千と千尋の神隠しでは、無気力な千尋という少女が、両親と一緒に不思議な門をくぐって、違う世界に入り込んでしまいます。両親は醜い顔に変えられてしまって、千尋は消滅しそうになりますが、見た事もないハクという少年が助けようとするのです。実は、この二人は以前に会った事があって、お互いに助け合って行く事になるので、詳しく紹介しましょう(ネタバレなし)。
『千と千尋の神隠し』のキャスト
千と千尋の神隠しは、ジブリのアニメ作品として、2001年7月20日に日本で上映されました。DVDの収録時間は124分です。
監督&脚本&原作
ジブリの作品の中でも、高い人気を誇っていて、あの人気アニメ『君の名』や『アナと雪の女王』を抑えて、日本で上映されたアニメ映画の中で堂々の1位の興行収入を記録したのが『千と千尋の神隠し』です。その映画を製作したのが、巨匠である宮崎駿監督です。
- 監督 宮崎駿
- 脚本 宮崎駿
- 原作 宮崎駿
登場人物と声優
多くの俳優や女優たちが、声優として『千と千尋の神隠し』に参加して、ファンタジーな世界を演出してくれました。
- 荻野千尋/無気力なヒロイン(声:柊瑠美)
- 荻野明夫 /千尋の父親(声:内藤剛志)
- 荻野悠子 /千尋の母親(声:沢口靖子)
- ハク/千尋を救おうとする少年(声:入野自由)
- 湯婆婆/湯屋『油屋』の経営者(声:夏木マリ)
- 銭婆/湯婆婆の姉(声:夏木マリ)
- 坊/湯婆婆の息子(声:神木隆之介)
- かまじい/ボイラー室で働く老人(声:菅原文太)
- リン/ハクの面倒を見る女性(声:玉井夕海)
『千と千尋の神隠し』のストーリー
荻野一家は引っ越しをする事になって、千尋は大好きな友達と離れる事になり、寂しく感じていました。所が、車を運転していた父親は、途中で道に迷ってしまって、不思議な建物に到着します。
千尋たちが不思議な世界に迷い込む(起)
父親は珍しいなと思って、建物の中に入っていきますが、千尋は、そのトンネルより向こうの世界が不気味に感じて「私は行かないよ」と言います。しかし両親だけが構わず、進んでいったので、千尋も仕方なくついていきました。両親は進んでいったら、お店に美味しそうな料理が並んでいるものを発見します。
父親たちは、お店の人を呼びますが誰も出てこないので、後でお金を払えば良いだろうと思って、先に食べ始めてします。千尋はそれを止めようとしますが、両親は聞く耳を持ちません。困ってしまった千尋はそこから離れていき、橋の所にいたら、千尋は見た事もない少年から「ここにいてはいけない、すぐに戻れ」と言われます。
千尋は訳も分からず「何なのよ、あいつ」と愚痴をこぼしますが、両親の所へ行ったら、何と両親が豚の顔に変わって倒れこんでしまったのです。それに悲鳴を上げて逃げてしまいますが、千尋の身体が少しずつ透けていき、さらに頭は混乱していきます。
ハクが千尋を救出(承)
千尋が困り果てた時に、再び少年がやってきて「怖がるな、私はそなたの味方だ。これを食べてみなさい」と言って、不思議な物を食べさせてきました。千尋がそれを食べたら、消えかかっていた身体が元に戻ります。少年は千尋を案内しようとしますが、途中で見つかってしまい、油屋という旅館中が大騒ぎになってしまいます。
ハクは「この世界で生きていき、両親を救うためには、ここで働かなくてはいけない」と教えてくれます。そこでボイラー室のかまじいの所で働きたいと頼んでみなさいと教えてくれます。千尋は言われた通りにボイラー室まで行き、何度も働かせて下さいと頼みますが、かまじいは「人は足りている」とそっけない態度をとります。
しかし、リンという女性がやってきて、人間である千尋がいる事に驚いたら、かまじいは「ここで働きたいみたいだから、湯婆婆の所へ連れてやってくれ」と言います。なぜなら、ここで働かなければ、湯婆婆に人間から動物に変えられるからです。千尋はリンの協力のお陰で、いよいよ湯婆婆の部屋にたどりつきます。
名前を奪われた千尋(転)
湯婆婆の部屋に入ろうとしたら、扉が「ノックもしないのかい」と喋りだして、千尋は不思議な力で湯婆婆の所まで、一気に引っ張り出されたのです。千尋は、恐る恐る「ここで働かせて下さい」と頼み込みますが、湯婆婆は「そんなヒョロヒョロで役にたつかい。子豚にしてやろう」と脅してきます。
しかし、何度も千尋が「働かせて下さい」と頼み込んだら、湯婆婆の息子の坊が泣き出したので「わかったから、静かにしておくれ」と、ようやく認めてくれました。しかし湯婆婆は契約者を書く時に『千尋』の名前から『尋』を奪いとって、千と名乗るように言いました。
