【花粉を水に変えるマスク】について左巻健男の意見を追加しておきたい。
2018年03月23日の拙ブログ「花粉を水に変えるマスク」根拠論文を批判したら医学部教授から集団訴訟と脅された「騒動」
http://samakita.hatenablog.com/entry/2018/03/23/102352
は、いつもは1日数十~数百程度の閲覧数なのに、ここのところ1日に何万もの閲覧数があった。
ぼくは100%のニセ科学とは言えないと思う。
光触媒に抗菌性はある。タンパク質を変性させる性質はある。スギ花粉の表面の一部は変性させたり分解する可能性はある。これらは接触や光の存在が条件であり、時間も必要である。
しかし今花粉を水に変えるという根拠になる論文・報告でまともなものがない。1つ論文があったが非常にお粗末だった。それが桑満おさむ医師が批判したものだ。
今の状態でニセ科学と言われても仕方がない面がある。そういう状態で大々的な宣伝がなされ、批判すると関係者らしい人(信州大医の新藤隆行教授)から訴訟をちらつかされる。
そのやり方は異常である。
ミズノ、はるやま、福助、ワコールなどの企業名が出ていたが、コラボ40社の一員なのか? 40社で集団訴訟も進行中などということが関係者の1人から出ていたが後の伝聞では新藤教授の「勇み足」のようだ。しかし、40社が訴訟についても話をしているということはよくわかった。本当の誹謗中傷・デマを流されたら訴訟があるかもしれないが、今回は初めから根拠も示さないでイメージ図で花粉を水に変えるなどと言うキャッチコピーで商品を大々的に宣伝というのには、批判が出るのは当然のことだろう。
根拠があり、効果もあるならそんな批判は吹っ飛んでしまい、爆発的に売れていくだろう。
そんな訴訟のことが関係者の1人からもれ出るというのは40社の信頼度が非常に下がると思われるがいかがなものか。穿った見方をすれば批判が出るのを初めから想定して花粉を水に変えるという景表法案件になるようなキャッチコピーを考えたのかと思う。
そのマスクには疑問が多々ある。
・鼻回りの漏れ込みを防ぐような形態ではないようだ。
・ハイドロ銀チタンとやらは本当にスギ花粉そのものを分解して水などにどの程度変えるのか?
・キャッチした花粉を分解したとして4層中3層目では分解しようがしまいが鼻に影響しないだろう。
・宣伝パンフには信州大医の新藤隆行教授や元ソニーの出井氏の体験談がある。そういうレベルで消費者を釣るのはニセ科学の会社がよくやることだ。
花粉をキャッチするだけならふつうのマスクの、鼻回りなどの漏れ込みがしにくいほうがずっと安価で効果的だと思う。
ぼくは花粉症だがそういうマスクを購入した。
形状も改善してほしい。
まずはキャッチコピーがどの程度本当かの根拠を示してほしい。
最も簡単にやれて結果がわかりやすいのがそのマスクについたスギ花粉が時間と共にどうなるのかを走査型電顕で見ることだ。今日明日にもできよう。前例はダイキンと山形大学の共同研究があるから参考にするとよい。
根拠を出してから宣伝をしてほしい。
簡単な実験もアドバイスしておいたのでぜひ取り組んでほしい。
再度言うが今の状態はニセ科学と言われてもしょうがないし、消費者庁案件ではないか。
(以上)