安倍首相、麻生太郎、稲田朋美ほか セコい政治家 疑惑の領収書を公開!

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ガリガリ君、音楽CD、缶ビール、カップ麺、さらにはキャバクラ代まで、何でも政治資金で落とし放題!

一般企業に勤めるサラリーマンなら、たとえ真っ当な接待の領収書でもなるべく高くならぬよう気を使うもの。だが、代議士センセイの辞書に「節約」の文字はない。我々の税金を使って何でもかんでも必要経費として処理しちゃう政治家たちに、国民は怒っています!

事務所スタッフのひとりメシ代を落とす総理と副総理

 政府は盛んに「景気は上向き」と謳(うた)っているものの、世のサラリーマンたちの経費請求はいまだ厳しい昨今。しかし、永田町の住人たちだけは、事情が違うようだ――。

 現行の「政治資金規正法」では、議員の資金を管理する政治団体が政治活動を行う際に出た経費のうち、1件あたり1万円以下のものは収支報告書に記載する義務がない。そのため、こうした細かい経費については、総務省に開示請求をして開示が認められるまで国民の目に触れることがなく、政治家たちはやりたい放題。「事務所費」や「調査研究費」といったそれらしい名目で、何でもかんでも付け回しているのだ。

 本誌は今回、そんな「セコい政治家」の実態を徹底追及。情報開示請求によって少額領収書問題を暴いてきた日刊ゲンダイの報道を元に、センセイたちのデタラメぶりを見ていこう。

 まずは、総理在職日数を吉田茂に次ぐ歴代5位にまで延ばした安倍晋三首相(62)。就任以来、常に囁(ささや)かれてきた腹痛を和(やわ)らげるためだろうか。政治団体『晋和会』が「事務所費」として計上していたのが、〈神立(かんだつ)の水〉である。’10年分の収支報告書を見ると、スピリチュアルなこの水を、安倍首相は総額3万1920円も購入している。

 安倍首相の怪しい経費はまだある。’12年分の収支報告書で「事務所費」として計上していたのは、アイスキャンディ〈赤城ガリガリ君コーンポタージュ〉。金額は252円だ。同じ日には、栄養ドリンク〈ユンケルローヤルD2〉2本2000円も購入している。

 さらに、’11年12月2日には、東京・渋谷のラーメン店「油そば東京油組綜本店」へ支出。領収書の金額は、油そば1人前に「ねぎゴマに半熟たまご」をトッピングした料金と一致する980円だ。また、同年5月11日にも、和食居酒屋「土風炉 西新宿一丁目店」で〈ピリ辛野菜と蒸し鶏そば850円 大盛200円〉を支出。どう見ても事務所スタッフのひとりメシだが、安倍首相は堂々と計上している。

 その他にも、安倍首相はのど飴〈ルルトローチ〉や大好きなオレンジジュース〈なっちゃん〉なども計上。『晋和会』が保管していた事務所費の少額領収書は、’10~’12年の3年分だけで、ざっと1000枚を超える。行政の長だけあり、そのセコさも桁違いだ。

 政界きっての名門一族出身の麻生太郎氏(76、副総理・財務相など)は、大資産家であることを鑑(かんが)みれば、安倍首相以上にセコい。

 麻生氏の資金管理団体『素淮(そわい)会』が、「組織活動費」として’10年1月15日付の領収書で計上していたのは、「マクドナルド 新宿中央通り店」への支出。金額は390円だ。マックで「会合」というのは、あまりに不自然だろう。

 それだけではない。麻生氏は、老舗弁当屋の「美膳」を運営する「サンエー株式会社」に’10年4月1日付で735円、寿司弁当屋「神田志乃多寿司」の伊勢丹新宿店にも’11年3月29日付で997円支出している。これらはどう見ても、事務所関係者のひとりメシ代だろう。

 さらに驚きなのが、’10年3月12日に購入した2冊の本。『はじめて出会う政治学――構造改革の向こうに』(有斐閣)と『よくわかる政治のしくみ』(ナツメ社)がそれで、金額は合わせて3276円。あろうことか、中学生向けの政治入門書を当選12回の麻生氏が、「調査研究費」として計上していたのだ。

 勉強熱心な麻生氏は趣味にもカネを惜しまないようで、’15年10月3日付の領収書には、東京・銀座の楽器店「山野楽器」で〈CDアルバム〉3点に、計8609円支出したことが記されている。領収書に印字されたバーコードナンバーを調べると、買ったCDは葉加瀬太郎にクラシック指揮者カラヤン、女性4人のクラシックグループ『1966カルテット』のアルバムと判明。支出は「備品・消耗品費」として処理されている。超がつくセレブなのだから、このぐらい自費で購入していただきたい。

