「北朝鮮の列車」が北京に 金正恩氏訪中か
北朝鮮高官が乗っているとみられる列車が26日、中国・北京に到着した。複数の日本メディアが伝えた。
ジャーナリストのマーティン・ウィリアムズ氏は、「北京の興味深い光景が、日本メディアの日本テレビによってとらえられた。故・金正日氏が2011年に使ったものと類似する21両編成の列車が、午後3時ごろ北京駅に到着した。儀仗兵が出迎え、賓客用の車が列をなしている。金正恩氏が北京にいるかもしれないとの推測がある」とツイートした。
米ブルームバーグは、匿名の情報源3人からの情報として、訪問しているのは北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長自身だと伝えた。
中国は北朝鮮にとって唯一の主要な友好国だが、北朝鮮の核保有の野心をめぐって緊張が高まるなか、両国関係はぎくしゃくしている。
金正恩氏は、7年前に権力を掌握して以来、北朝鮮を出たことはないと考えられている。
報道には政府高官によるコメントはなく、中国や北朝鮮のメディアはこの件を報じなかった。ただ、もし訪問が実際に行われているとすれば、外交関係の大幅な前進とみなされるだろう。
韓国政府の広報担当者は26日、「韓国政府は関係各国と密にコミュニケーションをとっており、状況を注視している」と述べた。
スティーブン・マクドネルBBC中国特派員はツイッターに、北京市の様子を撮影した動画とともに「北京に到着した誰かが、大きな自動車行列の出迎えを受けている」と投稿した。
日本テレビが放送した映像には、緑の車体に黄色の横線が入った列車が映っている。日本テレビは列車が、金正恩氏の父で前最高指導者の金正日氏が2011年に北京を訪問した際に使われたものに似ていると伝えた。
金正日氏の訪中は、同氏が中国を離れた後に公式発表された。
北京駅のすぐ外にある店の管理者は仏AFP通信に対し、26日の昼過ぎに「普通でない」光景を目撃したと話し、「駅の外や駅前の道に、たくさんの警察官がいた。駅は中から封鎖されていた」と語った。
ロイター通信は、警察が旅行者を北京の天安門広場から外に出るよう誘導していたと伝えている。この措置は通常、天安門広場西側の人民大会堂で高官級会談が行われることを示している。
ロイター通信はさらに、警護つきの自動車行列が広場を走り去るのが目撃されたと報じた。
相次ぐ会談
まだ具体的な準備はされていないものの、金正恩氏の首脳会談の提案をドナルド・トランプ米大統領が受諾したと発表されたなか、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は今月上旬、スウェーデンのストックホルムを訪問し、ステファン・ロフベン首相と会談している。
米国と北朝鮮の指導者間では初めてとなる画期的な米朝首脳会談は、5月に開催が予定されている。。
金氏はまた、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とも、来月会談することになっている。
(英語記事 'North Korean train' in Beijing fuels rumours of Kim Jong-un visit)