海外進出を決めるまでに必要な予算は? 進出前にすべき調査方法は?
掲載日:2018年03月19日
海外進出検討企業200社を対象とした【海外進出における予算と、進出前にすべき調査方法】についてのアンケート調査を実施いたしました。
海外進出を検討している日系企業にとって、もっとも大きな関心事のひとつである「予算」。今回の調査では、「進出前〜決定まで」の予算に絞っての回答となっています。また、進出前に実施すべき、具体的な調査方法についても回答していただきました。果たしてその結果は…!?
[調査対象者]:日本企業の海外進出を支援する事業者
[サンプル数]:200
[回答方式]:インターネットによる自主調査
[調査時期]:2017年 5 月1日~6月 15日
1. 進出前の平均予算は…!?
進出前の平均予算は1,039万円!
結論から申し上げますと、海外進出前の平均予算は…1,039万円となりました! その内訳は下記のグラフのとおりです。
また、進出前の予算金額として一番多い回答は「100万円未満」で31.4%でした。
これは一般的な日本人の感覚としても言えますが、「情報は無料」「調査にあまりコストはかけたくない」と考えている日本企業が多いことも、この結果の背景にあるのかもしれません。
具体的には「準備段階では予算をあまり取らずに、今後の海外ビジネスについて検討していこう」と考えているようです。しかし、一方で平均予算は1,039万円であり、1,000万円以上の予算を確保している企業も20%近く存在しています。
進出前の日本企業が実施する施策は「調査・リサーチ」
では、実際に進出前の日本企業が実施する施策とは何なのでしょうか? それは、主に「調査・リサーチ」になります。「それだけで、1,000万円も必要なのか…?」と思われるかもしれませんが、企業によってはさらに大きな予算での調査を行っている場合もあります。また、進出計画の立案のために「コンサルティング」を依頼するケースも多々あります。
それでは、実際に海外進出を検討している企業は、具体的にどのような調査を実施しており、どのくらいのコストをかけているのでしょうか?
2. 「進出前」に行った調査・リサーチ方法とは…!?
一番多かった調査方法は78.6%で現地視察
前項からの続きで、以下は「海外進出決定前の調査」について質問した結果になります。
一番多かった調査方法は現地視察で、78.6%でという結果になりました。裏を返すと現地視察をしていない企業はわずか21.4%の企業ということになります。
以前のアンケート調査では、海外進出を成功させている企業は平均3.4回の現地視察を行っていることが分かっています。1回の視察の費用は、国などによっても異なりますが、大体30〜100万円程度ということを考えると、海外進出成功企業は現地視察だけでも100万〜350万円程度の予算を使っていることが分かります。
続いて多かったのが法務・税務などの調査で60.0%でした。海外ビジネスをするにあたっては、「日本とは異なる法規制や税制度が存在する」ことが前提になります。それを知った上で、自社事業の展開が可能か否か、採算は合のうか? といったことを考慮する必要があるため、約過半数の海外進出検討企業が調査を行っているのです。場合によっては、基本的な調査に加えて、専門家にさらに検証してもらうケースもあるので、より大きな予算が必要となる場合があります。
そして、3番目に多かった回答はF/S調査(フィジビリティスタディ)となりました。フィジビリティスタディとは、国内で収集した情報と実際の現地の情報が合致するかどうかを調査することを指します。場合によっては駐在員をおいての調査にもなることから、それなりの金額が必要になる調査です(1,00万円以上)。
進出決定前の調査でも、ある程度の予算を確保しておくことが必要
その他、アンケート調査やテストマーケティング、グループインタビューなどは、必要に応じて行われているという結果となりました。トップ3に比べると、ニーズは限定的なようですが、最近ではこれらを安価で行うことのできるサービスなども増えており、今後は活用が増えていくことも予想できます。
以上の結果を踏まえると、進出決定前の調査でも、ある程度の予算を確保しておくことが、事業の成功率を高めるためには重要であると言えます。