自宅にテレビがなく、ワンセグ機能付き携帯電話を持つ男性がNHKに受信契約の義務がないことの確認を求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。深見敏正裁判長は、ワンセグ携帯について「放送法が定める受信設備の設置に当たる」と判断。NHKが敗訴した一審・さいたま地裁判決を取り消し、受信契約の義務があると認めた。
ワンセグ携帯を巡る訴訟5件のうち、高裁判決は3件目。22日にあった2件の東京高裁判決もNHKが勝訴した。
深見裁判長は判決理由で、放送法制定の経緯などを踏まえ「受信設備の設置とは物理的に一定の場所に置くだけでなく、携行することも含まれる」と指摘。ワンセグ携帯で受信料の支払いを免れるのは不公平だとして、原告側の請求を退けた。
放送法は「NHKの放送を受信できる受信設備を設置した者」に契約を義務付けている。訴訟では、ワンセグ携帯を持つことが受信設備の「設置」に当たるかどうかが争われた。
2017年12月の最高裁大法廷判決は受信料制度を「合憲」と結論づける一方、携帯端末など新たな視聴方法の位置づけには言及しなかった。