ITmedia NEWS > 製品動向 > 理研ら、ヒトの脳全体のシミュレーションを可能にす...

理研ら、ヒトの脳全体のシミュレーションを可能にするアルゴリズムの開発に成功

» 2018年03月27日 11時13分 公開
[太田智美ITmedia]

 理化学研究所の計算科学研究機構プログラミング環境研究チームとドイツ ユーリッヒ研究センター、スウェーデン王立工科大学の国際共同研究グループは3月26日、次世代スーパーコンピュータでヒトの脳全体シミュレーションを可能にするアルゴリズムの開発に成功したと発表した。


理化学研究所

 脳を構成する神経細胞は、電気信号を発して情報をやりとりする。脳全体で約860億個ある神経細胞同士はシナプスでつながり合い、複雑なネットワーク(神経回路)を形成している。

 この神経細胞の電気信号のやりとりをヒトの脳全体の規模でシミュレーションすることは、現在の最高性能のスーパーコンピュータを用いても不可能。しかし今回、同研究グループは新たなアルゴリズムによってメモリの省力化を実現。既存のスーパーコンピュータ上でのシミュレーションを大幅に高速化できたことから、2020年以降に登場するポスト「京」(21~22年の運用開始を目標に、スーパーコンピュータ「京」の後継機として、理化学研究所が主体となって開発を進めている次世代スーパーコンピュータ)上で、脳全体のシミュレーションが可能だとして期待している。

 新アルゴリズムは、シミュレーション開始時にあらかじめ計算ノード間で電気信号を送る必要があるかないかの情報を交換しておくことで、計算ノードが必要とする電気信号のみを送受信できるようにするというもの。その結果、無駄な送受信がなくなり、電気信号を神経細胞に送るか送らないかを判定するメモリもいならくなった。

 同アルゴリズムは、脳の情報処理や脳疾患の機構の解明に貢献すると考えられ、神経回路シミュレーションを行えるオープンソースソフトウェア「NEST」の次期公開版に搭載される予定。

 この研究は、スイスのオンライン科学雑誌「Frontiers in Neuroinfomatics」(2月16日付)に掲載されている。

太田智美

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

- PR -

Special

- PR -

Webページの運営元が実在することを確認できる“証明書”があるのを知っていますか? 安心してWebを見られる大事な仕組み、どんな事業者が発行しているのだろうか?

もしも、職場環境を変えたら、あなたの満足度や成長度合はどう変わるのか?

「セキュリティに不安」──その悩み、分かります。でも今は、クラウドアプリから通信回線まで一括で提供できる、通信キャリアだからこそのセキュアなサービスがあります。

「AIは万能だ」──間違った知識を身に付けていませんか? AIの現状をいち早く知ることで、他社に差を付けるチャンスを掴めるかも。ビジネス活用の今がここに

ThinkPadの2018年法人向けモデルは、「働き方改革」がテーマだ。基本スペックを強化したほか、スマートオフィス向け製品の新ブランド「ThinkSmart」も登場した

予期せぬ停電でPCやNASのデータ飛んじゃった……そんな悲しい事故を防ぐためのちっちゃな装置があるんです。

Webサイトは今や、企業活動の成否を担う。サイト内の検索機能を強化すると、どのようなことが起こるのか。カインズ、メガネスーパーなど成功企業の事例に学ぶ。

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)に聞いたサイバー攻撃の脅威とは? ビジネス/技術/人の3視点でデジタルトランスフォーメーション【DX】を総力特集

勢い良く伸び続けるビジネス。しかしメインフレームの性能限界が目前に……。「楽天カード」がクラウド基盤にオラクルを選んだ理由とは?

Special

- PR -