安倍首相は「ガリガリ君」を付け回し

�腹痛に効果があるのか、安倍首相はこのスピリチュアルな水を大量購入

�エクレアやのど飴など、コンビニの買い物代も平然と計上

�都内の油そば店の領収書。明らかに事務所スタッフの昼メシ代だが……

�『ガリガリ君』252円すら、ポケットマネーでは支払わない

�「�」と同様、昼メシ代と思われる蕎麦の代金

�『なっちゃん』は安倍首相の大好物。フェイスブックに愛飲している様子を投稿したこともあるが、まさか国民の税金で買っていたのだろうか……

マクドナルドで「会合」する麻生議員

マクドナルド代390円を計上。ファストフード店で「会合」をするとは、さすが、庶民派な麻生氏である

「クラシックが趣味」という麻生氏。支出名目は「備品・消耗品費」だが、何の目的で購入したのか

スナックや居酒屋で会合?オッサン議員の不可解な領収書


 共謀罪の審議でマトモな答弁ができず、一躍注目を浴びた金田勝年氏(67、法務相など)は、政治資金の使い道もマトモではない。資金管理団体『勝永会』の収支報告書(’12~’14年分)の中身を精査した結果、アイスクリーム〈ハーゲンダッツ〉を爆買いしていることが判明したのだ。

 ’12年に2枚だったハーゲンダッツの領収書は、’13年に8枚、’14年は7枚と拡大。金額は計約3万円で、支出はすべて「備品・消耗品費」に計上されていた。

 購入場所はすべて金田氏の事務所が入る衆議院第二議員会館内のコンビニで、一度に購入した個数はおおむね1~5個。総数は驚きの106個で、そのうち81個はバニラ味だった。

 また、金田氏はアイスクリームだけでなく、「スナック通い」も大好きらしい。代表を務める「自由民主党秋田県第二選挙区支部」の収支報告書(’12~’14年分)を見ると、’12年8月3日に「スナック ラン」(男鹿市)に9800円の支出。’12年10月23日にも「カラオケ広場 スナック苑」(同市)に9980円を支払っている。いずれも選挙区の繁華街で、支出名目は「組織活動費」だ。政治資金収支報告書に具体的な支払先を明記する必要がない、ギリギリ1万円を超えない金額で領収書を切っているところを見ると、共謀罪は理解していないのに、政治資金規正法はきっちりわかっているようだ。

 飲み屋の代金を堂々と計上している議員は他にもいる。会見で記者にブチギレしたうえ、「(被災したのが)東北で良かった」と前代未聞の失言をして’17年4月に事実上の更迭をされた、今村雅弘元復興相(70)がそうだ。

 今村氏の資金管理団体『鉄輪21』の「少額領収書の写し」(’13~’14年分)を精査すると、’14年8月29日に居酒屋「筑前屋 新橋店」で、生中3杯や芋焼酎「黒霧島」7杯などを頼み、計8078円。同店の領収書は他にも2枚あり、黒ホッピーや緑茶ハイなどにも支出。その他、焼き肉店や韓国料理店などで、日本酒やマッコリと酒類を選ばず、とにかく飲みまくっている。これらの支出は、すべて「組織活動費」として処理されているが、酔客で賑(にぎ)わう居酒屋で会合ができるのか、甚(はなは)だ疑問である。

 今村氏についてさらに謎なのが、’15年8月28日付の領収書。そこには、東京・赤坂の「赤坂うまや うちのたまご直売所」で〈たまご6個〉を12パック、5040円で購入したと記されている。今村氏はどうやら、この1パック420円の高級たまごが大のお気に入りのようで、この日以外にも買いまくり、1年間で103パック(計618個)、総額4万3260円も支出。ちなみに、本誌が調査した限りたまごに関わる仕事はまったく行っていない。

「9.11は歴史の必然」「福島第一サティアン」など、伝説的な失言を繰り返してきた石原伸晃氏(60、経済再生担当相など)は、デタラメなカネの使い方でも、今村氏に引けをとらない。

 石原氏が代表を務める資金管理団体『石原伸晃の会』の「少額領収書の写し」(’13~’14年分)から、’14年8月30日付の領収書に、〈花札〉〈トトロトランプ〉という文言を発見。支出先は「イオン市川妙典店」で、金額は計2481円。「事務所費」として処理されているが、来客者とカードゲームに興じたとでもいうのか。

 さらに、’13年5月25日付の領収書には、青森・八戸市の鍼灸院「対馬治療院」に3800円支払ったことが記されている。但し書きは〈マッサージ代〉。父・石原慎太郎氏も都知事時代にめちゃくちゃな公費の使い方をしていたが、血は争えないということか。

 就任以来、無能ぶりをたびたび露呈し、もはや更迭は時間の問題とされる稲田朋美氏(58、防衛相など)だが、おかしいのは言動だけではない。稲田氏が代表を務める資金管理団体『ともみ組』の「少額領収書の写し」(’15年分)を調査した結果、その支出はあまりにもセコいものだった。

