朝鮮日報

韓国車メーカーの国内工場新設、過去20年でゼロ

韓国車メーカーの国内工場新設、過去20年でゼロ

 今月5日、愛知県豊田市のトヨタ自動車高岡工場を訪れた。年産37万台の同工場の至る所で「TOYOTA」と書かれた帽子を被った従業員が作業台の間を行き交っていた。工場内はドリルの音とコンベアーベルトが動く音ばかりが響いていた。10分間の休憩時間を終え、汗で湿った帽子を脱いだ従業員は「同僚と話をすれば、集中力が低下し、品質に問題が生じる」と話した。

 現代自動車蔚山工場はどうか。コンベアーベルトの横にいる従業員は、ボルトを締める6-7秒の間だけ動き、設備が動いている時には着席し、携帯電話を眺めている。同僚に自分の作業を任せて休む従業員もいる。不良品は自動検索情報システムが発見する。ソウル大の宋虎根(ソン・ホグン)教授は著書「まだ見ぬ道」でそう描写し、「結果は最低の編成効率、最低の生産性として表れる」と指摘した。

 日本と韓国の自動車産業はそれぞれ別の道を歩んでいる。日本の自動車業界は過去10年で国内に工場3カ所を新設した。これに対し、韓国は過去21年にわたり、国内で自動車工場が新設されていない。

 生産台数の推移も異なる。日本は昨年、国内で968万4146台を生産し、中国、米国に次ぐ世界3位の自動車生産国の地位を守った。前年を48万台上回った。一方、韓国は昨年の生産台数が411万4913台で、2年連続で減少した。2016年にインドに抜かれ、自動車生産台数で世界5位の座から陥落し、今年はメキシコに抜かれ、7位に後退することが確実視されている。

■作業員のアイデアで生産性向上

 日本の自動車産業の競争力を支えるのは高い生産性だ。1962年の労使宣言以降、一度のストライキもなく、信頼を積み重ねてきたトヨタの労使関係は生産性向上の礎となった。「会社の利益が自分の利益」という認識を持つトヨタ社員は生産性を高めるアイデアが浮かべば、それを報告し、現場に生かす。

金城敏(キム・ソンミン)記者
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