『ポプテピピック』須藤Pが語る制作秘話。「オンエア前は社内で見向きもされなかった」「毎週、“電話かかってこないで”と祈ってやっと解放される(笑)」
パロディ、声優ガチャ、その日のうちに再放送など、過去に前例がない内容でアニメ界だけではなく世間をざわつかせた、アニメ『ポプテピピック』。
3月24日(土)のニコニコ生放送「AnimeJapan放送局ブース」の『アニメと原作 理想的な関係』と題したプログラムには、KADOKAWAのプロデューサー・田中翔さん、Aniplexのプロデューサー・足立和紀さん、キングレコードのプロデューサー・須藤孝太郎さんが登壇しました。
本記事では、『ポプテピピック』のプロデューサーを務める須藤さんが生放送で語った制作秘話をご紹介。「アニメ化までの経緯」「竹書房との関係」「秋葉原でのお面配布イベントでの出来事」などについても語りました。
須藤P「原作をバーっと見て、なんか面白くないなと思って……」
高橋:
『ポプテピピック』の出会いであったり、なぜアニメ化に至ったかを伺ってもいいですか。
須藤:
最初は原作を知らなくて、やたらと自分の周りでLINEスタンプを使っている方が多くて、あとはTwitterのリプライの煽り画像とかですね。なんか腹立つなと思って(笑)。試しに原作本を買ってみようと思って、原作をバーっと見て……多分5秒くらいで終わったんですけど(笑)。なんか、面白くないなと思って……。
高橋:
(笑)
須藤:
でも、なんか気になるなと思ってですね。自分も他のアニメとかを担当していて、どんどんパッケージを作っているのに数字がどんどん落ちていくんで、「他のプロジェクトのスキーム【※】とかできないかな」って思っていたところでした。
※スキーム
計画、仕組みのこと。
では、パッケージではなくてグッズ主体のアニメを作ってみようかな、と思って。それで企画書を書いて、それから竹書房さんに行きまして、確か原作本の裏に電話番号があったんで電話して、「アニメ化したいんですけど」って(笑)。
高橋:
その電話番号は、一般の方の問い合わせ先ですよね?
須藤:
一般のカスタマーセンターみたいなところで(笑)。竹書房さんに知り合いは全然いなかったので(笑)。竹書房さんに行きまして「こういう形でアニメ化したいんだ」と言うと竹書房さん的にも、ぜひという感じで、逆に社内を通すほうが大変でしたね。
要は、原作本しかないんで社内会議とかで原作本を回して「こういう作品をぜひやりたいんです」って言ってたんですけど、原作の表紙はちょっと“中指系”じゃないですか?
(画像はAmazonより)
高橋:
“中指系”っていうのがすごいですね(笑)。
須藤:
なので、「ちょっとこれはどうなんだ?」みたいな話にもなりつつ……。うちの上司が理解のある方で「プロデューサーは人生に一度カードを切っていいんだけど、そのカードをこの作品に切っていいのか?」って言われたんですよ。「ぼくはこれに切ります」って、話をして。
多分、売れてなかったら異動になっていたと思うんですけど、それくらい上役からすごく言われてですね。「それでもやりたいんです」って話をして、それでなんとか通したっていう……。
竹書房との関係は?
高橋:
今の話で言うと、「アニメと原作 理想的な関係」というのが、この番組プログラムのテーマですけども、竹書房さんとの関係はどうなんですか。
須藤:
そうですね……特に何事もなく。
高橋:
「何もない」ってことある(笑)!?
須藤:
「おはようございます」みたいな(笑)。
高橋:
あいさつじゃないですか!
須藤:
特に深い話はしてないですね。竹書房さんって結構キャラクターにやられちゃってるじゃないですか? あんまり作品に対して愛がないんだと思うんですよね(笑)。
(下記引用ツイートは『ポプテピピック』アニメ公式Twitterに掲載された、キャラクターが竹書房を破壊する様子)
一同:
(爆笑)
須藤:
いい意味で、多分静観しているタイプだと思います(笑)。
高橋:
そういう関係もあるっていうことですね(笑)。
秋葉原でのお面配布イベントが「リアルに“もしもし ポリスメン?”になってしまった」
高橋:
さきほど「上司の理解が」という話がありましたが、『ポプテピピック』の今の状況って、あえて言葉を選ばず言うと社内の手のひら返しはありましたか。
須藤:
ありましたね。オンエア前に関して言うと、あんまり見向きもされないっていうか、「うーん……」っていう感じだったんですよ。オンエア始まってからは、みんな「サンプルくれ」みたいなこと言い始めて……。
高橋:
わかりやすい手のひら返しですね。
須藤:
なんか、薄情ですよね(笑)。(カメラを指差して)お前のことだぞ!
高橋:
今のは会社の方に、ということなんでしょうね(笑)。
須藤:
そうです(笑)。
高橋:
本当に様々な話題を世に放ってますけれども、その中で印象に残っていることとか思い出されることってありますか。
須藤:
多分3話とかだったと思うんですけど、ちょうど本編の内容でポプ子がクローンポプちんになって街中を歩き回るみたいな話だったんですけれども、翌日にそれをポプ子の怒った顔をお面にして配ったら、リアルにクローンポプちん量産計画ができるんじゃないかって閃いて。
お面を作りまくって配布したんですよ。「これはすごいことになるぞ」って思ったんですけど。
(画像は「【TV同時放送】「ポプテピピック」2話~最新3話上映会」ニコニコ生放送より)
高橋:
「俺って天才だ!」くらいの?
須藤:
「これはバズる!」って思ってたのに、人が集まりすぎてリアルに“もしもし ポリスメン?”になった(笑)。
一同:
(爆笑)
須藤:
その直前に現場にいた社内の人間から電話がかかってきて「須藤さんヤバいです! 人が来すぎて、警察も来てます」って、ここでは言えないんですけど、ぼくがそこでちょっと不謹慎なことを言ったっていう。でも、結果的には良かったなと、なのですごく記憶に残っています。
(下記引用ツイートは『ポプテピピック』アニメ公式Twitterに掲載された、お面配布の告知ツイート)
高橋:
ポリスメン来たら、そりゃあ記憶に残りますよね。
須藤:
それでヤフートップ(のニュース)を見て、やっぱりかぁと思って(笑)。ま、しょうがないと思いましたよ。
高橋:
藤田さん、ああいうプロデューサーをどう思いますか。
藤田:
ポプテピピックの色に染まったのか、アニメと須藤さんが近い気がしてて(笑)。面白いなってすごい思います!
須藤:
ぼくも、藤田さんはすごく面白いと思いますよ。
藤田:
……本当ですか? ありがとうございます……。
高橋:
何だこれ(笑)!?
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