外資の農地取得調査 17年分から全国的に 農相方針
2018年03月24日
斎藤健農相は23日の参院農林水産委員会で、外資によって国内の農地が取得されていないかどうかについて、2017年分から全国的に調べる方針を示した。農地法では、外資を含めた企業の農地取得は認められておらず、これまでは調査してこなかったが、外資の関連法人が農地を借りて参入するなど、日本農業への関心を強めていることも踏まえ、実態を把握し直す。民進党の徳永エリ氏への答弁。
国内では近年、外資が出資して日本で設立した法人が、農地を借りて参入する事例が出ている。徳永氏は、こうした動きは今後も増えてくると指摘し、「(外資参入の)実態を農水省として把握しておく必要がある」と訴えた。
斎藤農相は、農地を所有できる法人は農業者の出資割合が過半である必要があることから、「農業者の意に反して、農地を取得した法人に外国資本が流入することは、基本的にない」と説明した。一方で、森林では外資による買収状況を毎年調べていることもあり、農地でも農地法の規定が順守されているかどうか、全国調査すると述べた。
一方、無所属の舟山康江氏は飼料用米の取引価格を、代替となる輸入トウモロコシと同等の1キロ20~30円と政府が説明していることについて「現実にはもっと安い」と指摘。斎藤農相は1月に飼料用米生産者や畜産農家など229件に聞き取り調査し、同価格帯で取引されていると確認したとする一方、流通経費などを引いた生産者手取りは同5円になる例もあると説明した。舟山氏は飼料用米の生産者に国の助成金が入ることを見越して、取引価格が引き下げられている可能性があるとし、取引実態を厳しくチェックするよう求めた。
徳永氏はまた、農産物の輸送トラックの運転手不足を背景に、北海道のジャガイモやタマネギの輸送を支える鉄道網の重要性が増していることを指摘。JR北海道が多くの線区で廃止を含めた見直しを検討していることについて、国土交通省の認識を質した。
同省の牧野京夫副大臣は、「物流を確保する方策も含めて検討する必要がある」と述べ、JR北海道が、線区の維持が困難な地域で進める住民との協議について、輸送網を維持する重要性を踏まえて、「積極的に関与していく」と述べた。
国内では近年、外資が出資して日本で設立した法人が、農地を借りて参入する事例が出ている。徳永氏は、こうした動きは今後も増えてくると指摘し、「(外資参入の)実態を農水省として把握しておく必要がある」と訴えた。
斎藤農相は、農地を所有できる法人は農業者の出資割合が過半である必要があることから、「農業者の意に反して、農地を取得した法人に外国資本が流入することは、基本的にない」と説明した。一方で、森林では外資による買収状況を毎年調べていることもあり、農地でも農地法の規定が順守されているかどうか、全国調査すると述べた。
一方、無所属の舟山康江氏は飼料用米の取引価格を、代替となる輸入トウモロコシと同等の1キロ20~30円と政府が説明していることについて「現実にはもっと安い」と指摘。斎藤農相は1月に飼料用米生産者や畜産農家など229件に聞き取り調査し、同価格帯で取引されていると確認したとする一方、流通経費などを引いた生産者手取りは同5円になる例もあると説明した。舟山氏は飼料用米の生産者に国の助成金が入ることを見越して、取引価格が引き下げられている可能性があるとし、取引実態を厳しくチェックするよう求めた。
徳永氏はまた、農産物の輸送トラックの運転手不足を背景に、北海道のジャガイモやタマネギの輸送を支える鉄道網の重要性が増していることを指摘。JR北海道が多くの線区で廃止を含めた見直しを検討していることについて、国土交通省の認識を質した。
同省の牧野京夫副大臣は、「物流を確保する方策も含めて検討する必要がある」と述べ、JR北海道が、線区の維持が困難な地域で進める住民との協議について、輸送網を維持する重要性を踏まえて、「積極的に関与していく」と述べた。
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[改革最前線 生産コスト低減 5] 物流 ホクレン 往復輸送で運賃下げ 道向け荷物 連携先確保
