カスタマーレビュー

2017年6月3日
まず旧版と新訂版に共通することを述べる.

第17章までは, 第6章を除き, 代数学, 集合論, 位相空間論, 解析学, 解析的整数論, 微分幾何, 表現論など(で使われる多く)の数学を凝縮している. 第17章までは計算が多くない. 定義不足な面は少しだけあるが, インターネットで調べればすぐ分かる程度である. 初歩としては過不足がなく読みたい章からでも読める. 定義と定理が多く長くなる第18章以降は, 読みやすさのために同じ定義または定理を繰り返し述べている. 論理展開と記号は現代的である. 第6章で数学の論理を明確に述べているのは珍しい.

はじめに「自然現象と線型現象」と題して自己相似性と線型代数の考え方を提示する. 線型代数の入門書では, 多くが高校数学Bで学ぶ幾何ベクトルの復習から入るが, この本では高校数学Cにあった2×2行列を既知として, なぜ線型代数を学ぶ必要があるのか, 線型代数の考え方は何か, から始める. (高校数学Cの行列を含む線型代数の初歩については「高校数学+α 基礎と論理の物語」「高専の数学2」も参考になる. )

さらに抽象的に短くまとめた入門程度の線型代数を経て, 現代数学を構成する集合論を構成する.

そして解析学の本論が実数論から始まり, 位相空間論, 普通の微分を含むバナッハ空間における微分法, 積分法, ルベーグ積分, 線型位相空間, ボホナー積分, 振動積分, 擬微分作用素など, 解析学の最前線に至るまで接続している. 級数の章では, 冪級数の微分積分が先取りして扱われている. 複素解析を述べた本ではないが, 続くバナッハ空間における微分法の章では正則関数が解析的なことは述べられており, 関数と円周率の定義も複素解析的なもので鮮やかである. 物理学で重要な熱伝導方程式とシュレディンガー方程式とハミルトン-ヤコビ方程式が現れるのも良いと思う.

線型代数の章では, 名著「線型代数入門」(※1)に倣った箇所も少なくない印象がある. しかし, 有限次元線型空間の基底が一意的に定まることの誤りを含む証明(※2)は正しく言い換えられている.

順序数と濃度の章でも, 公理的集合論に沿った順序数の定義など和書としては珍しい内容がある. ここでは整列集合Sの切片Bを, 任意のx∈Sに対して B(x)={y∈S|y<x}, B[x]={y∈S|y≦x} とするとき ∃x∈S, B(x)⊆B あるいは B[x]⊆B となる空でない部分集合Bとして定義して, 命題の証明を見通し良くしている. 整列集合αが順序数かつx∈αならx={y∈α|y<x}かつxも順序数であることが, Qの切断による実数の構成の基になっている. (実数の連続性を示したときにRの完備な全順序体としての公理的定義にも言及している. )

位相空間の章におけるバナッハの不動点定理(縮小写像の原理)の提示と証明は偏微分方程式の適切性(初期値に連続して対応する充分滑らかで一意な解の存在問題)を意識していて感動した.

線型位相空間の章にある関数空間と超関数の理論は単体では読めない「非線型発展方程式の実解析的方法」(※3)を読む時にも参考になる. 超関数の空間の位相を, 線型位相空間の理論により厳密に定式化している. 超関数の使用者には不必要だろうけれど, 実数の構成と同じく数学の概念の存在を保証しているのだ.「実解析入門」の超関数の章に短くまとめてある, 超関数の空間の位相を基本近傍系で表現することによる入門書でよく採用される定義との整合性を, この本ではかなり詳しく証明も込めて解説している. ここには最も感動した.

超関数の定義域の空間(Ωにおける試験関数の成す空間)D(Ω)は線型位相空間の理論に従って構成している. 手元の位相空間論が書かれた本に片っ端から当たったが「帰納極限位相」は全く無かった. この本で「非線型発展方程式の実解析的方法」にあった謎の言葉の意味を知ることができた. (Ωはユークリッド空間R^dの開部分集合またはC^∞級多様体の開部分多様体. )

なるべく多くの内容を網羅すべく, 例は少なめだが, 数学の抽象的思考に慣れるためと考えることもできる. 数学の土台から無限と極限の究極の理論まで, この1冊で楽しく旅することができるのは実にすばらしい. 不思議と読みやすく感じる. 字が大きく適度に余白もある.

