今あなたが転職をしたいと思っているならば、いくつかの転職方法を検討しているだろう。
その中で「転職エージェントが何となく良さそう」と考えてはいないだろうか。
もしくは「転職エージェントってよく知らないけど、本当にいいの?」と疑問を持っている人もいるだろう。
結論からいうと転職エージェントをうまく活用すれば、転職でのキャリアアップも可能だ。
実際に転職エージェントは転職希望者の間で急速に広まってきている。
独立行政法人・労働政策研究・研修機構が2015年に発表した内容によれば、2012年には転職エージェント利用による転職者が17万人を超えている。
しかし転職エージェントを活用してのキャリアアップには
- あなたが転職エージェントを使っての転職に適している
- あなたを正しくフォローしてくれる転職エージェントと出会える
事が絶対条件だ。
あなたは、転職エージェントの宣伝文句を鵜呑みにして「転職をサポートしてくれるプロフェッショナルの集団」と思っていないだろうか?
実は転職エージェントには、人材業界に入ったばかりの素人同然のエージェントも多いのだ。
そういった転職エージェントに当たってしまうと「転職することで逆に不幸になってしまう」というケースもある。
エージェントを使うだけで理想の転職が叶うというのは大きな間違いだ。
転職エージェントを使って、不幸になってしまった事例としては以下のようなことがある。
- エージェントに強く勧められるまま入社したが、給料・労働条件ともに前職より劣悪だった
- 営業職を志望していたのに、入ってみると事務職をさせられる事になった
- 入社以降、明らかにハイレベルの仕事を求められ、居心地が悪くなってしまった
- ブラックな企業にネジ込まれた結果、転職を繰り返すようになってしまった
筆者が転職エージェントを運営して10年以上になるが、相談に来る方や業界関係者と話していると
「転職エージェントの仕組みは何となくイメージできるけど、細かいことまではよく分からない」
という転職者が非常に多い。
他人からリアルな評判や濃い体験談を聞くことが少ないからだ。
転職で難しいのが「なかなか周りの人に相談できない」ということ。同じ会社の人に相談して、いつどこで広まるか分かったものではない。
そこに落とし穴が存在する。
※ちなみに筆者が転職希望者10名に聞いたところ、9名が「とりあえずでエージェントに登録した」事を後悔する発言をしていた。
そのため今回は、転職エージェント歴10年になる筆者が、業界の裏側にまで切り込んで
- 転職エージェントの仕組みと裏事情
- 転職エージェントの本音のメリット・デメリット
- 転職エージェントの正しい選び方とオススメエージェント
を解説しよう。
転職エージェントの話は難しいと思う人がいるかもしれないが、6分ほどあれば仕組みから選び方まで理解できる。
転職という人生の一大イベントにおいて、それだけの価値は提供できる記事だと思っている。
難しい話もなるべく簡単にまとめたので、ぜひ気楽に読み進めてほしい。
転職エージェント、総合的にここがオススメ!
「転職エージェントとは何?」を知る前に、どの転職エージェントが良いのかを一番知りたい人もいるだろう。
これは業界の裏側も見てきた筆者の主観によって、大手転職エージェントを評価したチャート一覧だ。
本チャートの評価項目
- 求人数(公開・非公開含む)
- 企業とのパイプの強さ(主観的評価)
- 転職実績(公式情報含む主観的評価)
- サポートの強さ(主観的評価)
- 利用者の評価(知人含む顧客・利用者に無作為ヒアリング)
エージェントによって、それぞれ特性がある事が見ていただけると思う。
その結果から、総合的にオススメできる順に並べてみたランキングがこちら。
オススメの転職エージェントランキング
- ビズリーチ
- パソナキャリア
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
- JACリクルートメント
- DODAエージェントサービス
1分でわかる、転職エージェントの仕組み
あなたは転職エージェントの仕組みについて、どれくらい理解しているだろうか。
「転職者に企業を紹介してくれるエージェント」
その認識があれば、まずは大丈夫だ。
ただ最初にお伝えしたように、転職エージェントの裏の仕組みまで知っておけば
- 言われるがままにして転職に失敗する
- 自分のためにならないエージェントを選んでしまう
