キャラクターデザイナー・石田可奈さんの多発するデザインミス

原作読者の間では定期的に話題となる、アニメーターでイラストレーターの石田可奈さんのデザイン問題です。小説未読の人には分かりづらいかもしれませんが、イメージとして知っておいてほしい内容があります。※新刊のイラストについて1枚補足しました

更新日: 2015年12月07日

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この果てに16巻のワンレングス問題があり、「髪の長さ」までテキストと一致しないことに。イラストに作者や編集者が気付かないはずもなく、「作者の意見は無視されて当たり前」の状況になっている。

当然、編集者には「作者がイラストレーターに何も意見できないようにしている」という責任がある。

ブレザーが濃緑色だったのは、花のエンブレム(校章)が緑地の制服にないことを指して「雑草」(草の色)と呼ぶ言葉遊びに繋げているため。石田可奈は、その意味が通じなくなるようにデザインしていることになる。

「描写の意味を読み取ろうとせずにデザインする」というのも石田可奈の作画ミスが頻発する理由になっていると思われる。

制服と同じくらいに改変されすぎたコスチューム

特に、テキスト通りかどうかを抜きにしても「ダサい」と読者からの評判が悪いのがこのコスチュームデザイン。

小説のデザイン描写では、

 「ベストがなければ女子フィギュアスケートの衣装に似ている」
 「立体成型の光沢素材で、胸部をしっかりガードする、ウエストを絞った後ろ開きのベスト」
 「カラフルなシルクテイスト・オーガンジーを幾重にも重ねた、ヒラヒラなびくミニスカート」
 「肩だけ膨らみのある長袖の、ぴったりしたユニタード」
 「エナメル調のタイトなショートブーツ」
 「羽の飾りのついた、イヤーマフのような幅広のカチューシャ」

とある(3巻p129)。

全体としてエレガントな、という表現をしており、「フィギュアスケート風」という表現からもシックな鮮やかさを感じさせている。

「ウエストまである背中開きのベスト」ではなく、胸にはガードされていない隙間が空いており、オーガンジーは一枚も重なっておらず、「イヤーマフのようなカチューシャ」でもない。

そして全体のイメージは(女子高校生が着るものなのに)「アニメの魔法少女」風。

もちろん、文中にそうした子供っぽいイメージを感じさせる描写はなく、神秘的な美しさがなければ成立しないような登場の仕方をしている。

ちなみに作中では未来の素材だと思われるが、この写真の生地はレーヨン(人造絹糸)。本物のシルクではないので「シルクテイスト」と呼ぶ。

文庫化前の原稿には「髪を結いあげてうなじが見える」という描写も存在しており、バレエや女子フィギュアのイメージにより近かったことが分かる

文章からアレンジしてディテールを変更するのは当たり前だとしても、エレガントさを伝えようとした本文からのギャップがあまりにも激しかった。

ウエストで絞った背中開きのベスト、厚めに重ねたオーガンジー、耳まで覆うカチューシャと、無視されていた要素を採用していけば(本来)こうなる。本来は、髪型もアップにすべきかもしれない。

作中には「濃い色の昼用コスチューム」と「明るい色の夜用コスチューム」の二種類が登場しているため、こちらは「濃い色のコスチューム」を読者が想像したもの。よりフィギュアスケート風で、大人っぽくイメージされている。

元から無視されていた「長めのマッシュレイヤー」という髪型

なお、2巻で初見えした時から無視されていた髪型もある。「長めのマッシュレイヤー」と表現されているヒロインの髪型が、ずっとショートヘアで描かれていた。

「マッシュレイヤー」とは、上側の髪の毛と下側の髪の毛に段差をつけたヘアカットのこと。その「長め」というと、「髪の裾の長い、マッシュルームヘア」になる。

出典drawr.net

比較すると、文庫ではモミアゲの長さ以外はショートカットで、「長めのレイヤーカット」にはなっていない。

最後に、石田可奈さんが小説のファンに向けて話していたことを載せておきます。

はじめまして、「魔法科高校の劣等生」のイラスト描かせてもらう事になりまし た石田可奈と申します。こんなに面白い作品に参加させていただきありがとうございます!

達也のかっこよさと、完璧すぎる深雪を表現する難しさを乗り越えられるように、 読んでいるファンの方のイメージを膨らませることが出来るように一生懸命頑張 ります! 皆様の意見も是非聞かせてください。色々参考にして勉強していこうと思います!どうぞ宜しくお願い致します!(石田)

少しでも、イメージが浮かびやすいように出来ていたら良いなあというのが目標に思って書いています。気になった事があったら、是非感想お願いします。

なお、現在の石田可奈さんは2011年8月13日以降、一度もTwitterでコメントしていません。

1巻の反省の竹刀はGETしました。(直し済)本当お恥ずかしいです。 次に竹刀がでてきたら、間違いはないかもです!勉強になります。

この時点では、作画ミスがあれば修正して、反省を報告していたが、これ以降は一度もない

新刊からの補足

18巻の新規イラスト。ここは「夕食後に席を立ってすぐに座り直した」時点の場面で、「エプロンを着ている」描写はこの前のシーンのみ。このことから、石田可奈は「おおまかな指定だけを与えられ、それを判断材料に描いている」というより、まとまった小説を通し読みしているのだろうと分かる。その上で「食事前にはエプロンを外す」と考えることもなく、「数ページ前にエプロンを着ていると書いてあったからわざわざエプロンを着せた」、しかも「椅子に座っている状況描写」は読み飛ばして理解しなかったということ。結果として、小説のシチュエーションがとても想像しにくくなっている。当然、作者のチェックも機能していないと言える。

さらに、この場面で着ているのは「フレア」スカートのはずで、しかし挿絵では(今までのファッション描写と同じパターンだが)スカートにフレアがない。

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