フリーランスになって仕事が増えすぎた理由を行ってきたことから考えてみた

フリーランスで仕事を増やすコツ 仕事

仕事の仕方は人それぞれ。十人十色のスタイルがあります。それでもデザイナーだったり写真家だったり「この人の仕事はこれ!」という軸はあります。

私も職業はフォトグラファーなのですがなぜか「何をやっている人なのかわからない」とよく言われます。

たしかに色々仕事してるなー…むしろ仕事多すぎて休み欲しいときもあるくらい。大変だけれどありがたい環境に恵まれています。

あれ?でもなんでこんなことになってんだっけ?と今さらながら疑問を感じてきました。

たどり着いた答えはスキル✕スキル✕スキル…と色々組み合わせた仕事してきたから。

最近読んだホリエモンの「多動力」にも書かれていたことですがスキルを組み合わせている人は市場価値があがり仕事の数と高単価になっていくという理論によく似ていました。

私の現在の肩書はこのようになります。

  • プロフォトグラファー
  • クライマー(仕事で山に登る)
  • WEBディレクター
  • WEBデザイナー
  • UXデザイナー
  • WEBマーケッター
  • WEBコンサルサント
  • ブロガー
  • 地方創生業
  • セミナー講師(NEW!)

よく初対面の人に「フカしてんじゃねーよ!」と言われるのが最近の悩みなのですけど、ちゃんとお仕事してますからね!去年の1月〜3月なんて企業常駐でフロントエンド開発してましたし!

でも実際はフォトグラファーとクライマー以外は日本に腰を据えた直近の4年で得たスキルなんです。

デザイナーやコンサル、ブロガーになりたくて勉強したのではなくて必要だからやっただけなのですけど、気づいたらいい感じに仕事が回っていたので、なんでろう?と今さらながら真面目に考えました。

すっごく長い記事になるよ!

スキルがなく仕事探しに苦労した時期

日本の来てすぐに大人の事情で週休5日になってしまったこともありとっても暇でした。一応お給料はもらえるのですが流石に人としてダメだろと思ったので就職活動をすることにしました。

しかし本場ヨーロッパのアルパインとフォトグラフィーやで!と息巻いたところでそりゃもう無名なわけですから、誰も相手にしてくれません。

「登山と写真ができます!」といったところで興味持ってくれるのはアウトドアメーカーくらいでしょうし、土日はキチンと仕事があるのでイベントなどでそこが潰れる会社はムリーなのです。

私から登山と写真を剥ぎ取って残るのは、まあそこそこに名のしれてる大学卒業くらいの武器しかないのです。当然20代後半になるとそんなものは通用しません。「君は何ができるの?何をしてきたの?」っていう部分が重視されます。

手元に残った武器といえばHTMLとCSSを使ったWEBデザイナーの底辺のようなスキル。今の恵まれてる勉強環境なら1年くらいで習得できるレベルです。

それで副業オッケーな会社を探してWEBデザイナー(初心者)で入れそうな企業の面接を受け初めて受かったのがリクルートっていう会社。

今思うとあの会社に入ったのが色々好循環に回るきっかけになった気がします。

大手のIT企業なんてムリやんって思う人がいると思いますが、実はそれほど敷居は高くありません。

待遇にこだわらなければWEB開発の派遣で時給1800〜2200円クラスで普通に求人が出ています。私のいた現場なんかデザイナーの半分が派遣社員でした。

なので派遣会社に面接に行き、希望の企業としてリクルート!サイバーエージェント!DeNA!と要望を通せば現場に入ることはそう難しくないと思います。仕事内容はクリエイティブ業に関して言えば社員とそうかわりません。

現場で得た知識をアウトプットしブログを始める

現場に入るとすごい人たちがたくさんいます。システムエンジニアさんだったりメディアプロデュースだったりSEOスペシャリストだったりと。

私の担当はフロントエンド(WEBサイトの画面を作ったり、コーディングしたり、バナー作ったり)なので、上流領域で決まった施策を組み込むお仕事です。つまり彼らの知識の集大成が見えるわけです。もうパクるっきゃない。

現場にいたエンジニアにPHPをレビューしてもらいながらWordPressを立ち上げました。その時は山に行くための車の情報収集をしていたので車のブログを作り、購入したあとも乗り心地などレビューし続けました。

当然WEB最先端のSEOのロジックが組み込まれているわけなので上位表示されます。

ブログが社員に見つかる

ある日、プロジェクトで一緒になったSEOのスペシャリストの方が「今度インプレッサスポーツ買おうと思うんですよー、このサイト参考になるんです」と私が作業している島にやってきます。そして私が答えます。

