海外ビジネスで重要な「販路開拓・販路拡大」の方法とは?
掲載日:2018年03月23日
本稿では、海外での「販路開拓・販路拡大」の方法と、海外ビジネスにおける「販路開拓・拡大」の必要性、さらには「販路開拓・拡大」とは何なのか? といった根本的かつ重要なテーマについても解説します。
結論から言えば、海外進出において、「販路開拓・拡大」とはもっとも重要な施策のひとつです。これから海外進出を検討している企業はもちろん、すでに海外事業をスタートさせている企業にとっても、「販路開拓・拡大」なしでは、海外ビジネスはドライブしていきません。
だからこそ、自社の商品およびサービスにあった「販路開拓・拡大」の方法を選択することが大切なのです。
目次
1. 「販路開拓・販路拡大」とは?
海外ビジネスでもっとも重要な「販路開拓・販路拡大」
海外進出および海外ビジネスにおいて、もっとも重要なポイントのひとつが「販路開拓・販路拡大」になります。
国内での新規事業立ち上げ時はもちろんのこと、それが海外における新たなビジネスのスタートであればなおのことです。そもそも「販路」とは、販売ルートのことを指す言葉であり、自社製品やサービスを販売するための経路のことで、販売チャネルとも呼ばれています。
「販路開拓」および「販路拡大」とは、その名の通り、新たな販売ルートを駆使した新規顧客を得るための施策を指します。
言うまでもなく、新たな販売先を探す「販路開拓・拡大」とは、海外ビジネスを進めていく上で極めて重要な課題です。しかし、その重要性に比例するように、新たに海外ビジネス事業を始める進出企業にとっては、それこそ資金の融資を受けるのと同じくらい大変なことでもあるのです。
2. 「販路開拓・販路拡大」がなぜ必要なのか?
多様な販売先を確保するための「販路開拓・販路拡大」
では、なぜ「販路開拓・拡大」が大変かつ重要な施策であるかを考えてみましょう。
当然ではありますが、新規事業立ち上げ時において、商品やサービスの販売先が存在しなければ、事業は先に進みません。かといって何の計画も仮説もなく、ただ闇雲にノープランのまま販売活動をしたところで、それではあまりにも効率が悪く、無駄なコストばかりが増えてしまいます。
それが海外での新規事業ならばなおのことです。
事業をスムーズに進めるためには、最初は大変であっても、自社の商品やサービスを販売展開していくための「販路」を確立したうえで営業活動を進めていく方が、長い目で見れば圧倒的に効率的なのです。
また、既存の販路を確立している企業でも、事業を成長させて規模を拡大していくためには、販路を広げたり新しい販路を開拓しなければなりません。もちろん既存顧客のフォローも大切ですが、新規顧客の新たなポートフォリオを増やしていく必要があります。
仮にあなたの会社が中小企業で、競合他社のいない市場で利益を得ているとしましょう。いまはまだブルーオーシャン市場であっても、いつ参入障壁を乗り越えて大手企業が市場に介入してくるのか分かりません。また競合他社に市場を奪われることはもちろん、そもそも既存顧客からのリピートオーダーだけでは事業の拡大は望めません。そのようなケースに陥った場合は、事業の成長どころか業績悪化にもつながりかねません。
だからこそ「販路開拓・拡大」を行うことで、販売先の多様化を促進させ、リスクヘッジをする必要があるのです。
「販路開拓・拡大」とは一番最初に解決すべき課題
この項のまとめとして、海外進出企業がいかに「販路開拓・拡大」を重要視しているのか、最新のデータから証明します。
下記は、2017年度に『Digima〜出島〜』へ寄せられた相談件数を元に、調査・分析をした上で、「日系企業が抱える課題」の上位10項目として抽出したランキングになります。
《 海外進出時の課題・ニーズランキング 》
【1位】 自社製品・サービスの販路を拡大・開拓したい
【2位】 海外現地法人の設立、および設立時の登記代行を相談したい
【3位】 現地市場調査&マーケティング施策について教えてほしい
【4位】 海外向けのECサイトを構築したい・海外ECモールに出店したい
【5位】 ソフトウェア開発業務を海外にアウトソースしたい
【6位】 自社商品・サービスを海外に輸出したい
【7位】 海外事業に関するコンサルティングを受けたい
【8位】 ソーシャルメディアを活用した海外向けPR展開について知りたい
【9位】 海外広告・プロモーションについてレクチャーしてほしい
【10位】現地海外に店舗を出店したい、自社のフランチャイズ展開をしたい
※『Digima〜出島〜 海外進出白書』(2016-2017年 版)より
ご覧のとおり、「販路開拓」および「販路拡大」とは、多くの海外進出企業にとって、一番最初に解決すべき課題であることが、お分かりいただけたと思います。
しかし、「販路開拓・拡大」の重要性は理解していても、具体的な実践方法となると、すぐにはイメージできない方もいらっしゃるかもしれません。次項からは、「販路開拓・拡大」の方法について解説します。
※毎年「Digima~出島~」では1年間の進出相談と、海外進出企業ならびに海外進出支援企業を対象に実施したアンケートをもとに【海外進出白書】を作成しております。 上記データを含む、日系企業の海外進出動向をまとめた貴重なデータとなっております。ぜひ御社の海外ビジネスにお役立てください!
