『WUG』の時だったか、竹内さんが、
「山本さんは先週と今週と言ってることが逆の時がある!」
と怒り出したものだから、
「ああ、たぶん先週の反対意見に納得したんですよ、後から」
と返しておいた。
「ヤマカンは絶対反対意見を聞かない!自分だけが正しいと思っている!」とぼざく残念なポタクこそ絶対反対意見を聞かない自分中心の生き物なのでまさにこれ「ブーメラン」なのだが、ましてや創作をしている時に「俺だけが正しい!」と見栄を張るのは、相当難しい。
たまに脚本家などでこういうアレな人はいるみたいだが。
逆に、今現場は「決断できない監督」に困っているらしい。最近も続々とそんな話を聞く。
監督は怖い商売だ。自分の判断が(システム的に)絶対になる。
だから心理的には、怖くて何もジャッジできないというのは合点が行く。ていうか作品や現場の詳細、隅々まで把握するだけでも一苦労だ。
何が正しいのか、良く解らないのだ。
しかし僕の場合、最初から師匠に「お前が全部指示を出さないと仕事はやらん!」と怒鳴られた。
そう言えば初実写『私の優しくない先輩』のプロデューサーからも「とにかく全スタッフに指示を出してください!」と念を押された。
周りに良い「進言者」がいてくれて、鍛えられた。
バカには解らないと思うが、そういう商売、そういう現場なのだ。
子供の学級会ではない、仕事だ。
民主的に話合って決めてたら日が暮れ夜が明けるだけなのだ。
そんな時間の無駄、仕事にならない。
特にオリジナルの現場では「反対意見」以前に「自分の意見」を作るのが、なかなかの難事だ。
そもそもオリジナルは「答え」が解らない。最初から決まってない。
その混乱の中から「答え」を見つけるために、本読みはいつも長くなり、終わるとクタクタになる。
初オリジナル『フラクタル』の時は、正直迷った。
そこで本読みの現場全体が「???」となる時もしばしだった。それは今も申し訳なく思う。
しかし考えてみて下さい。「何だか答えが良く見えない」ものに対し「俺だけが正しい!」って言い切るの、メチャクチャ難しくないですか?
いや、無理なんですよ。
そこに「正しい」解を打ち立てるためには、相当な熟考と、勇気が要るのだ。
「俺だけが絶対正しい!」と言い切れるのは、それだけの精神力が要るということだ。
そこから「反対意見」を退けるためには、更なる理論武装が必要だ。
更にそこから「反対意見」を受け入れるには、それを「自分のもの」として消化するまで理解する必要がある。
確かな「自分」がなければ、反対意見を肯定も否定も、どうすることもできないのだ。
だから、むしろ人の意見に振り回されて「答え」が四散している、それが今のアニメ業界なのではなかろうか?
そんな作品ばかりになった気がする。
「俺が正しい!」と言える「勇気」を持った人間を排除した結果だろう。
「山本さんは先週と今週と言ってることが逆の時がある!」
と怒り出したものだから、
「ああ、たぶん先週の反対意見に納得したんですよ、後から」
と返しておいた。
「ヤマカンは絶対反対意見を聞かない!自分だけが正しいと思っている!」とぼざく残念なポタクこそ絶対反対意見を聞かない自分中心の生き物なのでまさにこれ「ブーメラン」なのだが、ましてや創作をしている時に「俺だけが正しい!」と見栄を張るのは、相当難しい。
たまに脚本家などでこういうアレな人はいるみたいだが。
逆に、今現場は「決断できない監督」に困っているらしい。最近も続々とそんな話を聞く。
監督は怖い商売だ。自分の判断が(システム的に)絶対になる。
だから心理的には、怖くて何もジャッジできないというのは合点が行く。ていうか作品や現場の詳細、隅々まで把握するだけでも一苦労だ。
何が正しいのか、良く解らないのだ。
しかし僕の場合、最初から師匠に「お前が全部指示を出さないと仕事はやらん!」と怒鳴られた。
そう言えば初実写『私の優しくない先輩』のプロデューサーからも「とにかく全スタッフに指示を出してください!」と念を押された。
周りに良い「進言者」がいてくれて、鍛えられた。
バカには解らないと思うが、そういう商売、そういう現場なのだ。
子供の学級会ではない、仕事だ。
民主的に話合って決めてたら日が暮れ夜が明けるだけなのだ。
そんな時間の無駄、仕事にならない。
特にオリジナルの現場では「反対意見」以前に「自分の意見」を作るのが、なかなかの難事だ。
そもそもオリジナルは「答え」が解らない。最初から決まってない。
その混乱の中から「答え」を見つけるために、本読みはいつも長くなり、終わるとクタクタになる。
初オリジナル『フラクタル』の時は、正直迷った。
そこで本読みの現場全体が「???」となる時もしばしだった。それは今も申し訳なく思う。
しかし考えてみて下さい。「何だか答えが良く見えない」ものに対し「俺だけが正しい!」って言い切るの、メチャクチャ難しくないですか?
いや、無理なんですよ。
そこに「正しい」解を打ち立てるためには、相当な熟考と、勇気が要るのだ。
「俺だけが絶対正しい!」と言い切れるのは、それだけの精神力が要るということだ。
そこから「反対意見」を退けるためには、更なる理論武装が必要だ。
更にそこから「反対意見」を受け入れるには、それを「自分のもの」として消化するまで理解する必要がある。
確かな「自分」がなければ、反対意見を肯定も否定も、どうすることもできないのだ。
だから、むしろ人の意見に振り回されて「答え」が四散している、それが今のアニメ業界なのではなかろうか?
そんな作品ばかりになった気がする。
「俺が正しい!」と言える「勇気」を持った人間を排除した結果だろう。