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ネットリテラシーが高い人は合理的だからではなく迎合的だから保守による

 ブロガーの永江氏が「ネットリテラシーが高い人は保守に寄るということは簡単に立証できる(http://blogos.com/article/285852/)」という論考を書かれ、この中で氏は、

・若めで現役のネットリテラシーが高い層は、ネットを使って横断的に情報を探す。そうすると必然的に現状分析ができるようになって現状を理解するとどうしても現実的になる。理想や空論ではなく現実的になると保守寄りになる。

・野党も安倍ガーのみなさんも安倍下ろしもいいけど、下ろした後、誰がどうやるのか。そこまで考えてから「安倍退陣」と騒いでくださいよ。

と主張しています。
 氏は少なくとも私と同程度か若いと思われるのですが、その世代の、なんというか自画自賛的な主張には少々残念な思いを禁じえませんので、恐縮ながら論評させて頂こうと思います。

 まず氏の、

「若めで現役のネットリテラシーが高い層は、ネットを使って横断的に情報を探す。そうすると必然的に現状分析ができるようになって現状を理解するとどうしても現実的になる。理想や空論ではなく現実的になると保守寄りになる。」

ですが、若い世代、特にネットを良く使われる層-所謂「ネット民」が保守化しているのは、まぎれもない事実で、その証拠はYahoo コメントを見ても、また私自身のFBやTwitterへのリプライを見ても明らかです。しかし、私が見る限り、彼らの大半は全く「現実的」ではありません。

 何より、永江氏自身が認めている通り、所謂ネット民は恐らく日本の人口の2~3%しかおらず、「絶対的少数派」なのですが、その大半は自分たちの意見が国民を代表する意見かのように思いこんでおり、その時点で既に非現実的です。

 またネットの情報はフェイク以前に大半は断片的で、ある主題について幾ら横断的に比較しても、その主題について体系的な知識を獲得できるわけではありません。所謂ネット民の多くがやっているのは、実はアマゾンでサーチをして☆の多い商品を買うとか、食べログでサーチしてポイントの高い店へ行くと言った、「人から与えられた情報に基づく現在の多数派への迎合」にすぎないのですが、多くの所謂ネット民はそれを「ネットリテラシーが高い!」と自画自賛しており、それ自体、自らの現状を理解していない、非現実的な姿勢であるように思います。

 所謂ネット民が保守寄りになるのは、現状を理解して現実的になっているからでもなんでもなく、ただ単に、現在ネットをサーチすると保守的な意見が多いから、中身を考える事も理解することもなく多数派に迎合しているからに過ぎないと、私は思います。

 この事は、氏の次の主張、

「野党も安倍ガーのみなさんも安倍下ろしもいいけど、下ろした後、誰がどうやるのか。そこまで考えてから『安倍退陣』と騒いでくださいよ。」

で一層明らかです。氏は論考の中で、「北朝鮮、少子高齢化、財政破綻と日本の危機がどんどん増大しているのに」国会が空転している事を嘆いています。

 では、野党や氏の言う「『安倍ガー』の皆さん」が黙りさえすれば、これらの問題は解決するか、少なくとも好転するでしょうか?全くそんな事はありません。誰がやっても難しいことなのかもしれませんが、野党が騒ぐ騒がないに関わらず、問題を認識してからずいぶん時間経っているもかかわらず、日本は北朝鮮問題、少子高齢化、財政破綻へ有効な手を打ち、解決の目途を立てる事をできていません。

 上から目線で野党を批判して悦に入るくらいなら、せめて自分も何らかの提言の一つもあげたらどうだろうと思うのですが、それこそ、ネット界での多数派迎合、現在多数派の野党批判に乗って、「野党ガー」「『安倍ガーのみなさん』ガー」と言っているだけです。

 ネット上にある人から与えられた情報を断片的に見て知ったつもりになり、多数派に迎合して少数派を批判するだけで何かやったつもりになっている自画自賛的な所謂「ネット民」の増加には、残念な気持ちを禁じえません。

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