他にも内容は独特または貴重なものがよくある.

例えば, コンパクト集合上の連続関数が一様連続であること(定義域の任意の2点間で激しく変動しない連続性)の証明は, 背理法と選択公理によるものではなく, コンパクト性と連続性の定義に従うきれいなものである.

測度論では, ルベーグ積分の章の始め辺りで, 位相空間から自然に可測空間を作れることを定理にして明確にしている. その後に, 測度の例としてルベーグ測度が, 開区間と閉区間を含む最小の可算加法族の上の測度として表れて, 次に測度空間の完備性を述べて, 「ふつう」のルベーグ測度は, これを完備化したものであると再定義している. ルベーグ測度の定義が「ふつう」ではないが測度としては「ふつう」のルベーグ測度と同じである.

その次にそのルベーグ測度から誘導される外測度を定義して, カラテオドリによる可測性の定義を経て, いっぱんの場合も含め, 測度空間における測度から誘導される外測度を定義してカラテオドリによる可測性の定義を経由すれば, 完備な測度空間で最大の空間が得られ, 完備化と一致することを, 定理として掲げている.

「ふつう」は有限加法族の上の有限加法的測度から測度を構成して, その測度から外測度を定めて, カラテオドリによる可測性を経由して, 可算加法族となる可測集合族の上の完備な測度を構成する. 多くの入門書では, 有界な右半開区間または左半開区間の有限和の成す有限加法族からルベーグ測度を構成する.

いずれにせよ外測度を経由すると完備な測度空間を構成することができる. これも「数理物理学のための解析学概論」として書き納めるために選んだ方法なのだろう.

測度空間の構成には「外測度の劣加法性により『≦』は常に成り立つから『≧』を示せばよい」という多くの本で見かける不自然な論法を使わない. さらに構成の途中に「よく現れる天下り的で証明に帰納法を使わせる不等式」は論理の流れから自然に現れている結論なのである. かなりきれいな証明である. 測度空間とルベーグ積分の構成はあらゆる本の中で最も短く簡単に書いてあり, 直積測度空間の解説もあるが面倒な直積測度の構成はせず, 最小限の説明すべきことだけを書いてあるので読みやすい. (定理の証明に補足:(ルベーグ可測)集合A⊆Bとルベーグ測度m, ルベーグ外測度m*に対して, m(B)=m((B−A)∪A)=m(B−A)+m(A)≧m(A) ∴ m(A)≦m(B). 系として m*(A)≦m*(B), m*(A)≦m(B), m(A)<∞ならm(B−A)=m(B)−m(A). )

また ∫f(x)dx という記号を連続関数fの「任意の原始関数のうちのひとつを表す記号」と定義している. 高校数学のように「不定積分または原始関数」あるいは「任意の原始関数をまとめて表したもの」ではない. 原始関数の公式は「或る実定数Cが存在してF(x)+C=∫f(x)dx」という形に述べている. あいまいな所が無く良い定義だと感じた. (fが多変数の場合を含むときこの記号はユークリッド空間におけるルベーグ測度によるルベーグ積分を表す. )

新訂版に固有なことまたは関連することを書く.

内容が最も大きく変わったのは, 著者が序文で重要な話題とする台がコンパクトな超関数が新たに加筆されたことである.

しかし, 本書には集合の開近傍の定義が無い. 位相空間(X,O)においてK⊂Xの開近傍とはKを含むXの開集合(K⊆U∈OとなるU⊆X)を言う. なお解析学では点または集合の近傍と言えば基本的に開近傍を意味する. 閉近傍は「閉領域」「Kを含む有界閉集合」「Kを含むコンパクト集合」のように表現される. (解析学において関数の定義域は局所コンパクトなハウスドルフ空間であり, 局所コンパクトなハウスドルフ空間のコンパクトな部分集合は閉集合である. )