トラック運転手の不足による人件費の高騰などで農産物輸送費の上昇が見込まれる中、ホクレンが輸送効率化に乗り出した。都府県への米輸送後の空いた荷台に飲料メーカーと連携して飲料を輸送して戻る。効率的な往復輸送で、運賃を従来から5%ほど下げた。2017年度に米3000トンで実施し、18年度は倍増させる計画。積み降ろしが重労働だった重量野菜は、ばら積みからパレット輸送への転換も推進。輸送業者の負担軽減にも貢献している。
往復輸送を始めたのは13年。通年で多くの荷物を北海道に運ぶ飲料メーカーに打診し、複数を確保した。大手飲料メーカー・キリンの輸送を手掛けるキリングループロジスティクスとは17年度に始め、ホクレン側の運賃は2~5%下がった。
運転手に配慮
輸送業者にとってもプラスだ。ホクレンは、メーカーと協議し、米の納入から飲料の集荷までの移動距離は50キロを超えないよう調整。運転手は、朝に納入すれば帰り荷の集荷までを午前中に済ませることができ、勤務時間にロスが少ない。道内業者からは「運転手不足への対応に最適。今後も広げてほしい」と評価する声が上がる。
トラック運転手の不足は、ジャガイモなどの重量野菜の輸送にも影響が大きい。ばら積みの場合、段ボール箱の積み降ろしは運転手やJAの作業員の手作業。10キロの箱を1000個以上運ぶことも一般的だ。重労働のため割高になるだけでなく、作業できる運転手が限られ「将来、高い料金を払っても輸送の手配ができなくなる」(物流一課)恐れがあった。
解決策の一つがフォークリフトで積み降ろしするパレット輸送。ただ、JA単独ではパレット管理が難しいことなどから、普及が遅れている。
パレット導入
ホクレンは15年から、産地にパレット輸送を提案。11JAのタマネギ、ジャガイモ、ニンジンで導入が進んだ。このうちニンジンはパレットの規格が特殊なため、ホクレンが企業からパレットを借りJAに供給、市場から回収するまでを担う。それにより、積み降ろし時間を約6割短縮。女性や高齢の運転手でも運べ、運賃も抑えられた。
ニンジン出荷にパレットを利用するJAびほろは、業務効率化を実感する。JAは今年度、ニンジンの洗浄選別予冷施設を新設。選果場の規模は約1・5倍になったが、積み込みをしていた作業員の一部を予冷作業に回すことができた。
JAは「新施設の稼働で量は増えたが、前と変わらない時間に積み込みが終わる」と歓迎する。
運転手不足の厳しさを踏まえ、ホクレンは「安定出荷を続けるためにも、タマネギとジャガイモはパレット導入率100%を目指したい」(同課)と強調する。
2018年03月21日
きょう「春分の日」は季節の大きな分かれ目で
きょう「春分の日」は季節の大きな分かれ目で、日に日に昼が長くなる。そして、桜前線も歩を一段と速め北へ▼今年は桜の開花が早い。一足先に桜の名所の一つ、東京・上野公園の坂を上る。明治維新150年は、この上野の山でも歴史を分ける転機となった。1868年7月、新政府軍と旧幕府の彰義隊が激突する。この時、今年で開店250年を迎える松坂屋上野店は新政府軍の本陣が置かれ、西郷隆盛も立ち寄ったという▼歴史の地のエピソードをもう一つ。戊辰戦争の最終局面、新選組の土方歳三は北海道・箱館(当時)の五稜郭で散る。実は同上野店ででっちとして働いたことがある。数えで11歳の時だが結局、番頭と衝突して生家に戻る。もし松坂屋で精進していたら、全く別の人生を歩んでいたかもしれない▼上野公園には昨年生誕150年を迎えた俳人・正岡子規の名を冠した記念球場もある。子規は実際に捕手などもこなす。野球を題材にした俳句や短歌、随筆を多く残して競技の普及に貢献した。球場には子規が詠んだ〈春風や まりを投げたき 草の原〉の句碑も。思わず〈球春〉の2字が浮かぶ▼あさってからは90回を数えるセンバツ。人に例えれば卒寿の長い歴史を刻む。“忖度(そんたく)”なしで、高校球児の爽やかプレーに浸りたい。
2018年03月21日
「種子法」廃止受け 都道府県 18年度は体制維持 新ルール作り検討 本紙調べ