3. 「現地視察」「市場調査」「視察」「展示会出展」のススメ
「販路開拓・拡大」の具体的なアプローチ方法とは?
ひとくちに「販路開拓・拡大」といっても、その具体的なアプローチ方法は段階的かつ多岐に渡ります。
オーソドックスな実践方法としては、まず最初に、進出先の「現地視察」や「市場調査」、あるいは「テストマーケティング」などを行うことで、現地ユーザーのニーズを把握することが必要とされています。
それらに続いては、自社商品およびサービスの「販売代理店・パートナー企業を探す」、「展示会に出展」することで見込み客を見つける、さらには直接営業をかけるなどといったアクションを起こすことがセオリーとされています。
いずれにせよ、自社の海外ビジネスの段階や目的によって、「現地視察」「市場調査・マーケティング」「テストマーケティング・簡易調査」「営業代行・販売代理店探し」といった一連の施策の実施の可否や組み合わせを選択する必要があります。
4. 「販路開拓・拡大」を実行するための3つの販売チャネルとは?
「流通」「販売」「コミュニケーション」の3つのチャネル
最後に、「販路開拓・拡大」を実行するための3つの販売チャネル(流通経路)について解説します。
そもそも新規顧客を獲得するためには、自社の製品やサービスを知ってもらうために何らかのアクションを起こすことが必要です。そして、それらのアクションとは、おもに3つの販売チャネル(流通経路)の確保として、セグメントすることができます。
① 「流通チャネル」の確保
・商品およびサービスを消費者に販売するための経路=流通チャネル
例:現地の物流業者である「乙仲」「フォワーダー」に業務を依頼する
② 「販売チャネル」の確保
・商品やサービスを消費者が購入する経路=販売チャネル
例:販売店・販売代理店を探す、海外向けの越境ECサイトを開設する、海外ECモールの出品代行を依頼する
③ 「コミュニケーションチャネル」の確保
・商品やサービスを消費者に認知してもらうために、情報を送ったり、意見を受け取ったりするための経路=コミュニケーションチャネル
例:海外広告プロモーションやWEBプロモーションを行う、海外現地PRイベントを開催する、海外展示会に出展する
実際に「販路開拓・拡大」を行う際には、これらの3つのチャネルを複合的に組み合わせることが大切です。
あくまで例えばですが、まずは海外展示会に出展し、海外向けのWEB広告プロモーションを行いつつ、信頼できるフォワーダー企業に貨物利用運送業務を依頼した上で、現地の販売店・販売代理店に商品を売ってもらいながら、海外向けの越境ECモールに出品してみる…といった、3つのチャネルを効率的かつバランス良く使い分けることが必要となります。
いずれにせよ「路販開拓・拡大」とは、「自社の商品およびサービスの新しい販売方法やチャネル(流通経路)を見つけ(あるいは作りだして)、新しい販売先を確保する」ことにほかなりません。
そのためには、自社の商品およびサービスにあった「販路開拓・拡大」の方法を選択することが大切なのです。
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