千尋は、その後にリンと一緒に仕事をするようになりますが、夜になってハクが千尋の元を訪れます。そして両親のいる所へ案内していき「湯婆婆は名前を取って、名前を支配するんだよ」と教えてくれます。そしてハクは、千尋のためにおにぎりを作ってくれて、その優しさに千尋は涙を流すのです。
千尋がハクに恩返し(結)
千尋は油屋で働くようになって、たくましい女性に成長していきますが、不思議な生き物を館に招いてしまい油屋中が大騒ぎになります。その頃、ハクは湯婆婆の命令で、銭婆からハンコを奪い去ってしまうのです。銭婆はハクに呪いのおまじないをかけて、ハクは血まみれになってしまい、坊はネズミに変えられてしまいます。
千尋は恩人であるハクを助けるために、龍になっていたハクの口からハンコを取り出して、銭婆の元へハンコを届ける事になりました。湯婆婆は千尋が逃げたものと思って、両親を料理しようとします。しかし、元気になったハクが、連れ去られてしまった坊を取り戻す代わりに千尋たちを人間の世界に戻してあげて下さいと頼みます。
千尋やハクたちは、銭婆から許されて、坊は人間の姿に戻れます。そして湯婆婆は多くの豚がいる所で「この中から、お前のお父さんとお母さんを見つけな。ぴたりと当てたら自由だよ」と言ってきます。はたして千尋は、両親をみつける事はできるのでしょうか?
『千と千尋の神隠し』の豆知識
日本のアニメ映画で最も売れた『千と千尋の神隠し』に関連する情報や、主題歌を紹介するので、興味のある方はご覧になってみて下さい。
油屋のモデルは台湾?
千尋が働く事になった油屋は日本家屋のような建物ですが、高い建物になっていて、日本の建物とは少し違うように見えます。これにはジブリファンの間でも大きな話題を呼び、いつしか油屋のモデルは台湾の九份ではないかと言われるようになりました。そしてモデルになった台湾の建物が、上の画像になります。
千と千尋の神隠しの主題歌『いつもなんどでも』
不思議な世界に千尋が迷い込む『千と千尋の神隠し』の主題歌は、木村弓さんの『いつもなんどでも』という曲です。この主題歌は、少し寂しげな曲調になっていますが、優しい歌声で、数多くの悲しい事があっても、大事な人ときっと会えると励ましてくれる歌詞になっています。
そのため、千と千尋の神隠しのストーリーとマッチしていて、受け入れやすい主題歌になっています。
千と千尋の神隠しのグッズ『キーホルダー』
千尋が油屋に招いた事から、大きな騒ぎを起こした『カオナシ』や、ネズミに変えさせられた坊たちがキーホルダーとして登場しました。その他にも千尋がお風呂を掃除するために使ったフダも付いていて、千と千尋の神隠しが好きな方には、たまらないグッズになっています。
『千と千尋の神隠し』の感想
ジブリファンの私でも「最近のジブリは、昔の作品に比べたら、あまり見たいと思える作品が少なくなってきたなぁ」と思い始めた時に、久しぶりに自分の心でヒットしたのが『千と千尋の神隠し』です。そんな作品を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい。
千と千尋の神隠しの残念な所
この作品で残念な所は、やはり謎になっている部分が多い所ですね。それは以下のようなものがあります。
- 湯婆婆に呼ばれたハクが冷たい性格
- ハクが魔法使いになりたい理由
- ラストシーンの後にハクがどうなったのか
ハクが冷たくなっていたのは、昼間だけという設定であれば、両親の所へ連れていった時は、すでに夜が開けていたので筋が通りません。さらにハクが魔法使いになりたいのは、自分の居場所を思い出そうとするためでしょうか?
そしてラストシーンの後は、ハクは無事に済むのか?その辺りは謎のままですから、是非知りたいなぁと思えましたが、そこは宮崎駿監督の遊び心かもしれません。しかし知りたい謎が残ったのは、少し残念でしたね。
千と千尋の神隠しの見所
千尋が迷い込んだ世界のリアルさや不気味さを見るだけで、この映画に引き込まれる魅力を感じます。さらに不思議な世界とマッチする音楽が、また良かったです。そして無気力だった少女が、様々な経験を積む事によって、たくましい女性に成長していくストーリーも、この映画の大きな見所です。
やはり『千と千尋の神隠し』を見ている時は「この先、どうなってしまうのだろうか?」と興味をそそられるから、一気に心をわしづかみにするのでしょう。