ミャンマー生まれの蓮(ハス)の糸
蓮の糸とは… 蓮の葉の茎を折ると、その切り口から無数の細い糸が出てくる。 蓮の茎には維管束があって、その導管の壁が螺旋状の繊維になっている。 この繊維が解けてくり出されてくるのである。 それぞれが一本の糸に見えるが、顕微鏡で見るとこれらは3~4から20条の繊細な無色の繊維からなっている。一本のレンコンの横断面を見ると、肉眼で見える導管が2~300個あるから、実に数千本の繊細な糸が集まって一本の蓮糸を作る事ができる。 …という構造で出来ていて、蓮の茎を10センチほどの長さで折り、引っ張ると出てくる細い繊維を板の上で撚り重ねていくという気の遠くなるような工程で作られるものです。
糸自体は薄い緑褐色をしていてカサカサとした質感ですが麻ほど堅くなく、布に織って使い込んでいくと例えようがないほど柔らかな手触りとなり、これが蓮の糸の最も特徴的な点だと思います。しかし引っ張ってみると和紙を撚って作った紙縒り(こより)を頼りなくしたような感触で、プツッとすぐに切れてしまいます。
写真上が太番手の座繰り糸で経糸に併せ、下が真綿から引き出した紬糸で緯糸に併せます。
・・・続く。
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by kageyama_kobo
| 2008-09-10 21:27
| 染めと織りの素材