種子の安定供給を都道府県に義務付けてきた主要農作物種子法(種子法)が3月末に廃止される中、2018年度は、全都道府県が種子関連事業をおおむね維持し、安定供給の体制を継続する方針であることが20日、日本農業新聞の調べで分かった。地域に適した品種の維持は行政の管理が不可欠との姿勢。種子生産に行政が責任を持つ新たなルール作りに動く県も出始めた。ただ、同法廃止の狙いは民間の参入促進にあるため、種子を企業が握る危うさは残る。19年度以降も、行政の動向に注視が必要だ。
全都道府県に、聞き取り調査した。その結果、18年度は種子法に代わる要綱を作成するなどして現行の体制を維持する方針。その上で、新たな制度や仕組みを設ける動きも出ている。
全国一の種もみ産地の富山県は18年度、新規事業で種もみ生産技術拠点の整備に着手する。民間や他県の育成品種の原種を病気のない状態で供給するため、隔離圃場(ほじょう)や検定温室を整備する。
埼玉県は18年度から、種子産地の強化と若返りを図る新規事業を始める。他産地との連携や共同乾燥施設の設置といった解決策を探る。若い生産者の掘り起こしや技術継承の方策なども検討して「産地強化計画」を作成する方針だ。
米産地の新潟県は、同法に代わり稲などの種子の安定生産と供給体制を維持する条例を作成する。2月に条例案を県議会に提出し、4月1日の施行を目指す。兵庫県も新たな条例の制定を進めており、4月1日の施行を目指す。北海道は18年度に現行の体制を維持しつつ、19年度以降に条例制定を含めて検討する方針だ。
都道府県から共通して「優良品種の維持と供給に行政の関与は不可欠」との声が上がった。この他、「地域の気候に適した独自の品種が求められ、育成者の県が主体的に関わることが不可欠」(東北の県)などと、行政が一定の役割を果たす意向が多数を占めた。「なぜ種子法を廃止したのか分からない」などとして、廃止理由に疑念を示す声もあった。
同法は1952年の公布以来、米、麦類、大豆の優良な種子の安定供給を都道府県に義務付けてきた。しかし、規制緩和を図る政府は17年、同法が「民間の品種開発意欲を阻害している」として廃止法案を成立させた。
農水省は同法廃止について17年11月、都道府県に対して通知を発出。「これまで実施してきた業務を直ちに取りやめることを求めていない」としつつ、種子生産について「民間の参入が進むまでの間、行政の知見を維持し、民間への知見提供を促進すること」とし、民間の参入を促す取り組みを求めている。
2018年03月21日
1月の輸出好調 ジャパン産で売り込め
農水省がまとめた1月の農林水産物・食品の輸出額は、前年同月比35%増の624億円と大きく伸びた。「2019年に1兆円」という政府目標の達成に向け、18年は好調な滑り出しを見せた格好だが、加工食品や水産物が中心という構図に変わりはない。農家の所得向上につながるよう、「ジャパン」産を前面に出して農産物輸出のてこ入れを急ぐべきだ。
1月の輸出額について、農産物の内訳を見ると、特に伸びが大きかったのは牛肉だ。前年同月から2倍の15億円。特に米国向けは3億円で87%増と大幅に伸びた。低関税で輸出できる枠(200トン)を満たす前に、前倒しで輸出が進んだ。昨年9月に輸出が解禁した台湾への牛肉輸出も3億8000万円と好調だった。
リンゴは7割増の32億円。これも春節に贈答用ニーズのある台湾向けが好調だった。この他には、米が32%増の2億5000万円、豚肉が52%増の6700万円と、額は小さいが大きく伸びた。
近年、農林水産物・食品の輸出は右肩上がりで伸びてきた。17年は8073億円で過去最高を更新。18年も出足は好調といえそうだが、楽観はできない。政府目標の達成には年率で1割以上伸ばす必要があり、今の勢いをこの先も持続する必要があるからだ。
さらに言えば、輸出額の中心は農産物ではなく、清涼飲料水などの加工食品や水産物で、全体の5割を占める。肝心の農家の所得向上に結び付けるには、農産物を重点的に伸ばしていく必要がある。
鍵を握るのが、全国の関係者が一丸となった「オールジャパン」の輸出体制の構築だ。