といった事を高い可能性で避けられる。
転職エージェントの仕組みを解説したこの図を見てほしい。
転職エージェントの仕組み
転職エージェント利用の流れ
転職エージェントは、転職者と企業をつなぐ存在だ。それぞれに以下のサービスを提供している。
- 転職者向け:転職先となる企業を紹介・選考のサポートをしてくれる
- 企業向け:転職者を紹介してくれる
転職者/企業双方にメリットがあるwin-winのシステムなので、転職の有効な方法として順調に浸透してきている。
今すぐ転職エージェント登録のステップを知りたい方はこちらも参考に
エージェントは企業からの成果報酬で成り立っている
その見返りとして、入社が決まった場合に企業から成果報酬を受け取る事で成り立っている。
そのため、転職者は一部を除いて全てのサービスを無料で利用できる。
※ビズリーチなど、一部のハイクラス向けエージェントは、サポート費用がかかる。
転職エージェントには3つの種類がある
そして、転職エージェントには大きく分けて3つの種類がある。
- 大手エージェント
- 中小エージェント
- 中小の特化型エージェント
それぞれの特徴を表にまとめてみた。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 大手エージェント | 求人案件が多い |
・マシンガンのごとく数を打つのが特徴 ・スピードで処理される事がある |
| 中小エージェント |
・1つ1つ丁寧に対応してくれる ・かなり採用企業側を握れているケースが多い(人事をすっ飛ばして、経営層まで握っているなど) |
案内される案件が少ない |
| 中小の特化型エージェント | 自身の経歴を理解した上で、マッチした案件を案内してくれる | ※まだこういったエージェントには理解力の高いコンサルタントなどが在籍していないため、結果的に「応募数」を求めることが多い |
転職エージェント:申し込みの流れ
転職エージェントの申し込み・登録自体はカンタンだ。
転職エージェントの申し込みステップ
WEB上で仮登録してから、早ければ1週間程度で完了する。
転職エージェントの登録・利用の流れについては、以下の記事でも詳しくお話ししている。
各エージェントの成果報酬額一覧
| 転職エージェント名 | 成果報酬(年収の何%か) | 返戻金(早期退職による返金) |
|---|---|---|
| DODAエージェント | 30~35% | あり |
| リクルートエージェント | 30~35% | あり |
| マイナビエージェント | 30~35% | あり |
| エンエージェント | 30~35% | あり |
| JACリクルートメント | 30~35% | あり |
| パソナキャリア | 30~35% | あり |
| ビズリーチ | 30~40% | あり |
| ハタラクティブ | 不明 | 不明 |
※転職業界歴10年になる筆者が直接確認した数値を元にしている。
※ただし、全ての企業に対して上記の料率にしているわけではない。
社内稟議によって、特定のエージェントは20~25%や、固定で50万円といった計算になっている場合もある。
成果報酬の発生タイミング
原則、候補者が入社した月の翌月末に企業から入金されるルールだ。
ただし一般には知られていないが「返戻金(リファウンド)」という規約がある。
入社後一定期間内に転職者が退職すると、転職エージェントは企業に成果報酬を返金しなければならない。
エージェントや企業によって若干異なるが、入社してから
- 1か月以内:成果報酬のうち80%の返金
- 2~3か月以内:50%の返金
- 4~6か月以内:20%の返金
という契約条項を結んでいるケースが多い。
つまり、上記の間に転職者が退職すると、転職エージェントは顧客企業へ上記の料率分を返金しなければならないのだ。
業界10年の筆者が教える、転職エージェントのメリットとデメリット
では、これから転職エージェントのメリット・デメリットを紹介していこう。
本当はメリットを先に紹介したいところだが、
- 転職エージェントが転職をサポートしてくれる存在
- 転職エージェントの利用実績は年々増加している
という事はお伝えした通り。
あなたが本当に強く知りたいのは「転職エージェントのデメリットや注意点、そしてどうやったら避けられるか」ではないだろうか。
実際に転職エージェントのウェブサイトを見ても、登録してほしいがために、
