が問われなかった。

「罪刑法定主義」「法の下の平等」などが日本国憲法で定められているが、実情はまったく違う。警察・検察当局に膨大な「裁量権」が付与されており、これが巨大権力そのものであり、「天下り」などの利権に転化しうる。

警察利権、検察利権に踏み込むことには大きな危険が伴うと言われているが看過すべき問題ではない。

北海道の警察裏金問題、大阪高検の裏金疑惑、道交法違反の「もみ消し」などが問題になったことがあるが、今回の西松建設事件の経緯をも踏まえ、警察・検察の「裁量権」の意味をじっくりと検証する必要がある。

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