現在は都道府県単位やJA単位など、各産地がばらばらに輸出に取り組んでいるケースが少なくない。それを見直し、全国の産地がリレー出荷して年間を通して安定供給する。そして、それぞれが「○○県産」ではなく、「日本産」のジャパンブランドを統一して売り込んでいくことが欠かせない。
政府も手を打ってはいる。その一つが、昨年立ち上げた販売促進の司令塔「日本食品海外プロモーションセンター」(JFOODO)だ。牛肉を台湾、米粉を欧米など、7品目ごとに重点国を定め、集中的に売り込んでいく戦略だが、成果を出せるか、今年が試金石になる。
オールジャパンの輸出体制の構築と、検疫など輸出の壁となる海外の輸入規制の撤廃が、1兆円目標達成に必要な環境整備である。民間の努力には限界があり、政府は今後も支援を惜しむべきではない。
自民党は近く、小泉進次郎前農林部会長を中心に輸出拡大策の議論に着手、5月にも提言をまとめる。JAグループにより積極的な取り組みを促すことを検討しているというが、派手な改革の打ち出しより、地道で効果的な支援に期待したい。
2018年03月18日
16年産 業務用米販売4割 群馬・宮城が増 産地=高価格帯狙い 消費者=中食外食志向 事前契約の拡大呼び掛け 農水省
中食や外食向けに販売する業務用米の割合が2016年産は39%となり、前年産より2ポイント増えたことが、農水省の調べで分かった。県別では群馬や宮城が割合を高めたが、産地ごとの取り組みに大きな差がある。同省は「業務需要は拡大しているが、求める米の価格帯が実需者と産地側とで開きがある」(農産企画課)と指摘。双方が納得できる価格での取引へ、複数年など事前契約の拡大を呼び掛ける。
2018年03月18日
農政の新着記事
17年食肉加工品生産量 22年ぶり最多更新 小売り、業務販売好調 国産原料は2割
2017年の食肉加工品生産量が55万4262トンとなり、22年ぶりに過去最多を更新した。日本ハム・ソーセージ工業協同組合がまとめた。全体の4割を占めるウインナーソーセージや、健康志向から人気の鶏ムネ肉を蒸したサラダチキンがけん引した。しかし、原材料で見ると国産の使用割合は2割まで低下しており、市場の伸びを安価な外国産原料に奪われている。(鈴木薫子)
17年の食肉加工品の生産量は統計がある1993年以降で最も多かった。前年比3%増で、2年連続で前年を上回った。歳暮や中元などギフト需要は苦戦したものの、小売りや業務向けの販売が好調だった。同組合は「原材料となるシーズンドポーク(豚肉調製品)が使いやすい価格帯で輸入されており、生産量が増えた」と分析する。
種類別では、羊の腸に豚肉や牛肉を詰めた「ウインナーソーセージ」が5%増の23万9494トンだった。10年間で24%増え、生産量全体の43%を占めるまでになった。メーカー各社は、肉汁感にこだわった商品を投入して小売り向けの販売を伸ばした。外食など業務用も需要が広がっている。ウインナーソーセージなど13種類を含む「ソーセージ類」は前年比3%増の31万8802トン。
「ハム類」は6%増の11万1064トンだった。「ロースハム」が0・3%減の8万392トンと苦戦したが、サラダチキンを含む「その他ハム」が89%増の1万1542トンと、コンビニエンスストア向けを中心に需要が大きく伸びている。食肉メーカーは「利益率が高いため、販売を強化している」と話す。「ベーコン類」は4%増の9万5233トン。
加工品の生産量は95年(55万3771トン)をピークに、贈答需要や人口減の影響で消費が離れ、07年には48万トンに落ち込んでいた。近年は、付加価値を高めた商品の投入などで増加傾向にある。
同組合の調べでは、17年に生産した加工品の輸入原材料は食肉の生鮮品が33万トンで前年より4%、10年前より6%増えた。豚肉調製品は前年比8%増の12万トン、10年前の約2倍となった。米国やカナダ産が中心。国産は前年比3%減の12万トンで、供給が伸び悩む。国産原材料のシェアは約20%に低下している。