- 転職を過剰に煽るメッセージ
- 転職エージェントのメリットを極端に強調したもの
がとても多い。
転職エージェントの言う事を鵜呑みにせず、しっかりとデメリットを知った上で利用するのが、転職成功の近道だ。
中の人しか知らない転職エージェントの裏事情とデメリット
難しい事が苦手!という人は、以下の図に書いてあることだけ覚えておこう。
- ノルマを達成するため、適合していない転職先にねじ込まれる
- 経験が足りない転職エージェントが多い
- エージェントに求人票があっても求人が実際あるかはわからない
- 転職サイトに載っている求人は釣り案件であることもある
- 選考を通りやすくするために履歴・経歴詐称をすすめる
- 年度末決算時は内定承諾の間隔が短い
- 採用コストをかけている分、採用担当者の期待値が高くなる
- 「非公開求人」にだまされない
- まとめ:エージェントは「その企業で働いたことがない」ので、全てを鵜呑みにしない
それでも頭が混乱しそうな方は、
- 転職エージェントは確かに転職には役に立つビジネスモデル
- 転職エージェントは、希望する業界どころか人材業界の素人も多いと知っておく
- 転職エージェントの多くは、どこかの企業にあなたを入社させたいとやっきになっている
- あなたは本当に転職すべきなのか?まで掘り下げてくれるエージェントが良い
という4つを覚えておけば、最悪の事態は避けられるだろう。
悪質な転職エージェントを回避する対処法
これからお伝えするデメリットによって、転職エージェントが怖い存在に思うかもしれない。
しかし自衛の手段はあるので安心して欲しい。
- 転職エージェントの言うことは全て鵜呑みにしない
- 転職エージェントがゴリ押しする時は要注意
という2点をまず覚えておこう。
なぜこの2つが有効になりうるのかも、後半でしっかり説明していきたい。
(1)ノルマを達成するため、適合していない転職先にねじ込まれる
あなたが思っている以上に「転職エージェントは、何とかどこかの企業に入社させようとやっきになる」傾向がある。
多くのコンサルタントは
- 中長期的に、あなたのキャリアアップにつながらない企業
- あなたの希望する働き方に向いていない企業
- 前職よりキャリアダウンする企業
であっても、平気で勧めてくるという事があるだろう。
この理由は、冒頭でお話しした通り、転職エージェントのほとんどは成果報酬のビジネスだから。
つまり、求職者が企業に入社しなければ1円も儲けが出ない事になり、経営が行き詰ってしまう。
特に大手転職エージェントでは、コンサルタント一人ひとりにかなり厳しいノルマが課せられている。
筆者が知っている転職エージェントでは、5か月で成果を出せないコンサルタントはクビになるという決まりがあった。
成功報酬のビジネスモデルであるため、成果を出せないコンサルタントは「エージェント企業にとってコスト」と扱われてしまうわけだ。
例えばあなたが内定をもらって、内定決断を迷っている時などにそれが顕著に表れる。
内定した求職者に「上司・後輩と共にプレッシャーをかける」エージェントは危ない
特に分かりやすい事例が、内定時の対応。
一部の転職エージェントでは、内定した求職者には上司・後輩を引き連れて、オフィスの一室で「この会社に行ったほうが絶対いいですよ」と、ゴリ押しし続けるというのが頻繁に行われていた。
このような「自社の成果だけを重視している」転職エージェントに当たってしまうと、望まない転職をする事になってしまう。
(2)経験が足りない未経験の転職エージェントが多い
転職エージェントは、いかにも「転職のプロ」のように振る舞うことが多い。
しかしその実態は「人材業界に入って1年未満というコンサルタントがざらにいる」という状態なのだ。
これは「転職エージェントはお金になりそう」というイメージと無関係ではない。
人材業界は未経験歓迎という傾向が強いし、法人を立ち上げる際も参入障壁が低い。
結果的に、転職エージェントには
- 中途、新卒で入社してくる1年未満の新人コンサルタント
- 新しく転職エージェントを立ち上げたばかりの法人
が多く存在する状態なのだ。
人材業界にずっといる人はまれで、コンサルタントのキャリアステップは
- 女性:結婚して人材業界を辞める
- クライアントの人事に転職する
- 同業者間で転職しない
といった傾向が、経験上とても強い。
外資系の転職エージェントの多くは「元英語教師」?