 8月28日付の領収書には、東京駅内の売店で〈キリン一番搾り350ml〉と、奈良の郷土料理〈柿の葉寿司詰合〉に計1327円支出したことが記載。他にも、コンビニで〈サントリー角瓶ポケット瓶〉や〈焼きほたて貝ひも〉〈日清食品シーフードヌードル〉を買ったことが記された領収書が大量に見つかった。名目は「組織活動費」だが、これが事務所関係者の個人的な飲み食いでなく何なのか。

 1億総括担当相という業務内容がよくわからない役職を務めた加藤勝信氏(61)は、その政治資金の使い方にも謎が多い。

 その一つが、加藤氏が代表を務める資金管理団体『勝会』の’12~’13年分の少額領収書の中に発見した、〈勝会 ¥47990〉という文言(’13年1月30日付)。但し書きには、〈カメラ代金〉とあり、支出先は家電店だ。

 前述した通り、1件1万円超の経費は収支報告書に記載し、領収書を総務省に提出しなければならないが、加藤氏の収支報告書に記載はなし。加藤氏は「(事務所の)人員交代でバタバタしていたためミスをしてしまった」とし、訂正したが、1万円をはるかに超えるカメラ代をはたして見過ごすだろうか。

 ただ、ミスを認めて訂正するだけ加藤氏はまだマシ。1万円を超えないよう、領収書に細工をしているとしか思えないケースもある。

 塩崎恭久氏(66、厚労相など)の政治団体『塩崎恭久後援会』の領収書の束の中に見つけた、愛媛・松山市の飲食店「ローズハウス」への支出。領収書は、2枚とも同じ筆跡で「御食事代として」と但し書きがあり、それぞれ「¥3150」「¥7525」と金額が明記されている。しかも、日付は2枚とも’12年6月13日付。この他にも、同じような領収書は散見されるだけに、塩崎氏が「確信犯」である疑いは強い。

 現金授受疑惑で更迭された、甘利明元経済再生担当相(67)にも、領収書分割疑惑がある。

 甘利氏の資金管理団体『甘山会』が保管していた、選挙区内の神奈川・大和市の中華料理店「萬珍酒家」と印字された領収書は3枚。それぞれ同じ筆跡で「飲食代として」との但し書きに、「¥5000」と明記されている。日付はすべて’12年11月24日だ。

 さらに、’12年12月26日付の2枚の領収書には、ともに老舗のうなぎ料理店「伊豆栄 永田町店」と印字され、それぞれ同じ筆跡で「¥3990」「¥7980」と書かれている。また、しゃぶしゃぶ店「木曽路 大和店」の領収書も2枚あり、ともに金額は「¥10000」。2枚とも日付は’10年12月13日付だ。1万円を超えないよう分割したと疑われるのは、当然だろう。

 一般感覚とはあまりにもかけ離れた領収書を、平然と計上する政治家たち。なぜ彼らはセコい真似を繰り返すのか。政治資金規正法に詳しい神戸学院大学教授の上脇博之氏が語る。

「開示請求は高額なので、政治家は『そこまでやらないだろう』とタカをくくっている節があります。また、収支報告書は条文上、会計責任者が提出することになっていることも、使途が明確ではない少額領収書が多い要因でしょう。たとえ不正が見つかっても、『会計責任者がミスをした』といえば、当該の政治家をそれ以上法的には追及できませんし、政治的には監督責任が問われますが、政治家はマスコミから逃げ切れば安泰と思っているでしょうからね」

 国民の血税から高い給料も貰っているのだから、せめて私的な飲み代や買い物代くらい、ポケットマネーで支払ってもらいたいものだ。

ハーゲンダッツが大好きな金田議員

3年間で106個もハーゲンダッツを購入した金田議員。好きなのはバニラ味なようで、81個購入している

アイスだけでなく、スナック通いも好きな金田氏。ギリギリ1万円を超えないよう領収書を切っている

今村元復興相は高級たまご爆買い

ビール、焼酎、日本酒、マッコリ、黒ホッピー……酒類を選ばずとにかく飲みまくり、代金はすべて「会食」として付け回し

1パック420円の高級たまごを618個も爆買い。怪しすぎる支出だが、来客があるたびにゆで卵でも出していたのだろうか……

マッサージで疲れを癒やす石原議員

閣僚という重責に耐えかね、マッサージに行き、花札やトランプをして遊んでいたようだ

稲田議員のおつまみ大量購入

酒やつまみを買った大量のコンビニ領収書。支出名目は「組織活動費」だが、どう見ても事務所関係者の個人的な飲み食い

’11~’13年分の領収書。稲田氏は政調会長時代からコンビニ飯を大量計上。このときの支出名目は「事務所費」だった

(FRIDAY増刊ダイナマイト 2017年8月23日号より)