米国株が2015年以来の大幅高-貿易懸念が緩和
Brendan Walsh、Sarah Ponczek26日の米株式相場は上昇。貿易問題を巡る緊張状態に緩和の兆しが見え始めていることが背景にある。主要株価指数の上昇率は2.7%を超えた。先週は大きく下げ、週間での下落率はここ2年で最大となっていた。
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S&P500種株価指数では半導体メーカーと銀行が上げを主導。同指数は1日の上昇率としては2015年8月以来で最大。騰落比率は20対1だった。ただ先週の大きな下げを全て取り戻すには今週さらなる上昇が必要だ。フェイスブックは終値ではプラスとなったが、日中は軟調に推移。同社のプライバシー慣行について非公開の調査が進行中だと、米連邦取引委員会(FTC)が確認したことが響いた。
S&P500種株価指数は前週末比2.7%高の2658.55。ダウ工業株30種平均は669.40ドル(2.8%)上げて24202.60ドル。米国債市場ではニューヨーク時間午後4時46分現在、10年債利回りが4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.85%。今週は大型入札が控えている。
ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は反落。2カ月ぶり高値から下げた。イランが後押しするイスラム教シーア派系武装組織フーシ派が25日、サウジアラビアにミサイル攻撃し負傷者が出たものの、サウジの石油インフラに影響はなかった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前週末比33セント(0.5%)安の1バレル=65.55ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は33セント下げて70.12ドル。
ニューヨーク金先物相場は続伸。ドルの下落を背景に銀先物は2週間ぶりの高値となった。ドル以外の通貨保有者にとって素材価格が割安になった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前週末比0.4%高の1オンス=1360.90ドルで終了。銀先物5月限は0.6%上げて16.684ドル。
週末にトランプ政権の保護主義の姿勢に限界が見え始めたことから、株式市場に楽観が広がった。ムニューシン米財務長官は、米国が500億ドル(約5兆2400億円)以上の中国製品への関税を賦課しなくても済むよう、米中が合意に達することは可能との認識を示した。長官はFOXニュースで中国との協議について、「慎重ながらも私は合意に達することを期待している」語った。また欧州連合(EU)は報復措置の可能性を示しつつ、米国に恒久的な適用除外を求めた。米国は韓国とは自由貿易協定(FTA)改定と輸入関税の適用を巡り合意した。
クレディ・スイス・セキュリティーズのワシントン調査責任者、マギー・ゲイジ氏は、トランプ政権は「時間の経過とともに、より妥当な立場、つまり中道寄りの姿勢で交渉を行うことが多い」とし、「中国との関税問題についても同じことが言えると、われわれは慎重ながらも楽観している」と続けた。
個別銘柄ではマイクロソフトが7.6%高。アップルは4.8%上げた。金融株ではコメリカやメットライフの上げが目立った。
原題:Stocks Jump in Best Day Since 2015 as Dollar Falls: Markets Wrap(抜粋)
Crude Fades as Mideast Oil Supplies Dodge Escalating Conflict
PRECIOUS: Silver Futures Rise With Gold as Dollar Weakens