ユークリッド空間における定数係数線型偏微分作用素Pについて, Pu=δの解(Pの基本解)Eにより, 台がコンパクトな任意の超関数 f に対する方程式Pu=fの解uはEとfの合成積(畳み込み)u=E*fとして表される. 任意のPに対してEは超関数の成す空間(常用されている関数空間としては最も広い局所可積分関数の成す空間を含む)D'の中に必ず存在することが知られている. ゆえにu∈D'も必ず存在する. fがC^∞級関数であり台がコンパクトならば, uもC^∞級関数である. 系として, 任意のf∈D'に対するPu=fの閉包がコンパクトな開集合Ωにおける解u∈D'(Ω), 任意のf∈C^∞(Ω)に対するPu=fの閉包がΩでコンパクトな開集合ω⊂Ωにおける解u∈C^∞(ω)の存在も言える.

(超関数Eと台がコンパクトな超関数fの合成積 E*f∈D' は任意のφ∈Dに対して
〈E*f, φ〉=〈E(x),〈f(y), φ(x+y)〉〉
により定義されている.〈f(y), φ(x+y)〉がxの関数として∈Dだからである(※4). なお‪φ∈Dの変数をxとするときφ(x)に超関数f∈D'を作用させる( φ→f(φ) =〈f, φ〉を求める)ときはfをf(x)と書き〈f, φ〉を〈f(x), φ(x)〉と書く‬. 局所可積分関数とその関数が一意に定める超関数の同一視により, E∈L^1かつf∈C^∞の台がコンパクトなときxをx−yに置き換え, フビニの定理とルベーグ測度の平行移動不変性を用いると, 任意のφ∈Dに対して
∫(E*f)(x)φ(x)dx=∫(∫E(x−y)f(y)dy)φ(x)dx
が得られ変分法の基本補題よりE*fは通常の合成積
(E*f)(x)=∫E(x−y)f(y)dyとなる.
E∈D' かつ f∈Dの場合はC^∞級関数として
(E*f)(x) =〈E(y), f(x−y)〉
により定義されている. やはりE∈L^1であれば
(E*f)(x)=∫E(y)f(x−y)dy=∫E(x−y)f(y)dyとなる.
どちらも, より詳しくはヘルダーの不等式より
1≦p≦∞, 1/p+1/q=1
を満たす共役指数 p, q と u∈L^p, v∈L^q に対して
∫u(x)v(x)dx≦||u||_p||v||_q
だから, E∈L^p, f∈L^q であればよい. E∈L^pかつfがC^∞級関数で台がコンパクトなら自動的にf∈L^qとなる. )

これらは偏微分方程式論(※5)における基礎である. (超関数と偏微分方程式については, 谷島「物理数学入門」も参考にした. さらに緩増加超関数の概念は擬微分作用素の定義に用いられる振動積分の定義を理解する補助にもなる. )

以下, 旧版と新訂版の, 自明ではない箇所に関して考え得た結論について.

線型位相空間の章に, 自明ではなく証明がない命題があるので, 自作証明を写真で紹介しておく.
(帰納的極限の定義で, {S_α}_(α∈A)の和集合Sを直和Σ_(α∈A)S_αと仮定するのは, {S_α}_(α∈A)の帰納的極限が一意に存在するためである. D(Ω)は, 集合としては台がΩでコンパクトなC^∞級関数の成す集合((C^∞)_0)(Ω)に一致し, 位相は帰納極限位相が入る. ゆえにD(Ω)の一意性は, S=Σ_(K∈A)(D_K)(Ω)という仮定を使わずD(Ω)=lim_(K→Ω)(D_K)(Ω)が集合としては((C^∞)_0)(Ω)に一致することを証明すれば, 定理として得られる. また標準写像(標準的射影)p:(D_K)(Ω)∋φ→p(φ)=[φ]=φ∈D(Ω)は(D_K)(Ω)-代数の構造射である. )

帰納的極限の定義の自作図説, 台がコンパクトな超関数の重要な定理(447頁の定理17.17)についての自作正誤表の写真は, 商品ページまたはPCサイトから確認していただきたい. (前者の普遍射Fは環論の準同型定理も参考になる. )

微分の定義式よりバナッハ空間Vからバナッハ空間Wへのx∈Vにおいて微分可能な写像fの微分Df(x)∈B(V, W)は写像f自体のxにおける変化率, u∈Vに対してDf(x)(u)∈Wは関数または関数値f(x)∈Wのuにおける変化率である.

