実はiPhoneに迫る勢いで売れまくっている『AQUOS sense』を徹底解剖(2018.03.26)

■連載/石野純也のガチレビュー
冬モデルとして発売され、春商戦でもiPhoneに迫る勢いで売れ行きを伸ばしているスマートフォンがある。シャープの『AQUOS sense』だ。同モデルは、シャープが戦略商品と位置づけるミドルレンジモデルで、ドコモやau、UQ mobileなど、複数キャリアから発売されている。中でも、料金が永年1500円割引の「docomo with」が適用される、ドコモでの売れ行きがいい。同モデルは、仕様をごくわずかに変更して、『AQUOS sense lite』として、SIMフリーモデルも販売中だ。
とは言え、ハイエンドモデルと比べると、突出したスペックの高さはない。失礼を承知で言うならば、見た目もごくごく普通のスマホで、金属やガラスを使って、デザインで先進感を演出するといったような際立った特徴もない。では、なぜこの端末がここまでヒットしているのか。その謎を解くため、実際に『AQUOS sense』を使ってみた。
「docomo with」に対応し、売れ行き好調な『AQUOS sense』
■ほどよいサイズと手にフィットする背面素材
見た目は“普通のスマホ”といった印象の強い『AQUOS sense』だが、ディスプレイのサイズは5インチで、左右幅も72mmと狭く、手にはしっかりフィットする。最近のハイエンドモデルは、5.2インチから6インチ前後が一般的になりつつあるが、それよりひと回り小さく、片手でも持ちやすい。丸みを帯びたボディも、手にしっかりフィットする。
丸みを帯びたボディとコンパクトなサイズ感が相まって、手にしっかりフィットする
背面は樹脂素材だが、肌に吸い付くような塗装がされており、これも持ち心地のよさに貢献している。多くのスマホが、金属やガラスといった硬質感のある素材を使うようになっているが、それとは真逆のアプローチだ。一見すると普通に見えてしまうが、こういった素材感のスマホが少なくなっているだけに、逆に新鮮味もある。触り心地もいいため、むやみに金属素材を使わなかったのは正解だと感じた。
写真では伝わりづらいが、本体は樹脂素材で、手に吸い付くようなコーティングが施されている
これは、シャープがスマホのAQUOSをどう位置づけているかにも関係している。他のスマホは、高いスペックと先進性を打ち出しているが、シャープは逆に高いスペックで温かさや親しみやすさを出すようなポジショニングを狙っている。これは、ハイエンドのAQUOSでも同じだ。スマホがここまで多くの人に行き渡った今、先進性を打ち出すだけでは響かない層が増えている。その状況を見越して、温かさを売りにしているというわけだ。
特に『AQUOS sense』のようなミドルレンジの端末には、このコンセプトがしっくりくる。どこか安心感のある王道的なデザインで、手にフィットし、使いやすい。しかも、ミドルレンジといっても、決してスペックが低いわけではない。たとえば、5インチながら、ディスプレイの解像度はフルHDと高く、映像は非常にきれいだ。画面に近寄って見ても、ドットがわからないほどである。
しかもディスプレイは、省電力性能に優れたIGZO液晶。ミドルレンジとは言いながらも、シャープの売りである液晶技術は、惜しみなく投入されているのだ。普通の動画を、HDR(ハイダイナミックレンジ)対応のように輝度のレンジを上げ、クッキリ表示できる「バーチャルHDR」も搭載されている。解像度こそフルHDだが、映像や液晶に関しては、一部ハイエンドモデルに迫る性能なのだ。実際、ハイエンドモデルでも動作速度を優先して、解像度をフルHDに落としている機種もあるため、そん色ないレベルともいえるだろう。
ディスプレイはフルHDと解像度が高く、バーチャルHDRにも対応する
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