先日のおはなし。
しかしボーリングというものは点数を競い合ってこそ楽しめるものだろう。
なのでボーリング場に隣接されているゲーセンで暇そうにしてる人に声をかけて一緒にやろうと思ったのだ。
(注:このときの俺はボーリングがやりたすぎて頭がどうにかしていたわけで、普段からこんなコミュ力を持っているわけではない)
一人目に声をかけたのは小太りの男だった。
「すいません。そこでボーリングをやろうと思っているんですが、お金を出すんで一緒にやりませんか?」
「え、ボーリング?ごめんね〜、僕これやってるんで」
と目の前のカードのようなものを使って遊ぶゲーム機を指さした。
俺は泣きたくなる気持ちをぐっと抑え、このまま間が開くともう誰にも話しかけられると思い、すぐそばにいる女の子(みたところ20歳ぐらいか)に声をかけた。
「すいません!そこのボーリング場でボーリングしたいんですけど、一人で寂しいんでボーリングしませんか。お金は払うんで…」
驚いた。もう諦めかけていたところなのに一緒にやってくれる人がいるとは。しかも女の子。(下心がないはずないだろう?)
彼女はズタボロのズボン(ファッションか?)を履いている人物で、とても眠そうな顔をしていた。
その後も彼女はとてもボーリングがうまく(俺が下手なだけか?)、俺は大差をつけられることになる。
聞いてみたところ、ボーリングは子供の頃にやって今回が久しぶりだという…。
しばらく無言で投げ続けていた俺達だが、空気が悪いと思い、俺はこのボーリングの料金は支払うと言った。
しかし彼女は会ったときから変わらずムッとした表情で「おごられるのは嫌い」という。
そうかそれは悪いことを言ったなと思い俺の7フレーム目の第一投…ガーター。
彼女は「またガーター。そこまでガーターするの逆にすごいよ。わざとやってるの?」と言って笑っていた。
ちなみにわざとやっているわけがない。
彼女の職業を聞くと、このモールの眼科で看護師をやっているという。
看護師と聞いて驚いた。彼女は言葉の端に棘があるのだ。しかし決して不快になる棘ではなく、むしろ尊重が見えているので心地の良い棘だった。
大学生ぐらいの年に見えたが自分と同じぐらいの歳なのも驚いた。
その後もう1ゲームやったあと(当然俺の完敗)、連絡先を交換して帰路についた。
帰る途中に車で橋を登ったが、夕日が綺麗で目に滲みた。
コミュ力カンストしてそう