今後、通商交渉の影響でその傾向が一層進む恐れがある。欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)では、豚肉調製品の関税率が現行の10~20%から、段階的に引き下げられ、6年目に撤廃される。牛、豚肉の生鮮品も大幅に引き下げられる。環太平洋連携協定(TPP)11も同様だ。
2018年03月24日
FTA要望? 米発言が波紋 日本政府 明言避ける 野党は追及方針
日本に将来、自由貿易協定(FTA)を締結したいという要望を伝えた──。米政権幹部の発言に波紋が広がっている。米側とFTAについて議論はしていないというのが、日本政府の説明だったためだ。日本政府は今も明確な答弁を避けており、野党は国会で追及する方針だ。
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は21日の議会で、日本とのFTAについて「日本はTPP(環太平洋連携協定)の施行に向けたプロセスにあり、今はその時期でないと考える」と述べた一方、「適切な時期にFTAを結ぶことに関心があると日本に伝えている」と証言した。
米側はこれまでも日米経済対話や首脳会談などで「FTAを議論した」と説明してきた。そのたびに日本側は、それを明確に認めてこなかった経緯がある。
果たして、ライトハイザー氏の発言は事実なのか。茂木敏充TPP担当相は23日の閣議後の記者会見で、ライトハイザー氏の発言について「あくまで将来的な可能性について言及があった」と説明しただけで、直接は答えなかった。
斎藤健農相も会見で「私の方から申し上げる材料がない」と述べるにとどめた。
政府関係者は「仮にライトハイザー氏の発言が事実だったとしても、それは将来の話で、現在要求されたわけではない。それを『要求された』『議論した』とは言わない」とする。
野党からは「将来の話とはいえ、要望されたのであれば重大な話。議論していないという政府の説明はおかしい」(農林議員)として今後国会で追及する方針だ。
2018年03月24日
外資の農地取得調査 17年分から全国的に 農相方針
斎藤健農相は23日の参院農林水産委員会で、外資によって国内の農地が取得されていないかどうかについて、2017年分から全国的に調べる方針を示した。農地法では、外資を含めた企業の農地取得は認められておらず、これまでは調査してこなかったが、外資の関連法人が農地を借りて参入するなど、日本農業への関心を強めていることも踏まえ、実態を把握し直す。民進党の徳永エリ氏への答弁。
国内では近年、外資が出資して日本で設立した法人が、農地を借りて参入する事例が出ている。徳永氏は、こうした動きは今後も増えてくると指摘し、「(外資参入の)実態を農水省として把握しておく必要がある」と訴えた。
斎藤農相は、農地を所有できる法人は農業者の出資割合が過半である必要があることから、「農業者の意に反して、農地を取得した法人に外国資本が流入することは、基本的にない」と説明した。一方で、森林では外資による買収状況を毎年調べていることもあり、農地でも農地法の規定が順守されているかどうか、全国調査すると述べた。
一方、無所属の舟山康江氏は飼料用米の取引価格を、代替となる輸入トウモロコシと同等の1キロ20~30円と政府が説明していることについて「現実にはもっと安い」と指摘。斎藤農相は1月に飼料用米生産者や畜産農家など229件に聞き取り調査し、同価格帯で取引されていると確認したとする一方、流通経費などを引いた生産者手取りは同5円になる例もあると説明した。舟山氏は飼料用米の生産者に国の助成金が入ることを見越して、取引価格が引き下げられている可能性があるとし、取引実態を厳しくチェックするよう求めた。
徳永氏はまた、農産物の輸送トラックの運転手不足を背景に、北海道のジャガイモやタマネギの輸送を支える鉄道網の重要性が増していることを指摘。JR北海道が多くの線区で廃止を含めた見直しを検討していることについて、国土交通省の認識を質した。
同省の牧野京夫副大臣は、「物流を確保する方策も含めて検討する必要がある」と述べ、JR北海道が、線区の維持が困難な地域で進める住民との協議について、輸送網を維持する重要性を踏まえて、「積極的に関与していく」と述べた。
