「悪の手引書」編み出した男の強烈なとがり方

とにかくたくましく能天気に、したたかに

データハウスの社長、鵜野義嗣さんに話を聞く(筆者撮影)
これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむと古田雄介が神髄を紡ぐ連載の第29回。

とがったタイトルの本ばかり

データハウス社から出版されている本を見てみると『悪の手引書』『危ない1号』『覚醒剤大百科』『人の殺され方』『銃器使用マニュアル』『コンピュータ悪のマニュアル』……などなどドギツイタイトルが並んでいる。

これだけとがったタイトルの本を作っているということは「好きな人だけ買えばいい」という採算度外視のスタイルなのかな? と感じる人もいるかもしれない。

ヒット企画のアイデアはどのように作られたのだろうか?(筆者撮影)
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だが実際には、数十万部を売り切った本が何冊もある。小さい出版社としてはかなり頑張っている数字だ。

ヒット企画のアイデアはどのように作られたのだろうか? データハウスの社長、鵜野義嗣さんに幼少期からの話を聞いた。

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  • NO NAME9c0e2a28a799
    いったいこんな本誰が書いてるんだ?こんな悪いこと教えてみんなが真似したらどうするんだ…等と思いながらもタイトルに惹かれてつい手にとってしまうような過激な本たち。
    作り手は世の中を悪くしたいのかな、なんて思っていたけど売れるものをつくるという商売の基本を追求していた姿勢を知りホッとした気分です。
    生きていく上で「必要の無い知識」が売れないことが景気を知る指標になることは興味深い現象だと思いました。
    現代は心にも懐にも余裕が無い人が多い。
    良くも悪くも好奇心に突き動かされるのが変わらない人間の姿なので、これから先もこの手の本が完全に廃れることはないでしょう。
    up29
    down0
    2018/3/25 08:37
  • 面白かった!468653cc1b65
    「危ない1号」は本当に魅力的な本で、殺人鬼名鑑、奇形児特集は朝飯前、身体障害者のAVデビューとか、村崎百郎さんの徘徊ゴミ拾いからの誌面公開とか、今では出来ないでしょうがワクワクするような記事がたくさんありました。こんな雑誌をつくる人はさぞ頭がおかしいんだろうと思っていましたが(褒めてます)、意外や意外、とても常識人で、売れるものを作っていたという意識で、なんだか安心しました。
    あの時代の世紀末感は、確かに今から考えるとそういうので遊ぶ余裕のある時代だったんですね。今はもう生活や仕事で生きていくのに精一杯で、「猟奇ごっこ」ではなく本当に殺風景な、年金絡みとか、餓死とか、通り魔とか、猟奇的な殺人が多発する時代になりました。
    up10
    down3
    2018/3/26 05:50
  • 本はわが友af3031e73e15
    ワルそうな題を掲げて誘えば売れた時があった。
    記事でいうように、もう今向きではないのかも。

    ワイドショー好き世代もいつかは消えていく。
    紙に代わる電子版の販促には何が最適?
    up3
    down1
    2018/3/25 14:22
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