2012/12/07(Fri)
包茎美青年
いつもとは違う銭湯に来た。割と小じんまりとしたこの銭湯は、時代の流れか平日の昼間ともなると人の入りは決して良くはない。ただ、いつも美しい男の裸にコソコソ見とれるのも、なんだか虚しい気がして、今日は若い男がいなさそうな時間に、あえて来たわけだ。
昔ながらの番台のある銭湯。婆さんと言うには少し早い年頃の女性が座る。こういうところも、今の若い者達が敬遠する理由なんだろう。
ところがだ、男湯ののれんをくぐって、私のもくろみはすぐに消えた。上がったばかりだろうか?後ろ向きでもとても見栄えのする若い男が鏡の前に立っている。肩にバスタオルをかけ、洗った髪をドライヤーで乾かしながら。
綺麗な逆三角形の背中はしなやかな筋肉で、体はまだ少し濡れていた。鏡に映る前面も程よい厚みの胸で、バランスよく盛り上がった肩から図ったような太さの腕が伸びる。汗か湯かジンマリと体を照らす水分が、洗面台のライトに美しいカラダを浮かび上がらせる。鏡はちょうど青年の股間の部分までをクッキリと写し出し、そしてソコには熟れた色の性器と睾丸がぶら下がっている。毛も男っぽく生え揃い十分な密度と美しい面積だ。水着の日焼け跡が、また彼を彩る。
ところがよく見ればその性器は、美しい大人の男のカラダとは反対に分厚い皮を被っている。私が若い頃は恥じるべきとされていたその様を、彼はまったく隠す様子もなく堂々と鏡に写したまま立っている。勃起した時に役に立つのであればそれでイイということか。
もしも私に勇気があり、そして少し強気になれるのであれば、彼の後ろに立ち
「デカクて随分黒ずんでる割には包茎か?オナニーのし過ぎじゃないのか?ほら、こんな恥ずかしい姿が写ってるぞ。」
と彼を弄べるモノを。。。
しかし彼は、こんな奥手の私にさえそう思わせるほど厭らしい青年だった。いや、勝手にそう見ているコチラがイケないのだが。
彼らが憎らしくて愛おしいのは、その自分の嫌らしさを知らないところかも知れない。特にこんな男湯の中で自分の裸なんかにはなんの価値もないと思っているだろうと言うところが。異性の体だけが性交の対象だと思っているところが。まったく普通の状態の、その皮を被った性器が、どんなに魅力的なのかを。。。