2018年03月24日
輸出1兆円達成へ 対策検討に着手 自民促進委
自民党は23日、農産物輸出促進対策委員会(小泉進次郎委員長)の初会合を開き、2019年に農林水産物・食品の輸出額を1兆円に引き上げる政府目標の達成に向けた対策の検討に着手した。5、6月に提言を取りまとめ、政府の19年度予算や今年末に改訂する政府の農業改革方針「農林水産業・地域の活力創造プラン」に反映させる。
2018年03月24日
米国向け牛肉輸出 異例のハイペース 月内にも低関税枠達成
2018年の米国向けの牛肉輸出が異例のハイペースで進み、日本に設定された低関税枠の200トンに早ければ月内に達することが分かった。今月19日までの通関量は既に低関税枠の93%を占める。外食で和牛が定着したことに加え、6月時点で達成した昨年以上に早い段階での達成が予想され、業者らが輸出を前倒しした。月末の着荷分から、関税が引き上げられる可能性がある。
2018年03月24日
配合飼料1100円上げ 全農
JA全農は23日、4~6月期の配合飼料の供給価格を、全国全畜種総平均で、前期(1~3月)に比べ1トン当たり約1100円上げると発表した。値上げは2期連続で、前年同期比でも1100円高。トウモロコシや大豆かす価格の上昇に加え、飼料に添加するビタミン類の価格急騰が影響した。1~3月期については、配合飼料価格安定制度による補填(ほてん)は発動しない見通しだ。
2018年03月24日
雪が解けたら 果樹に食害続々 ネズミ=幹周りで営巣 ウサギ=高所の花芽も
平年の2倍以上の積雪があった東北地方の日本海側で、ネズミやウサギによる果樹の食害が多発している。ネズミは積もった雪の下に営巣し、リンゴや桃などの樹木の幹や枝をかじる。ウサギは雪の高さを利用し、木の上にある花芽を食べる。被害は樹齢が1~3年の若い木に多く、中には枯死する木も出ている。積雪量が多いときに発生しやすい被害である一方、行政が発表する雪害被害には加算されず、「隠れた雪害」と指摘する声もある。(川崎学)
若木集中、枯死の恐れ 秋田県湯沢市
「今年は上の部分を食べられた」とつぶやくのは秋田県湯沢市のリンゴ農家、山下久悦さん(68)だ。山下さんは25アールでリンゴを栽培。例年もネズミに幹や枝をかじられたり、ウサギに花芽が食べられたりする被害が出るが、今年は倍以上の被害だという。
リンゴの木にはウサギに食べられたとみられる跡があり、木の周りにはネズミが掘った跡とみられる盛り土や、かじった後の木くずとふんが散らばっている。
山下さんは被害が拡大した要因に「積雪量の多さがある」と分析する。山下さんによると積雪量が多いと、食害防止用に巻いた袋の上の部分をネズミが食べる他、雪の重みで枝が垂れ下がり、ウサギが花芽を食べやすくなるという。
同市の22日正午現在の積雪量は42センチ(平年値18センチ)。果樹園には、今も平年の2・5倍の雪が残っている。被害の全容解明については「雪が消えるまで分からない。元に戻すのに、根を食べられたら10年、枝部分でも3年はかかる」と肩を落とす。
山形県南陽市
山形県南陽市の桃農家、辻直人さん(32)の園では、若い木に集中的に被害が発生した。樹齢1、2年ほどの若木26本のうち、6本が幹一周分をネズミに食べられた。他にも2、3本の木に被害が出ているという。昨年、被害に遭った木は1本だけだった。
気象庁によると、同市に程近い長井観測点の今年の積雪量は平年の2倍以上に達した。辻さんは凍害防止のための資材を木に巻いたが、ネズミが暖かさを求めて営巣し、被害に遭った可能性があるという。幹を一周分食べられた木が枯れるのは確実で、枯死するのを待つしかない。
辻さんは「根本的な対策がない。サクランボや西洋梨でも被害が出ているのではないか」と、今後の影響を懸念する。
「隠れた雪害」 研究進まず