例えば外資系の転職エージェントといえば、スーツをビシッと着こなし「いかにも外資系経験者です」というように振る舞っていたりする。
しかし本当は「前職:英会話教師がゴロゴロいる」という状態だったりするのだ。
こういった経験の少ない未経験コンサルタントは、以下のような紹介を平気で行うのが問題だ。
- 職種だけを見てマッチングする
- 職務経歴書の中身を理解しないまま、案件を案内してくる
- あたかも候補者の経歴をすべて理解したふりをしてくる
- 「とにかく受けてみて」と合わない企業をゴリ押ししてくる
最後の「とにかく受けてみて」とゴリ押ししてくるのは、上述のノルマによる所が大きい。
ただし転職者も、希望する業界・企業の深い知識がないことが多いので、そのまま鵜呑みにするのは危険だ。
未経験コンサルタントの言う事を鵜呑みにすると、
- 希望が欲しがる人材とのミスマッチがあり、全然面接に受からない
- 採用されたとしても、まったく希望しない仕事をさせられる
- 事前に聞いていた就労条件と違う
といった事が起こりうる。
(3)エージェントに求人票がある時も求人が実際あるかはわからない
転職エージェントから企業を紹介される時、求人票※とセットになっている事がほとんど。
※こういう職種を募集していますという資料
しかし、求人票がある場合も「本当にその企業が募集しているかは分からない」のだ。
求人票の多くはエージェント側で作成が可能で、特に企業に確認せずにばらまいている事も多い。
本来企業に確認をとるべきだが、ルールが厳格に守られていない事もあり、業界全体で正していく必要があると思っている。
(4)転職サイトに載っている求人は釣り案件であることも
不動産賃貸を探す時に「釣り物件がある」という話を聞いた事はないだろうか?
本当は受付していない物件を掲載しておいて、それに釣られてやってきた客には、別の物件を紹介しようという集客手法だ。
同じように、転職エージェントが求人サイトに載せている案件も「釣り案件」だったりする。
転職エージェントが求人サイトに企業案件を掲載できる事を初めて知った人もいるかもしれない。
求人情報の下部に、転職エージェントの名前が載っているのがそれだ。
これらの案件も「すでに企業は募集をしていない」ものが含まれている。
実際、筆者が新卒で入社した転職エージェントでは
- 来週、掲載する案件どれにする?
- 反応が良かった●●社の求人載せておきますか?
- もう募集してないけど、まあ載せておこうか
という会話が交わされていたものだ。
特に以下の職種・業界で多いと個人的には感じている。
- IT・エンジニア
- 介護・福祉系
(5)選考を通りやすくするために無断で履歴・経歴のテコ入れをする
転職エージェントからすれば、転職者には入社を決めてもらわないと困るのはお伝えした通り。
その上で、書類選考の通過率を上げるために
- 履歴や経歴
- スキル
のテコ入れをする事がある。
もちろん、書類選考を通過しても面接で落ちてしまっては意味がないので「人物面では問題ないが、書類上のスペックが不利な人」に対して行うことが多い。
例えば「エクセルの入力作業をしていた人」が、「マーケティングリサーチを経験」と書かれるといった具合だ。
結果的に内定につながれば、転職者としてもいいんでは?と思うかもしれない。
問題は「転職者の知らない所で勝手にテコ入れされる可能性がある」ということ。
エクセルの入力経験しかない人が「マーケティングリサーチのできる人」と思われて入社した場合、その後で苦労することは目に見えている。
(6)年度末決算時は内定承諾の間隔が短い
これは完全に、転職エージェント都合のデメリットだ。
転職エージェントの年度末決算期(12月もしくは3月)直前は、エージェント全体で達成すべきノルマを追う事になる。
そのため、内定した転職者には「何とか決算前に入社を決めてほしい」というのがエージェントの心情だ。
結果的に、エージェントの決算前に内定が出た場合は
- 内定承諾期間が2~3日しかない
- 早く内定承諾するように迫られる
といった事が起こる。
※通常は、内定承諾期間は1週間ほどが多いと感じている。
(7)勝手にエントリーされるケースがある
悪質な転職エージェントは、ノルマを重視して、転職者自身の適正や希望を無視する傾向にある。
その結果、良くあるのが「勝手にエントリーされていた」というケース。
これはコンサルタントが成果を出したいがために、断りなく企業側へ打診してしまうケースだ。
書類選考が通過した時に、転職者へ「こんな会社があなたに会いたがってるから、ぜひ会いませんか?もう話は通してありますので」という風にねじ込んでくる。
これが「エージェントの裁量で企業にも打診させてもらいます」と、転職者の同意を得たうえでの個人情報開示ならいいのだが、エージェントの都合で
- 早く成果を出したい
- この企業案件を他エージェントに取られたくない
という一心で行われる事もある。
どちらにせよ、転職者のためにならないことは明白だと思う。