「それ私のブログですʅ(´◔౪◔)ʃ」

その週末に私の車に試乗してもらい、帰りにディーラーによって契約。そんな彼とは今でも一緒に仕事をすることが多く、SEOに関しては絶対の信頼を置いているので困ったことがアレばすぐに相談できるようになりました。

ここでブログスキルとSEOのスキルをゲットしました。やったね。

WEBディレクション

PHPの勉強を続けていたため、必然的にエンジニアとのコミュニケーションが円滑になり作業工数などの感覚値がWEBデザイナーの中でトップになってました。

そうなると呼ばれるわけですよ、要件定義ってやつに。何を作るのか、どのくらいの開発期間にするのかーなどふわふわしたものをキッチリ形にする作業のことです。

クライアントさんの「コレがしたい」ということに対して「こういうことですよね?」とかっちり作業に落とし込みつつ、「それはムリ」「工数足んない」「予算オーバー」「バッファどのくらい取っていい?」なんていう仕事を繰り返していくうちに基本的なWEBディレクション能力が身につきます。

ここでWEBディレクターとしてのスキルをゲットしました。やったね。

0の状態からWEBサービスのリリースまでを俯瞰的に見れるようにならないと見積を出したけれど、実際は倍の作業量になってしまい赤字になるなんてこともあり、フリーランスを目指すのであればここはWEBの現場で鍛えられたほうがいいです。

UXデザイン

UXデザイナー

当時はWEBサービスを持ちながらスマホアプリを持っていないところが多く、UIとUXが入り交ざる過渡期といいますか、UX黎明期といいますか、そんな時代でした。

そうなるとデザインチームに話がくるわけです。「スマホアプリを作るぞ」と。

とりあえずわからないながらもPhotoshopを駆使し(当時はXDもSketchもない)デザインを作り上げて開発に渡します。

当然出てくる問題が「実機で動かしたら使いづらい」「タップしたときどういう挙動にするの?」といった今までのWEBサイト製作にはなかったトラブル。

対応しながらABテストを繰り返しつつ経験値を稼ぎ、後輩からの相談に「こうやったらいい感じだった」「それ離脱率めっちゃ上がるやつ」みたいなアドバイスをしていたらいつの間にかUXデザイナーって呼ばれていました。やったね。

こういう知見はわりとエターナルだったりしますので、現在でも一緒に開発していた人から新規事業立ち上げのUX設計だったり、大手企業さんのEFO(問い合わせフォームの最適化)とかにアサインされます。ありがてぇありがてぇ…。

フリーランスに転向

フリーランスに転向

ある日、所属してる組織から「そろそろ撮影ホンキ出してええで」というお達しがきたので「時は来た」とリクルートをサクッと退社してフリーランスになりひたすら山に登る生活になります。

本職はフォトグラファーですからね、言っておきますけど。

元々日本で活動する目的は「登山いいぞー、山岳写真サイコーやん!」アッピールするためなのです。

初心を思い出し情報発信ツールの1つとして登山と写真で仕事をしてる人。を立ち上げました。

地方のやばい現状を目の当たりにする

地方創生の実情

登山をされてる方はご存じの通り、北アルプスの集落はわりと経済的に厳しい。

色々と複合要素はあるのですが端的にいうと旅行客が減って旅行業で生計を立てている人達が大ダメージ。ついでに融資してる銀行も回収が危なくなり焦り始める。

とある北アルプスの麓にある温泉地を拠点に山岳写真の撮影と山の調査をしていたら、たまたま担当の銀行員に捕まり「なんとかならんかなー」という話に。

田舎に通い詰めるとすぐ顔を覚えられるので気をつけよう。

「ここ盛り下がっちゃうと日本の山岳業界の損失だからやれるだけやってみんべ」という軽いノリで地方創生に手を出し始めました。

そして限界集落が自力で盛り返すことは無理ゲーということに気づき絶望します…orz。

そこで一番最初に封印した「登山ができる」スキルの復活。これでもヒマラヤサミッター。山の話はできるのです。

finetrack・MAMMUT・SUUNTO・CASIO・MRS・platypus・Columbia・MOUNTAIN HARDWEAR・SALOMON・Jeepさんなんとか協同事業をどーん!と起こすのです。地元の穂高岳山荘さんも遊びにおいでよという感じで集めてみたり。(詳細はめんどくさいから割愛)

