UAEは世界第7位の原油埋蔵量を誇るが、国の将来を考えて原発建設を決め、その際フランスと伝統的に深いつながりがあったにもかかわらず韓国を選択した。本来の契約通り4基の原発が全て完成すれば、UAEにおける発電量全体の25%が韓国の建設した原発によって賄われることになる。これほど重要な事業をそれまで原発輸出をしたことがない韓国に委ねたことは、UAEにとっても非常に重い決断だったはずだ。
ところが文大統領は就任直後、国内にある古里1号機原発の工事を中断させ「原発は安全でもないし経済的でもない。また環境にも優しくない」「国の原子力政策を全面的に見直す」などと述べた。UAEとしては青天のへきれきだっただろう。文大統領は今回もUAEメディアとのインタビューで「バラカ原発は両国関係においてまさにバラカ(神の祝福)の役割を果たしている」と述べた。同じ原発をめぐって違うことを言っているようでは、相手から信頼など得られないだろう。
現地ではバラカ原発1号機で核燃料の充填(じゅうてん)に必要な全ての工程が終わり、文大統領は今日その記念式典に出席する。文大統領は今回のUAE訪問を通じ、原発に対する自らの考えをぜひとも見直してほしい。原発は韓国におけるエネルギー輸入全体のわずか0.5%だが、その発電量は30%に達している。韓国が奇跡の経済発展を成し遂げたまさに原動力だ。文大統領は現地で展開する韓国軍アーク部隊を明日訪問する予定だが、これによって一時揺らいだ両国の軍事協力も改めて正してほしい。