(8)採用コストをかけている分、採用担当者の期待値が上がる
転職エージェントを利用する企業は、エージェントに成果報酬を払っている。
つまり企業からするとそれだけ採用コストをかけている訳で、選考に当たってそれだけ期待値が上がる可能性がある。
言ってしまえば「企業がお金を払っても欲しい人」が、転職エージェントの利用に一番向いている人だといえるだろう。
とはいえ2018年現在では、
- 未経験の転職者がエージェントを利用する事も増えてきた
- 現場の面接担当者は、エージェントか求人広告かまで気にしていない
といった事情もあり、そこまで致命的ではなくなっている。
デメリットまとめ:エージェントはその企業で働いたことがないので、鵜呑みにしない
ここまでお伝えしたデメリットをまとめると「転職エージェントは基本的に、その求人企業・業界で働いたことがない」の一言に尽きる。
もう一度言うが、転職エージェントのデメリットを回避するためには
- 転職エージェントの言うことは全て鵜呑みにしない
- 転職エージェントがゴリ押しする時は要注意
の2つが主な対策となる。しっかり覚えておこう。
また後半の「ダメな転職エージェントを回避するための対策アイデア」も必見だ。
参考までに、自社の利益を最優先する転職エージェントの実情を下記の記事にまとめている。
転職エージェントの本当のメリット
ここまで読んだあなたなら、転職エージェントをより客観的に見られるようになっているはずだ。
その上で業界経験者から見た、転職エージェントのメリットもきちんと説明していこう。
- 業界・企業とのパイプがある場合がある
- 財務状況が良好な企業が選べる
- 面接や書類対策のアドバイスがもらえる
- 選考日程を調整してくれる
- 給与交渉を代わりに行ってくれる
(1)業界・企業とのパイプがある場合がある
これは中小の特化型エージェントに特に言えることだが、特定の業界・企業との強いパイプを持っている場合がある。
例えば、エージェント自身が企業の経営層・人事部長レベルとコネクションを持っているなどだ。
その場合、企業に対する理解度や交渉力は大手のエージェントとは比べ物にならない。
- 選考を受ける前から企業の求める人材が分かっているため、確実な推薦ができる
- 面接が微妙な場合でも「最後の一押し」をしてもらえる可能性がある
こういったエージェントとしても、ヘタな応募者を送り込んで企業の信頼を損ないたくないので、あなたに合った提案をしてくれる可能性が高い。
ただし、詳しくは後述するが、エージェントの「この企業とはお付き合いがあります」は当てにならない事がある。
よくよく聞いてみると、一度名刺交換をしたレベルといった事があるので注意が必要だ。
「あの企業なら、担当者の方はよく知っていますよ!」
「具体的にはどんな関係性ですか?」この質問を忘れてはいけない。
(2)財務状況が良好な企業が選べる
意外と知られていないのが「財務状況が良好・健全な企業を紹介してもらえる」というメリット。
先ほどお伝えした通り、企業は転職エージェントに対して、入社者年収の30%程度の成果報酬を支払う必要がある。
年収400万円だとしたら、120万円の採用コストをかけている事になる。
それに対して他の転職方法では
- ハローワーク:タダで採用できるため、零細企業が多い
- 求人サイト:月額30~50万円支払えば複数人の応募が集まる
という水準になっている。※
※ただし成果報酬ではない(一部、成果報酬のサイトもある)ので、採用できなくてもお金を払う必要がある。
まとめると、1人あたり採用するのに100~200万円を使えるような企業でないと転職エージェントは利用できない。
だからこそ筆者のような転職エージェントを利用する企業は、経験上「儲かっている会社」に限定されると思ってほぼ間違いない。
少なくとも財務状況は健全であるという評価ができるので
- 入社直後に会社が傾いてしまう
- 会社の経営悪化によって給与が下げられる
という不安は解消できるだろう。
(3)面接や書類対策のアドバイスがもらえる
特定の業界・職能に精通していたり、企業とのパイプがあるエージェントなら
- 企業の欲しがる人材の特徴
- アピールすべきスキルセット・経験
をある程度知っている。
あなたの経歴をきちんと掘り下げたうえで、
- こうすれば面接で評価されやすいですよ
- 経歴のこの部分をアピールしましょう
といったアドバイスをもらえるのが、転職エージェントのメリットのひとつ。
例えば、以下は弊社の中堅コンサルタントがある転職者に送ったメールの抜粋だ。
株式会社●●様で重視される面接質問としては以下のようなものがあります。
1.「転職理由」および現職もしくはそれ以前の「仕事内容詳細」
前職をご退職されてから今までの流れも深堀りをされる可能性がございます。
2.現職で周囲のメンバーと協力して仕事を行い、成果などを出された経験について
協調性に関わる質問内容が出る傾向があります。