バナッハ空間Vからバナッハ空間Wへのx∈Vにおいて2回微分可能な写像fの2階微分(D^2)f(x)∈B(V, B(V, W))が
双線型写像(D^2)f(x):V×V→W
とみなせることは, 微分の定義式より任意のu∈Vに対して(D^2)f(x)(u)∈B(V, W)だから,

任意のv∈Vを固定すると
((D^2)f(x)(u))(v):V∋u→((D^2)f(x)(u))(v)∈Wはuについて線型写像
かつ
任意のu∈Vを固定すると
((D^2)f(x)(u))(v):V∋v→((D^2)f(x)(u))(v)∈Wはvについて線型写像,

ゆえに(D^2)f(x)を変数がuとvのWへの写像
(D^2)f(x)(u, v):V×V∋(u, v)→(D^2)f(x)(u, v)∈W
として定義できることによる. 具体的には
(D^2)f(x)(u, v)=((D^2)f(x)(u))(v)
とすればよい.

「2回微分可能な関数の2階偏導関数の値は偏微分の順序によらない」ことの証明では(u, v)がuvと書かれている. 証明は
∀u, v∈V, ∀ε>0, ||(D^2)f(x_0)uv-(D^2)f(x_0)vu||
<4ε(||u||+||v||)^2=4((||u||+||v||)^2)ε
でありεは任意に小さくできることにより終わる.
(点x_0における関数fの, ベクトルu方向の変化率のベクトルv方向の変化率
((D^2)f(x_0)(u))(v)=((D^2)f(x_0)(v))(u)であるから. )

例えば‪, fがR^2の領域Dにおける実数値C^2級関数なら点(a, b)∈Dにおけるfの2階偏導関数の値は‬,

滑らかな曲面S={(x, y, z)∈R^3| z=f(x, y), (x, y)∈D}の点(a, y, f(a, y))における接平面の(x, 0)方向の傾き‬
‪(∂f/∂x)(a, y)‬
‪の(0, y)方向の傾き‬
‪((∂/∂y)(∂f/∂x))(a, b)‬=((∂^2)f/(∂y∂x))(a, b)
‪と, xとyおよびaとbを適材適所で入れ替えたもの
((∂/∂x)(∂f/∂y))(a, b)‬=((∂^2)f/(∂x∂y))(a, b)
があり, S上で(∂f/∂x)(a, y)および(∂f/∂y)(x, b)が(0, y)方向および(x, 0)方向に連続的に変化していくから, 図形的には点(a, b)においてこれらは等しいことが分かる.

(※1)-(※2)-(※3)-(※4)-(※5) コメントに詳しいことを書いておきました。

レビュー(とコメント)が参考またはヒントになれば幸いです。(2018年3月9日完成)
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20コメント20件| 59人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告| 常設リンク
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Dr. Kazuyoshi Katogi4時間前 (編集済み)
なお、これは警察の方から伺ったことですが、相手に対して繰り返し、訴訟をチラつかせて恫喝する行為は、刑法第222条の脅迫の罪に問われる場合があるそうです。PDE-M俊太郎氏には、理性と良識に基づく、節度あるコメントを望みます。
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Dr. Kazuyoshi Katogi2時間前 (編集済み)
名誉毀損は刑事上の犯罪なので、その立件は警察による司法捜査を介するものですが、刑法第230条の二に例外規定があり、もっぱら公共の利益を図る目的で事実を述べたものについては、名誉毀損で罰することはできません。私の行動が名誉毀損に当てはまらないことは、先の長文コメントにも述べた通りです。また、この件について、名誉毀損で刑事告訴ないしは刑事告発が行われれば、警察は、私の発言の真偽を確かめるために、私だけではなく、必ず、現代数学社の編集長にも事情を聞くはずです。その時には、現代数学社に対して、例の『愛読者』から送りつけられた、100通以上の手紙や、現代数学社へ再三にわたってなされた、北田先生の著書の書き換えの要求についても、編集長は警察に証言し、また、証拠を出すでしょう。というより、警察が現代数学社から証拠として、それら 100通以上の手紙を押収するはずです。最後に、これは不本意なことなのですが、この件につきまして、私のことを誰かがどうしても名誉毀損で刑事告訴するならば、そのときには、私も、その人物を誣告罪で反訴するつもりでいることを、申し添えておきます。というより、私も自分の名誉を守るために、そうせざるを得ません。
返答を残す

