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首相「違憲論争に終止符」 自衛隊明記、改憲へ意欲

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 自民党は二十五日、党大会を東京都内のホテルで開いた。安倍晋三首相(総裁)は演説で、改憲について「自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とう。これこそが今を生きる政治家、自民党の責務だ」と呼び掛け、自衛隊を明記する改憲に強い意欲を示した。

 首相は自衛隊明記に緊急事態条項や教育充実、参院選「合区」解消を加えた改憲四項目について、党内で議論が進められたことに関し「いよいよ結党以来の課題である憲法改正に取り組む時が来た」と強調した。

 だが、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざん問題で、日本維新の会などが自民党との改憲論議に慎重姿勢を示し、首相が目指す年内の改憲発議は難しい情勢だ。

 首相は、森友学園問題について、演説の冒頭で「行政全般の最終責任は私にある」と陳謝。全容解明に努め、再発防止に向け「組織を根本から立て直していく」と訴えた。

 首相演説に先立ち二階俊博幹事長は、改憲四項目について「一定の方向性を得た。この案を基に衆参両院の憲法審査会で議論を深め、各党の意見も踏まえて原案を策定し、発議を目指す」と報告。党大会では具体的な条文案を示さず、了承手続きもなかった。

 二階氏は党大会終了後「党大会という、党の最も重要な会議で総裁が力を込めて訴えた。決意は多くの国民に伝わったと思う」と記者団に指摘。発議については「年内でなくても、いつでもということではまとまらない」と年内を目指す考えを明らかにした。

 党大会では、改憲の「実現を目指す」ことや来年の統一地方選、参院選での「必勝に向けた態勢の構築」などを盛り込んだ二〇一八年運動方針を採択した。

 自民党は既に改憲四項目の条文案をまとめている。二十四日の党会合で示された九条改憲案は、新たに「九条の二」という条文を設け、戦力不保持をうたう九条二項の下でも「必要な自衛の措置」を取ることを妨げないと規定。「そのための実力組織」として「自衛隊を保持する」とした。

◆自民総裁演説ポイント

 【憲法改正】

▼重要四項目条文案を踏まえ実現に決意

▼九条改正は自民党の責務

▼自衛隊を明記し、違憲論争に終止符

 【森友文書改ざん】

▼行政の長として責任痛感、国民におわび

▼全容を解明し、組織を立て直す

 

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