文大統領「ベトナムとの不幸な歴史に遺憾の意」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は23日、ベトナム・ハノイで行われたチャン・ダイ・クアン国家主席との首脳会談で、「私たちの心に残っている両国間の不幸な歴史について遺憾の意を表する」と述べた。文大統領が表明した「遺憾の意」とは、韓国のベトナム戦争参戦のことだと見られる。文大統領は「未来志向的な協力を促進するため、両国が共に力を合わせて行くことを希望する」とも述べた。

 これに対してクアン国家主席は「ベトナム戦争という過去の歴史に対する韓国政府の誠意を高く評価する。過去の痛みを癒し、両国間の友好関係を強固にし、相互協力を強化するために、韓国政府が努力するよう願う」と述べた。韓国大統領府関係者は「参戦と不幸な歴史に対する包括的な意味での遺憾の意だ。真相調査や賠償につながる公式謝罪ではない」としている。

 文大統領は昨年11月、ベトナムで行われた「ホーチミン・慶州世界文化エキスポ2017」のの映像メッセージでも「韓国はベトナムに『心の借り』がある」と述べた。これまでの大統領経験者たちも1992年にベトナムとの国交が正常化して以降、公式謝罪の代わりにさまざまな方法でベトナム戦争参戦に関して遺憾の意を表明してきた。金大中(キム・デジュン)元大統領は2001年、「不本意ながらベトナム国民に苦痛を与えたことに対して申し訳なく思っている」と、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は04年にホー・チ・ミン廟(びょう)を訪れた後、「韓国国民が心の借りがある」と述べた。大統領府側は「文大統領の遺憾の意発言も歴代大統領の発言の延長線上にある」としている。