イージスよりも戦艦を-。長らく海軍の主力でありながら第二次大戦で“時代遅れの恐竜”として滅びの道を辿った戦艦(バトルシップ)がいま再び重視されている。原子力潜水艦や空母、イージス艦といった現行の海軍装備だけでは、来るべき作戦には不十分だというのだ。求めるのは戦艦大和や武蔵、独ビスマルクなどが持っていた“打たれ強さ”だという。(岡田敏彦)
戦艦必要論を打ち出したのはシドニー大学のサルバトーレ・バボネス准教授。米外交誌ナショナル・インタレスト(電子版)への寄稿で、中国の接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略や南シナ海での島しょの基地化による“課題”を解決するためには、「未来の戦艦が必要とされる」と強調した。しかし、現代には「戦艦」という艦種は存在しない。まずは、なぜ滅びたかを辿らなければ復活の背景は見えないのだが、滅びるには理由があった。
英国が七つの海を支配するきっかけとなったトラファルガー海戦で用いられた戦艦は木造で、両舷(左右側面)に大砲を多数備えたものだった。以後、船体が木造から鋼製となり、帆船から蒸気船へと進化したが、左右に多くの砲を並べるのは変わりなかった。艦首の水面下には衝角(しょうかく=ラム)と呼ばれる角(つの)を設け、体当たりで敵艦の水面下に穴をあけて沈めようという“原始的”な構造も長く引き継がれたが、1906年、英国海軍は画期的、というよりもはやジョーカーと呼ぶべき戦艦を開発した。それが「ドレッドノート」だ。
それまでの戦艦のように大中小の砲をまんべんなく積むのではなく、装備は大口径砲1種類に統一。しかもそのほとんどを回転式砲塔として艦の中心線上に配置した。当時、揺れる船から移動する目標を撃破するのは難しく、実際に弾を撃って次弾の射距離を修正していたのだが、砲を1種にしたことで射撃官制が効率化され、遠距離砲戦で圧倒的に優位となった。
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