●●社では、人と協力して成果を出す人材を評価するため、過去にそういったエピソードがあるかをアピールしてください。
3.株式会社●●での仕事で「活かせる経験」および「挑戦したい仕事内容」
4.「現職企業を選んだ理由」、仕事の進め方において注意されていること
どちらも、これまでの経験より「挑戦する気概」「スキルがなくても前向きに取り組む姿勢」を重視する会社の姿勢が表れています。
事例として出すうえで具体性のある引用は避けたが、もっと企業の本音に切り込んだアドバイスを送ることも多い。
面接対策の参考記事
面接質問の参考記事
(4)選考日程を調整してくれる
転職にあたって、日程調整は苦労するポイントのひとつだ。
現職で勤務しながら転職活動をしている人は、面接を受けに行くのにも一苦労する。
そこに企業からの指定日や都合を考慮する必要があるため、複数社の面接が重なると調整するだけできりきり舞いになる。
転職面接の日程調整におけるマナーは以下の記事でもお伝えしているが、こういった煩雑なことをエージェント任せに出来るのが嬉しいポイントだ。
エージェント主導で日程調整を行ってもらえれば、選考における労力を減らすことができる。
(5)給与交渉を代わりに行ってくれる
「給与の希望はありますか?」
人によっては、答えに詰まる質問のひとつだろう。
- 本音をいえばこれだけの金額は欲しい
- でも欲張ると選考を落とされるのでは…
と怖くなってしまうのだ。
企業とのパイプが強い転職エージェントであれば、担当者からの最後の一押しで「10万円アップしておきましたよ」という給与アップが実現する事も珍しくない。
とはいえ、給与相談は面接の場面で行われる事もあり、転職者自身も給与についてハッキリと交渉できなければいけない。
その方法は以下の記事を参考に身につけよう。
注意点:「非公開求人」にだまされない
転職エージェントのメリットとして「非公開求人を紹介してくれる」という事をアピールしている記事は多い。
しかし、これには裏事情がある。
- 企業の採用担当がイチイチ求人広告に出すのが面倒
- 手間がかかるようになったから求人を出していない
というのが真実だ。
それを転職エージェントが勘違いしていて「非公開求人」と言っている事が多いわけだ。
裏付けとして、他社のエージェントが「自社だけの非公開求人」と言っていても、
- 筆者も普通に案件を抱えている
- 企業側も、思い出したように求人広告を出していた
ことは珍しくなかった。
ただし新規開拓して出てきた求人案件は別で、これは確実にエージェントごとの非公開案件になる。
企業から見た転職エージェントのメリット
ここまでは転職者から見たエージェントのメリットだったが、企業から見た転職エージェントのメリットは下記の3つ。
- 成果報酬形式なので、成果があった場合だけの支払いで済む
- 母集団形成にかける時間が短縮できる
- 採用面接に注力できる
特に、転職エージェント活用による時間の効率化が大きい。
仮に自社で求人広告などを出すと、
- 応募者への合否連絡
- 面接スケジュールの調整
- 採用面接
など、全てを対応する事になるので、人事が火の車になるケースが多い。
それを防ぐ意味で、企業によっても転職エージェントはある程度価値を持っている。
さて、ここまでが転職エージェントのデメリットとメリットだが、改めて一覧をまとめておこう。
筆者の考えを言えば、転職エージェントは世間で言われているほどメリットばかりではない。
しかしデメリットを正しく知っておけば、あなたの転職活動を非常に楽にしてくれる存在である事は間違いないだろう。
転職エージェントに向いている人
その上で、転職エージェントの利用に向いていると強く思うのは、以下のようなタイプだ。
- 自分のキャリアを冷静に見たうえで「それでも転職すべきだ」と判断できた人
- 自分に合った企業を自分で判断できる人
- 転職する気は満々だが、自分ひとりで全て行う余裕がない人
- 企業が採用コストをかけてまで欲しいと思える人
もちろん上記以外の人が転職エージェントを利用する事も悪くはない。
ただし悪質な転職エージェントに当たって、
- 本来しなくても良い転職をゴリ押しされる
- 転職してもかえってキャリアダウンしてしまう
- 転職した企業が合わず、転職を繰り返すようになる
といった目に合わないためにも、この後の「信頼できる転職エージェントの見極め方」を頭に入れておいてほしい。
ダメな転職エージェントを回避するための対策まとめ
ここまでの内容を踏まえて「じゃあ良い転職エージェントにはどうやったら出会えるの?」と気になっている人は多いと思う。
そこで転職エージェントの筆者が
- 転職エージェントに問いかける事で信頼性を測れる4つの質問
- 信頼できるエージェントの共通点
を伝授しよう。
良質なエージェントを見極める4つの質問
本当に転職者のキャリアを親身に考えてくれるかどうかを見抜くためには、以下のような質問をしてみよう。
- 人材業界に入ってどのくらいですか?
