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中日劇場、52年の歴史“完”

閉場式を終え、観客の拍手の中、深々と頭を下げる出演者と劇場関係者ら=25日夜、名古屋・栄の中日劇場で(榎戸直紀撮影)

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 名古屋の芸能の中心を担ってきた中日劇場(名古屋市中区)で二十五日、最終公演があり、五十二年の歴史に幕を下ろした。新聞社が運営する全国唯一の常設劇場として、芝居に歌謡ショー、伝統芸能など多様なジャンルを上演し、数多くの俳優や歌手が舞台に立った。

 最終公演は、一九六六(昭和四十一)年のこけら落としと同じく、名古屋で活動する日本舞踊の五流派が勢ぞろいする中京五流舞踊。昼夜二公演で計五十人が踊りを競い合った。満席の客は盛んに拍手や掛け声を送り、最後の公演を楽しんだ。公演後の閉場式では、西川流前家元の西川右近総師が納めの舞として「島の千歳(せんざい)」を披露。中日新聞社の白井文吾会長のあいさつに続いて、出演者と観客ら全員で手締めをして劇場に別れを告げた。

 中日劇場では五十二年間に二千二百以上の公演があり、約二千三百四十万人を動員した。「名古屋三座」と呼ばれた名古屋市内の大規模な三劇場は、二〇一五年の名鉄ホール(中村区)に続いて中日劇場が閉場し、四月一日からこけら落とし公演が始まる新しい御園座(中区)のみとなる。

 

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