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 一般に、サーバーとインターネットとの間でやり取りされる通信は「南北(North-South)」のトラフィック、サーバー間の通信は「東西(East-West)」のトラフィックと呼ぶ。東西トラフィックの急増に対応することが、同社がファブリックネットワーク用のスイッチを開発している動機だという。

ヤフーがフェイスブック製スイッチを日本に導入

 2018年、フェイスブックが開発したファブリックネットワーク用スイッチがいよいよ日本国内のデータセンターでも使われ始める。導入するのはヤフーだ。ヤフーは2018年夏にもフェイスブックが2016年に公開したファブリックネットワーク用スイッチのBackpackを日本のデータセンターで本格稼働する。OCP U.S. Summit 2018ではヤフー サイトオペレーション本部インフラ技術3部の村越健哉部長がBackpackの性能検証結果などについて講演した(写真3)。

写真3●ヤフー サイトオペレーション本部インフラ技術3部の村越健哉部長
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 ヤフーはHadoopなどの分散データ処理システムを運用する環境に、ファブリックネットワークの導入を進めている。ファブリックネットワークはToRスイッチの通信を集約する「リーフ」スイッチと、リーフの通信を他のリーフに届ける「スパイン」スイッチをメッシュ状に接続することで構成する。フェイスブックが開発したBackpackは、8台のリーフスイッチと4台のスパインスイッチを集約するのに使用する(写真4)。

写真4●ヤフーにおけるBackpackの役割
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 ファブリックネットワークを構築する方法としては、ネットワーク機器メーカーが販売するシャーシ型スイッチを導入する手もある。Backpackはネットワーク機器メーカー製のシャーシ型スイッチに比べて、光ポートのコストを4分の1にまで削減できる。また米キュムラスネットワークス(Cumulus Networks)が販売するLinuxベースのネットワークOSを利用できるなど、システム運用面でもメリットがあった。それらを勘案してヤフーはBackpackの導入を決定したという。

 OCP U.S. Summit 2018ではマイクロソフトが、フラッシュストレージのホワイトボックス化を進めるための新しい施策を発表した。3月20日に発表したSSD(Solid State Drive)のファームウエアに関するオープンな仕様「Project Denali」だ。