Dr. Kazuyoshi Katogi7時間前 (編集済み)
新訂版『数理解析概論』が北田先生以外の他の人物との『合作』ではないことは、すでに PDE-M 俊太郎氏は、(削除されたコメントの中でですが、)『それは私も承知している事実です』とおっしゃっています。ご本人が承知しており、しかもそれは事実なのですから、名誉毀損にはなりません。
返答を残す

PDE-M俊太郎9時間前 (編集済み)返信先:以前の投稿
Dr. Kazuyoshi Katogi5時間前
新訂版『数理解析学概論』については、過去に『合作』という不名誉な噂が出ており、PDE-M 俊太郎さんからも、合作についての真偽を出版社に確認するべきだとおっしゃられていましたので、(これらのコメントはすでに削除されているのですが)誤解を招かぬよう、私が昨日電話で出版社の現代数学社に問い合わせ、編集長さんからお答えいただいた内容について、詳しく事情を説明します。

現代数学社の編集長の話によると、新訂版『数理解析学概論』(旧版かもしれない)を大変熱心に愛読されている読者の方が一人おり、その読者の方は編集部に対し、誤植の訂正などと称する手紙を、これまでに 100通以上送りつけてきているそうです。また、現代数学社は、その読者の方から、『俺の名前をその本に載せろ』とか『俺のことを序文に書け』などをはじめとする、本の内容についての書き換えの要求も、再三にわたって受けてきているそうです。出版社としては、本を愛読していただけるのはいいことなのですが、ここまで度がすぎると、読者からの手紙を受け取ること自体は、出版社側は拒絶できないこともあり、対応に困っているとの、編集長のお話でした。編集長によれば、その読者の方は、自分の気に入るように北田先生の本を書き換えないと気が済まないのであろうとのことでした。『合作』の噂も、この事情が元になって発したものです。

しかしながら、現代数学社編集長によると、この新訂版『数理解析学概論』の内容については、100%、北田先生によって書かれたものであり、その読者の方についてはもとより、北田先生以外の他の者とは全くの無関係であるとのことでした。また、今後版を重ねるにあたって、著者の北田先生が亡くなられていることもあり、新訂版『数理解析学概論』の内容を書き変えるつもりは全くないので、安心して購入されてください、とのことでした。そういう意味で、新訂版『数理解析学概論』が北田先生以外の誰か他の者との合作であることはありえないとの esrever0821 氏のご指摘は全くの事実であり、その事実については参考になりましたと、私は発言したのであり、本の序文の中に誰の名前が掲載されているかなどについては、私はこれまでに、何も申し上げておりません。なお、出版の世界では、「合作」と言ったら、「共著」の意味であるとの、現代数学社編集長からのお言葉でした。実際に、新訂版『数理解析学概論』の著者も、北田先生一人だけです。もちろん、新訂版『数理解析概論』が北田先生以外の者との合作ではないことは、すでに削除されている PDE-M 俊太郎さんのコメントにもありましたように、『それは私も承知している事実です』とのことです。

私は今回、新訂版『数理解析学概論』が『合作』であるかどうかの、不名誉な噂の真偽を確かめるために、すなわち、もっぱら公共の利益を図るために、現代数学社に問い合わせをしたので、この行動は正常者ならば誰が見ても社会正義に叶っていることがわかるはずです。これら私のコメントは法律上は名誉毀損には当てはまりません。公共の利益のために、もっぱら事実を述べたものについては、名誉毀損は適用できません。私のコメントは、現代数学社の編集長からのご説明そのままの事実を述べたに過ぎません。嫌がらせなどとは、思いもよらないことです。しかし、一方で、現代数学社に対して、北田先生の著書の書き換えを執拗に迫っている人物がいると編集長から聞かされて、まさかそんなことがと、正直驚いております。私は、数学を専門的に研究したことのある身としても、このような理不尽な要求は、決して通してはならないと考えております。