- 何人の入社を決めてきたんですか?
- 企業担当者を知っています→どんなつながりがあるんですか?
- 私は転職すべきでしょうか?
熱量のあるエージェントなら、最後の質問は「そんな風に迷っているなら、転職しない方がいいです」と叱られるかもしれない。
しかしそれだけ転職者のキャリアを親身になって考えてくれている証拠といえるだろう。
筆者が知っている経験豊富なエージェントは皆、
- 転職者の今の業務内容・待遇
- 転職をしたい理由
をちゃんと掘り下げたうえで「そもそも転職すべきか・そうでないか」から相談に乗ってくれる。
ノルマを最優先してくるエージェントだと、あれこれ言って「転職した方がいいですよ!」と勧めてくるだろう。
信頼できる転職エージェントの共通点
ここまでの内容を踏まえて、信頼できる転職エージェントの共通点をまとめておこう。
- 何よりも自身の悩みを聞いてくれるか?(転職ありきではなく、悩み相談から聞いてくれるか)
- 自身の経歴の価値を主観的だけでなく、客観的に把握&コンサルしてくれるか
- 自身の経歴書の不備を指摘してくれるか
- いきなり案件を案内せず、キャリアの方向性をすり合わせするところから始めるてくれるか
- 連絡をマメにしてくれるか
- 内定が出た時に、理由もなくゴリ押しをしてこないか
ぜひ、あなたが信頼して任せられる転職エージェント・コンサルタントかどうかの判断基準にして欲しい。
筆者がオススメする厳選転職エージェント
最後に、筆者がオススメする転職エージェントを厳選してお伝えしよう。
- ビズリーチ
- パソナキャリア
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
- JACリクルートメント
- DODAエージェントサービス
※ランキングは筆者の見解による
1.ビズリーチ
※参照:ビズリーチ公式HP
ビズリーチの詳細情報
| 求人数 | 約60,000件以上 |
|---|---|
| 取引先企業数 | 約7,700社 |
| ヘッドハンター数 | 2,000名以上 |
| 利用者の年齢 | 登録者の約半数が30~40代 |
| 特徴 | ヘッドハンターと企業両面からのスカウト方式 |
| 料金 | 基本は無料/有料プランは30日間で3,000円~5,000円前後 |
| 運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
| 主要対応エリア | 全国対応 |
※2018年3月現在の公式ホームページ情報を調査
※非公開事項は筆者のヒアリングによる
ビズリーチの評価チャート
こんな方にオススメ
- 年収500万円以上で、よりキャリアアップしたい方
- 管理職・専門職の経験がある方
- マネジメントスキルに自信がある方
- 語学力に自信がある方
- グローバル志向の方
2.パソナキャリア
※参照:パソナキャリア公式HP
パソナキャリアの詳細情報
| 求人数 | 約40,000件(うち非公開求人約25,000件) |
|---|---|
| 取引先企業数 | 約16,000社 |
| 得意な業界 | ソフトウェア・通信・IT・電気・機械 |
| 得意な職種 | 営業・エンジニア・管理部門 |
| コンサルタント数 | 不明 |
| 面談の有無 | 有り |
| 応募書類添削対応 | 有り |
| 選考日程調整対応 | 有り |
| 年収交渉対応 | 有り |
| 転職実績(累計) | 累計約25万人の転職支援 |
| 求人の更新頻度 | 高い |
| 料金 | 無料 |
| 運営会社 | 株式会社パソナ |
| 主要対応エリア | 全国対応 |
| 拠点数 | 50拠点(2018年3月時点) |
※2018年3月現在の公式ホームページ情報を調査
※非公開事項は筆者のヒアリングによる
パソナキャリアの評価チャート
こんな方にオススメ
- 女性で理系職種の転職希望者
- 安定して長く働ける会社に行きたい方
- 専門的なスキルを活かしたい方
- 管理職を経験した事がある方
- 第二新卒の転職希望者
パソナキャリアについて、下記の記事でも詳しく解説しているのでぜひ読んでほしい。
3.リクルートエージェント
※参照:リクルートエージェント公式HP
リクルートエージェントの詳細情報
