アン・オーの名は、アイラ島の最南端にあるオー岬を由来としています。
岬の崖は、長年の雨風によって丸みを帯びた形状になっています。
その形状になぞらえ、アードベッグならではの強烈なピートにまろやかさを同居させたヴァッティングを行っているということです。
使用される原酒は、甘みをもたらすペドロ・ヒメネス樽、スパイシーさをもたらす新樽、そしてレギュラーのTENにも使われるファーストフィルのバーボン樽の3種類です。
まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は明るい黄金色、香りはアイラモルトらしい正露丸のようなピートと、レモンの爽やかな香りがします。
口に含むと、グラスで香った正露丸とレモンが一気に広がり、スモーキー感もしっかり広がります。
その後はレーズン、バニラが後を追うように感じ取れます。
味わいは酸味がメインで、アルコール由来の辛さは思ったほど強くありません。
ロックにすると、ピートが鼻を一気に突き抜けるように感じられます。加水が進むとピートが抑えられ、シナモンのスパイシーな香りが目立ってきます。
ストレートで香ったレーズンやバニラは、飲んだ後の残り香として刻まれてきます。
味わいはストレート以上に酸味が強まった印象です。
最後にハイボールにすると、スモーキーな香りが口に一気に広がり、奥からレモン、シナモン、ブドウが付いてきます。
味わいは若干の酸味と共にビターが目立ちます。
全体的に、レギュラーのTENと比べると、シェリー樽原酒のレーズンの香りが加わり、幅が広がった印象を受けます。
一方で強烈なピートは健在で、ハイボールにしても砕けません。
それでもTENよりは角を丸めた印象があり、若干ながらソフトかな、と言う印象です。
700mL、アルコール度数46度、価格は7000円ほど。
ウーガダール、コリーヴレッカンとほぼ同じ価格ですが、十分それらに匹敵する価値はあると言えます。
<個人的評価>
- 香り A: 独特のピートはTENよりちょっと抑えめか。その後にレモン、レーズン、バニラが続く。加水することでシナモンも訪れる。
- 味わい A: 全体的に酸味がメイン。46度の割にアルコールの辛みは少ない。
- 総評 A: アードベッグとしては少々まろやか。だがウイスキー全体から見れば十二分にスモーキー。
アードベッグ アン・オー 700ml 46.6度 正規 箱付 |
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