最後に、この件につきましては、私からの問い合わせに答えてくださった、現代数学社の編集長様に、深く御礼を申し上げます。と同時に、著者の北田均先生のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
事実と事実ではないことや私の発言と無関係なことが入り混じっているので整理された発言とは言えないです。
また事実を述べたものでも名誉毀損は成立します。
それと、もう題名は変更したのでこの問題は解決したはず。コメント欄を荒らさないでもらいたいです。
返答を残す

esrever082116時間前返信先:以前の投稿
Dr. Kazuyoshi Katogi5時間前
新訂版『数理解析学概論』については、過去に『合作』という不名誉な噂が出ており、PDE-M 俊太郎さんからも、合作についての真偽を出版社に確認するべきだとおっしゃられていましたので、(これらのコメントはすでに削除されているのですが)誤解を招かぬよう、私が昨日電話で出版社の現代数学社に問い合わせ、編集長さんからお答えいただいた内容について、詳しく事情を説明します。

現代数学社の編集長の話によると、新訂版『数理解析学概論』(旧版かもしれない)を大変熱心に愛読されている読者の方が一人おり、その読者の方は編集部に対し、誤植の訂正などと称する手紙を、これまでに 100通以上送りつけてきているそうです。また、現代数学社は、その読者の方から、『俺の名前をその本に載せろ』とか『俺のことを序文に書け』などをはじめとする、本の内容についての書き換えの要求も、再三にわたって受けてきているそうです。出版社としては、本を愛読していただけるのはいいことなのですが、ここまで度がすぎると、読者からの手紙を受け取ること自体は、出版社側は拒絶できないこともあり、対応に困っているとの、編集長のお話でした。編集長によれば、その読者の方は、自分の気に入るように北田先生の本を書き換えないと気が済まないのであろうとのことでした。『合作』の噂も、この事情が元になって発したものです。

しかしながら、現代数学社編集長によると、この新訂版『数理解析学概論』の内容については、100%、北田先生によって書かれたものであり、その読者の方についてはもとより、北田先生以外の他の者とは全くの無関係であるとのことでした。また、今後版を重ねるにあたって、著者の北田先生が亡くなられていることもあり、新訂版『数理解析学概論』の内容を書き変えるつもりは全くないので、安心して購入されてください、とのことでした。そういう意味で、新訂版『数理解析学概論』が北田先生以外の誰か他の者との合作であることはありえないとの esrever0821 氏のご指摘は全くの事実であり、その事実については参考になりましたと、私は発言したのであり、本の序文の中に誰の名前が掲載されているかなどについては、私はこれまでに、何も申し上げておりません。なお、出版の世界では、「合作」と言ったら、「共著」の意味であるとの、現代数学社編集長からのお言葉でした。実際に、新訂版『数理解析学概論』の著者も、北田先生一人だけです。もちろん、新訂版『数理解析概論』が北田先生以外の者との合作ではないことは、すでに削除されている PDE-M 俊太郎さんのコメントにもありましたように、『それは私も承知している事実です』とのことです。

私は今回、新訂版『数理解析学概論』が『合作』であるかどうかの、不名誉な噂の真偽を確かめるために、すなわち、もっぱら公共の利益を図るために、現代数学社に問い合わせをしたので、この行動は正常者ならば誰が見ても社会正義に叶っていることがわかるはずです。これら私のコメントは法律上は名誉毀損には当てはまりません。公共の利益のために、もっぱら事実を述べたものについては、名誉毀損は適用できません。私のコメントは、現代数学社の編集長からのご説明そのままの事実を述べたに過ぎません。嫌がらせなどとは、思いもよらないことです。しかし、一方で、現代数学社に対して、北田先生の著書の書き換えを執拗に迫っている人物がいると編集長から聞かされて、まさかそんなことがと、正直驚いております。私は、数学を専門的に研究したことのある身としても、このような理不尽な要求は、決して通してはならないと考えております。

最後に、この件につきましては、私からの問い合わせに答えてくださった、現代数学社の編集長様に、深く御礼を申し上げます。と同時に、著者の北田均先生のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
当然のことであるとはいえ、毅然とした態度を貫く現代数学社編集長に深い敬意を表する。
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