それはもう大人の事情が絡みまくる上にみんな営利の民間企業さんなわけですから費用対効果というのは提示しないと話すら聞いてもらえません。そこでWEBディレクターとしての経験が生きてくるわけです。

集客だったりマーケティングだったり生半可なプレゼンじゃと通らないですからもう冷や汗びっしょり。

そして提案できてもそれを形に出来なければ意味はないのです。そして地方の観光協会の予算は0円

無理ゲーすぎる。800万くらい予算ください。

でもこの時の私にはWEBディレクターの他にフォトグラファー・WEBデザイナー・UXデザイナー・ブロガーというスキルがある。

あれ?なんとかいけるんじゃね?と思い集客用のページを作り、マーケティングを行い仕掛けたのがクラウドファンディング。

なんとか2年連続で成功させてそれなりに認知されたのでめでたしめでたし。

地方創生は地元の人が頑張らないと意味がないので成功ロジックだけ渡してあとは地元に任せることにしました。よって今年はノータッチ!

環境省に呼び出させれる

限界集落がアウトドアメーカーを巻き込んで大きな事業を起こすというのがキャッチーだったらしく、問い合わせがきました。

正確には資金ほぼ0で事業を起こせるロジックを知りたいという俗っぽいものでしたが、企業にメリットを提示できる仕組みつくればどこでもできるんじゃない?という共有をしておきました。

このあたりから地方創生に強い人、WEBマーケッターと言われるようになりました。やったね。

そしてセミナー依頼がきはじめました(岡山県の鏡野町というところで一度だけやってみた)

WEBコンサルタント

WEBディレクション・WEBデザイン・WEBマーケティング・UXデザインなどができるので、WEBサイトを見たり、行っている施策の成果を見るとどこを直せば成果が上がるようになるのかが分かるようになってきました。

むしろ「え?なんでこれやってないの?」っていうレベルのものが多すぎて、飲み会などで指摘するのを繰り返していたらなぜが大型案件としてコンサルティングの仕事が来ました(‘A`)

こうしてWEBコンサルタントと呼ばれるようになりました。やったね。

インプットしたものをアウトプットするだけで世界は広がる

ずらーっとここ4年間でやってきたことを時系列順に並べてみましたが、別に奇抜なことをやってきたわけではないんですよね。

ただインプットした知識をアウトプットしただけです。

強いて言えばトラブルが起きた時は周りの誰かじゃなく自分が解決することを心がけたくらい。そのために必要な知識のインプットをして、それもアウトプットすること。

それを繰り返していたら4年間で収集のつかないことになっていました。

ちなみに私の本職はネイチャーフォトグラファーです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

現在行っているスキル✕スキルを組み合わせた仕事

不思議なことに「どれとどれを組み合わせよう」という意識はなく、「どうすれば一番上手くいきそうかな?」と考えた最適解です。持っているスキルで取れる手段が広がったため見える世界も変わりました。その一例をご紹介。

「フォトグラファー」✕「クライマー」✕「ブロガー」

山岳写真いいぞー、登山サイコーだぞー!という情報発信をしたいだけなのですが、色々やっていたらいつの間にか30万PV/月くらいになっていました。

マネタイズは基本AdSenseとAmazonアフィリエイトくらいですけど、他に「ブログ飯」するためのマネタイズとして商品レビューは定番ですね。

私のブログの場合はユーザーが写真愛好家と登山愛好家がの割合が高いので効果の高いプロモーションができそうです。

つまり何がいいたいかというとお仕事ください…なにとぞ…なにとぞ…orz。カメラのボディでペグを打つことに関しては日本一を自負しております。

ちなみにWEBタイアップ記事広告は1PV100円が1つの目安なので1つの記事で10000PV出せるのであれば市場価値的に100万円分の広告価値があります。

ブロガーは社会的信用がないので7割減っていうところですかね。頑張れブロガーのみなさん。商品貸し出すから無料で記事書いてほしいというのは99%地雷だから気をつけろ!