雪害の実態に詳しい秋田県果樹試験場の森田泉場長は「果樹園でのネズミやウサギの食害について、共同研究を持ち掛けても難しいのが現状だ」と説明する。森田場長によると①雪が多い日本海側に多い独特の被害であり、国全体で見ると被害額が少ない②ネズミやウサギは繁殖力が強く、研究の的を絞りにくい──といった背景があり、イノシシや鹿など全国で被害が報告される獣に比べて研究が進んでいないという。
木が折れたり、ハウスが倒壊したりするなど雪が直接関係している被害については雪害の被害額として算出されているが、今回のようなネズミなどによる食害については算出されていない。森田場長は「積雪量が多い年に多く発生する傾向があり、目に見えない雪害」と指摘する。現状の解決策は、わなを仕掛けて全体数を減らすしかないという。
農業被害を研究する農研機構も「積雪が多いときにネズミやウサギの被害が出ることは知られており問題視もしているが、毎年起こる被害ではなく、研究するための環境が整っていない」と、研究が進まない背景を明かす。
ある農家は「イノシシなどは目に見えるが、ネズミは目に見えないうちに被害が広がっている。また、木が全滅するほどの被害が広がるわけではなく、農家も危機感が薄い」と、農家の意識向上や事前の対策も必要だと指摘する。
2018年03月23日
USTR代表 FTA交渉を要望 「日本に伝達」 両政府食い違い
米国通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は21日、議会下院歳入委員会の公聴会で「適切な時期に自由貿易協定(FTA)を結ぶことに関心があると日本に伝えている」と述べ、日本にFTA交渉を求めていると証言した。日本政府は環太平洋連携協定(TPP)への米国復帰を促す戦略で、米国からFTAの要求があったことは明確に認めていない。両政府の説明の食い違いが露呈した格好だ。
下院歳入委員会が行った貿易政策についての公聴会の冒頭で述べた。同時に提出された同氏の口述書でも「適切な時期にFTA交渉をしたいとの要望を日本に伝えている」とした。
ライトハイザー氏はTPP参加国のうち、米国と個別のFTAを結んでいない5カ国の中で「日本が最も重要だ」とも述べ、日本との交渉に意欲を示した。
米国政府は、貿易交渉の権限を政府に一任する大統領貿易促進権限(TPA)法の延長を議会に要請している。同氏の発言には、北米自由貿易協定(NAFTA)交渉や米韓FTA交渉に加え、経済規模の大きい日本との交渉への積極姿勢をアピールし、TPA法の更新に議会の理解を得たい思惑もあるとみられる。
日米の通商交渉を巡っては、昨年10月の麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領による第2回経済対話で、米国側からFTAへの「強い関心」が示されたとされるが、日本政府は公式には認めていない。安倍晋三首相も昨年11月に東京で行われた日米首脳会談の内容について「日米FTAに関するやりとりはなかった」と否定していた。
日米FTA交渉になれば、TPPに追加して米国から一層の市場開放を迫られる恐れが大きい。米国の通商交渉を担うライトハイザー氏が日本とのFTA交渉に意欲を示したことで、TPPへの米国復帰を促す日本の通商戦略の妥当性も改めて問われそうだ。
2018年03月23日
薬剤散布ドローン 36道県8299ヘクタールで防除 17年度 水稲が8割以上
2017年度に全国で薬剤散布ドローン(小型無人飛行機)を使った防除面積が8299ヘクタールに上ることが、農水省の調査で分かった。調査を始めた16年度(684ヘクタール)の12倍に跳ね上がり、品目では水稲が8割以上を占めた。薬剤散布ドローンは、産業用無人ヘリコプターが入りにくい小規模圃場(ほじょう)で活躍するため、動力噴霧機の代替として普及が進む。18年度は操縦不要の自動飛行も実用化される予定で、同省は一層の拡大を見込んでいる。
2018年03月22日
過疎地移住4倍増 10~15年過去5年比 農山漁村に関心動機
都市から過疎地域に移住する区域が急増している。都市住民の関心が農山村へ向かう「田園回帰」に関する総務省の調査研究会の報告で分かった。自分らしく暮らせる田園生活志向の高まりがうかがえる。
2018年03月22日