【3月15日 時事通信社】2010年にノーベル化学賞を受賞した米パデュー大学特別教授、根岸英一さん(82)の乗った車が中西部イリノイ州内で交通事故を起こし、同乗していた妻すみれさん(80)が死亡したことが14日、地元警察などへの取材で分かった。英一さんは脱水症状を起こし、現地の病院で治療を受けている。

 地元の警察や報道などによると、車は英一さんが運転していたとみられ、空港に向かっていた際に方向が分からなくなったもようだ。車は溝にはまり込んで動かなくなり、英一さんが助けを求めて近くを歩いていたところを13日、警察が発見、保護した。

 現場はごみ処分場の敷地内だった。夫妻については12日、警察に捜索願が出されていた。事件性はないとみられる。

 パデュー大学はすみれさんの死亡を受けて声明を出し、「科学や後進の指導に多大な貢献をしてきた夫を支えた」と哀悼の意を表した。(c)時事通信社