私はマネタイズは別のお仕事のほうが楽なので非常識なものでなければ報酬はどうでもいいタイプ。ネイチャーフォトいいぞー!っていうコンテンツに協力してくれる企業さんいたらイチゴ味のジョアあげちゃう。

「地方創生業」✕「WEBディレクター」✕「フォトグラファー」

フリー素材サイトのPAKUTASOの地方創生案件でアサインされることも多いのも、地方が抱える問題を経験として知っているから。

それでいて解決するためにどのような施策が必要で、何が効果が出たのかの経験を持っているから。

企画やマネジメントだけでなくフォトグラファーやデザイナー、マーケターとしてコンテンツを作ることができるため、ゴリ押しすれば1人でなんとかできます。…やらないけど。

つまり俯瞰的に施策を見ることができます。

特に限界集落になるほどアイディアがでない、形にできない、運用ができないという悩みが尽きないためちょいちょいお声がけいただきます。

この分野に関しては低予算で効果の出る施策ができる企業さんが少なすぎることと、日本の闇が凝縮された理不尽な経済が動いていることもあるので案件次第では身銭を切ってCSRで支援しています。

報酬は温泉と美味い飯。それだけでいいよー。ただホントに困ってる自治体さんだけだからね?

「WEBディレクター」 ✕ 「WEBデザイナー」 ✕「 UXデザイナー」

この3つのスキルをよく使うのが大手のWEBサービスの開発案件。全面リニューアルのための導線を作ったり、問い合わせの件数を増やすためにEFO(問い合わせフォーム最適化)などです。

IllustratorやSketch・Adobe XDで引いたワイヤーでクライアント確認を取りデザイン・コーディングまで担当することが多いです。あとはシステムエンジニアに投げてリリースするまでに起こるエラーの修正を都度行う形にしています。

WEBのお仕事ではこれが1番単価が高いです。

海外の登山や長期撮影で身体がボロボロになった時は治療期間中に企業常駐で開発支援することにしています。

「フォトグラファー」✕「クライマー」✕「セミナー講師」

4/19日にやるfinetrackさんでのセミナーで使う初めてのスキルセットですね。

講師は慣れていないので上手く話せるかわかりませんのでレジュメ一生懸命作ってます。

やるからにはキチンとベネフィットをご提供したい。( ・ㅂ・)و ̑̑

登山と写真撮影を仕事にしてるので、山岳写真と登山は人一倍大好きなのですけど、それゆえに不幸な事故のケースも知っているので安全に山で写真を撮るための知識を学ぶ場を作りたいなーとずっと思っていました。

色々探したんですけど、少なくともネットで簡単に見つかるところに情報は落ちていませんでした。

…じゃあもう自分でやるしかないじゃない(‘A`)

ただ専門的な知識はしっかりとしたバックボーンを持ってるプロの山岳ガイドさんにお願いしよう!というものです。

ちなみにコレも人命に関わることなのでマネタイズは考えていません。でも継続するにはお金稼がないといけませんよね…。

なので種だけ撒いてあとは日本の山岳写真家さんがビジネスとして「フォトグラファー」✕「クライマー」のスキルセットでしか得られない技術と経験を教えるセミナーに発展してくれればいいなーと思っています。

やってくれる山岳写真家さんいらっしゃったらイチゴ味のジョアあげちゃう。

最近のお仕事はこん感じです。
今年は専門のネイチャーフォトの撮影にたくさんの時間を割いています。

スキルが増えすぎると中途半端にならないか

この質問もよくされますけど答えはNO。むしろ専門としている分野のクオリティが上がります。

たとえば私はネイチャーフォトを専門にしていて、この分野だけはプロとして突き抜けることを目標にしています。ある程度勉強と経験を積むと壁にぶつかりますが、そのときに必要になるのが他分野の知識。

WEBデザインに組み込みやすい写真、広告に使用して利益を出す写真など、写真撮影をしているだけでは得られない着想があります。このような発想からブレイクスルーすることは珍しくありません。

スキルは多いほうが可能性は広がりやすい

私の経験に過ぎませんがプロフェッショナルとして突き抜けるか、複数の技術を組み合わせるのが仕事を得るためのコツ。

要はニーズのある希少性。

良し悪しは置いていて、1つの分野で8割くらいの技術を習得したら、別の分野で8割の技術を習得する。そのほうが1分野で突き抜けるよりも勉強時間は格段に短くて済みます。

さらに勉強時間を最短にするにはさっさと現場に入ること。座学ではなく経験で物事を捉えること。

最後にインプットした情報をアウトプット。それによって広がった世界で掴み取れる新しい何かを掴み取ること。これを繰り返していくといい感じに仕事が増えて行きました。

日本の会社員ではこのようなスキルセットの需要はほぼないのですが、クリエイティブ系のフリーランスで生計を立てるのでしたら効率のいいキャリアプランではないでしょうか。

わりと実践してきたことがホリエモンの多動力に似ているのが半分嬉しく半分ショック。

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