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史上最強の女性は? 影響力や戦闘力、歴史家に聞く

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/3/26

ナショナルジオグラフィック日本版

米カリフォルニア科学センターで、企画展「クレオパトラ エジプト最後の女王を探す」に出品された遺物を来館者が見つめる(PHOTOGRAPH BY BRIAN VAN DER BRUG, LOS ANGELES TIMES/GETTY IMAGES)

 現代社会において、女性が精力的に大きな仕事をしている例はいくらでもある。しかし、過去にもそうした女性は少なからずいた。

 歴史の記録は必ずしも、数千年前の人物の人生を正確に描写しているわけではない。男性の視点で男性について書かれた物語では、女性は非難されるときにだけ登場することが多い。だが歴史上、強い女性は山のようにいる。

 女性の力が古代世界でどのように作用していのか、それを最もうまく機能させていたのは誰か、第一線の歴史学者3人に尋ねてみた。

■「影響力」を駆使した女王

 米コースタル・カロライナ大学の古典学教授、アナルヤ・バーンズ氏はこう語る。「権力は公的、政治的な空間だけにあると、誤って考えられることがしょっちゅうです。なぜなら、そういった空間は特に男性支配的で、権力と男性が同一視されてしまうのです。私は、影響力もまたパワーであると考えています」

古代エジプトの頭飾りを付けたクレオパトラの肖像レリーフ(Photograph by DEA PICTURE LIBRARY, De Agostini/Getty)

 クレオパトラ(紀元前69~同30年)は、古代の記録に加えて現代のハリウッド映画でも描かれ、優秀かつ魅惑的なことで知られている。300年近くエジプトを統治したプトレマイオス朝最後の女王として、クレオパトラは自らの地位と王国の独立を確保した。その手段は、ローマの指導者であり、当時のヨーロッパで屈指の権力を誇ったユリウス・カエサルとマルクス・アントニウスに影響力を及ぼすことだった。

 
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