| 求人数 | 公開34,732件 非公開173,064件 |
|---|---|
| 得意な業界 | IT・通信・機械・小売・サービス・人材 |
| コンサルタント数 | 約400名 |
| 面談の有無 | 有り |
| 応募書類添削対応 | 有り |
| 選考日程調整対応 | 有り |
| 年収交渉対応 | 有り |
| 転職実績(累計) | 約40万名 |
| 転職実績(年単位) | 約2万名 |
| 求人の更新頻度 | 高い |
| 料金 | 無料 |
| 運営会社 | 株式会社リクルートキャリア |
| 主要対応エリア | 全国対応 |
| 拠点数 | 16拠点(2018年3月時点) |
※2018年3月現在の公式ホームページ情報を調査
※非公開事項は筆者のヒアリングによる
リクルートエージェントの評価チャート
こんな方にオススメ
- 幅広い職種・業界を紹介してほしい方
- 大手企業・中堅企業を希望する方
- 転職によって年収アップを目指す方
4.マイナビエージェント
※参照:マイナビエージェント公式HP
マイナビエージェントの詳細情報
| 求人数 | 公開6,307 件 非公開20,462件 |
|---|---|
| 得意な業界 | IT・通信・メーカー・小売・サービス |
| コンサルタント数 | 不明 |
| 面談の有無 | 有り |
| 応募書類添削対応 | 有り |
| 選考日程調整対応 | 有り |
| 年収交渉対応 | 有り |
| 転職実績(累計) | 厚生労働省委託事業「職業紹介優良事業者認定制度」において「職業紹介優良事業者」事業者認定を取得 |
| 転職実績(年単位) | – |
| 求人の更新頻度 | 高い |
| 料金 | 無料 |
| 運営会社 | 株式会社マイナビ |
| 主要対応エリア | 全国対応 |
| 拠点数 | 5拠点(2018年3月時点) |
※2018年3月現在の公式ホームページ情報を調査
マイナビエージェントの評価チャート
こんな方にオススメ
- 幅広い職種・業界を紹介してほしい方
- 企業の内情をちゃんと把握したい方
- 転職活動が初めてで、サポートしてもらいたい方
5.JACリクルートメント
※参照:JACリクルートメント公式HP
JACリクルートメントの詳細情報
| 求人数 | 約6,000~10,000件 |
|---|---|
| 取引先企業数 | 約25,000社 |
| コンサルタント数 | 550名以上 |
| 転職実績(年間) | 年間約67,000人が登録 |
| 特徴 | 外資系・海外企業に強み |
| 料金 | 無料 |
| 運営会社 | 株式会社ジェイエイシー リクルートメント |
| 主要対応エリア | 全国対応 |
| 拠点数 | 9拠点(2018年3月時点) |
※2018年3月現在の公式ホームページ情報を調査
JACリクルートメントの評価チャート
こんな方にオススメ
- 外資系企業・海外勤務を希望している方
- 管理職経験が長い方
- 各職種・業界のトップ人材
- 語学力を活かして働きたい方
6.DODAエージェントサービス
DODAエージェントサービスの詳細情報
| 求人数 | 公開約40,000件 非公開約120,000件 |
|---|---|
| コンサルタント数 | 不明/分野別コンサルタントが存在/提携エージェント300社 |
| 面談の有無 | 有り |
| 応募書類添削対応 | 有り |
| 選考日程調整対応 | 有り |
| 年収交渉対応 | 有り |
| 求人の更新頻度 | 高い |
| 料金 | 無料 |
| 運営会社 | パーソルキャリア株式会社(旧・株式会社インテリジェンス) |
| 主要対応エリア | 全国対応 |
| 拠点数 | 32拠点(2018年3月時点) |
※2018年3月現在の公式ホームページ情報を調査
DODAエージェントサービスの評価チャート
こんな方にオススメ
- 幅広い職種・業界を紹介してほしい方
- 20代後半~30台前半の方
- 志望業界の予備知識がある方
- 面接や書類の添削を受けなくても転職が出来る自信がある方
- 転職のスケジューリングに不安がある方
以上、転職を検討するあなたの為に、転職エージェントについて知りうる全てをお伝えした。
あなたの転職・キャリアアップに役立ててもらえれば幸いだ。