[GDC 2018]ローグライクなゲームシステムを搭載したミニマリスト風RTS「Bad North」が初公開
Plausible Conceptとは聞き慣れない開発チームだが,Ubisoft Massiveで「ディビジョン」の開発に携わったオスカー・ストルべリ(Oskar Stalberg)氏と,Tarsier Studiosで「LITTLE NIGHTMARES-リトルナイトメア-」を手掛けたリチャード・メレディス(Richard Meredith)氏,そしてRaw Furyがリリースした「GoNNER」のBGMを担当した経験を持つマーティン・クウォール(Martin Kvale)氏の3人が独立して設立したばかりのスタジオだ。
そんなスタジオの処女作となるのが,彼らの過去作品とは随分と印象の異なる,非常にミニマリストなアートとゲームプレイを併せ持った「Bad North」なのだ。
「Bad North」は,少数の英雄に守られながら,バイキングに追われるままに島から島へと逃げ延びる一団を描いている。戦いに勝ってもバイキングの侵攻は止められないと判断し,次の安住の地を求めて移住を続けるという趣向になっているようで,マップの構成及び1つ1つのマップの形状,そしてオブジェクトの配置や出現する英雄は,すべてランダムに生成されるという。
それぞれの島は高低差があるが,ユニットの歩行可能な場所は四角いタイル状で表示される。また,その平地面積によっていくつかの家屋もジェネレートされるという具合だ。
四方の海から船に乗ってやってくるバイキングは,基本的にはプレイヤーのユニットよりも家屋を狙うAIになっており,家屋を守り切ることで資金を得て,ヒーローの新しいスキルをアンロックしていくというプレイサイクルになる。
今回のデモでは,歩兵団を率いるIndurと,弓兵部隊のFandurの2人の英雄のみでスタートした。ゲーム開始時点では,この歩兵と弓兵ユニットの2つのみというセットアップに変化はないが,英雄の顔や名称もランダムで決まる。
ミッションを進めていくうえで新しい英雄が加わることもあるが,ミッションの終了時点でバイキングに殲滅させられたユニットと英雄は永久に死んだままという,ローグライクな要素も垣間見られた。すべての英雄を失った時点でゲームオーバーとなる。
本作の面白いところは,ほとんど自動的に戦闘を処理してくれるという部分だ。プレイヤーがやることと言えば,沖合いから侵攻してくるバイキングの方角に合わせてユニットの配置を変えるくらいである。
アートワークだけでなく,ゲームシステムまでもミニマリスト風に単純化されているところに,このゲームに対する開発者のこだわりも伝わってくるが,単純だから簡単というわけでもない。5分程度で終わるミッションの中で,相手の動きを見切れなかったりユニットの配置を間違えてしまったりすると,あっいう間に潮目が変わって負けてしまうのだ。
白兵戦に弱い弓兵を前線に置きっぱなしにして,相手の歩兵に全滅させられたり,槍兵に守らせていた場所を敵が迂回し,そのまま山頂の家屋に向かってしまったため,守り切れなかったりと,少しのミスや油断がゲームオーバーにつながるというシビアな部分も確認できた。
今回のデモはPC版とSwitch版で行われたが,その簡素なコントロール性からSwitchの携帯モードとは非常に相性が良さそうだ。日本での展開については不明だが,英雄のスキルツリー以外に細かいマネージメントは必要なく,それでいて繰り返し楽しめるゲームに仕上がりつつあるようなので,2018年内の発売を楽しみに待ちたい。
「Bad North」公式サイト
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