米Facebookは3月25日(現地時間)の米国および英国の大手新聞各紙の日曜版に、マーク・ザッカーバーグCEOの署名入りの全面謝罪広告を出した。17日に報じられた約5000万人のユーザーデータ流出に関するものだ。
「われわれにはあなたの情報を守る責任があります。守れなければ、(情報を扱う)資格はありません」と大きな文字で書かれた下に、5段落でこれまで説明してきた経緯と対策を要約して説明している。
最初の段落は「2014年に数百万人もの人々のFacebookデータを流出させた、ある大学の研究者が開発したクイズアプリについてお聞きおよびでしょう。これは背任行為であり、当時われわれがもっと対策できなかったことについて謝罪します。われわれは現在、再発防止に取り組んでいます」とある。
謝罪文には具体的なアプリ名(thisisyourdigitallife)や研究者名(英ケンブリッジ大学のアレクサンドル・コーガン教授)、データの売却先(データ解析企業Cambridge Analytica)は記載されていない。流出したとされるのは5000万人分のデータだが、ザッカーバーグ氏は「数千万人」ではなく「数百万人」としている。
Cambridge Analytica(CA)は、購入したユーザーデータを2016年の米大統領選と英国のEU離脱国民投票での有権者の意思決定操作に利用したと報じられている。
17日の報道後、米英当局による調査が開始され、複数の訴訟も始まった。TwitterではFacebookアカウント削除を呼び掛ける「#DeleteFacebook」ハッシュタグが拡散し、まだ少ないがFacebookから広告を引き上げる広告主も出て来た。同社の株価は報道後下がり続けている。
この件で実際にFacebookアカウントを削除するユーザーがどのくらいいるかは、5月に予定されている同社の四半期業績発表まで分からない。
米CNNによると、この広告は米国のThe New York Times、Washington Post、Wall Street Journal、英国のThe Observer、The Sunday Times、Mail on Sunday、Sunday Mirror、Sunday Express、Sunday Telegraphに掲載された。
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