買い付けから帰ってまいりました。
で、買い付けの話もいろいろあるんですが(ほとんどご飯ですかね)入荷レコードの紹介を少ししておきたいと思います。
KOOL G. RAP & NAS / FAST LIFEのネタとして有名な曲ですね。
こちらはAZ / SUGARHILLのネタとして有名な曲。
THE NOTRIOUS B.I.G. / JUICYのネタとして有名な曲。
この手の耳あたりの良いR&B曲でちょっとTHUGな雰囲気のRAPが披露される曲(BIGGIEは思い出話中心なのでちょっと違いますが…)って結構ありますね。
こういうのってラジオなんかでの受けが良いようにそういう風に作られていると思っていたことがあったんですが随分事情が違うようですね。
"HAPPY"をサンプリングしているのはすぐわかるんですが曲冒頭に映画「SCARFACE」におけるTONY MONTANAの台詞「The time has come, we gotta expand, the whole operation. Distribution, New York, to Chicago, L.A. We gotta set our own market, and enforce it.」がサンプリングされています。そしてビデオ全体もストリートっぽい描写とラグジュアリーなSCARFACEっぽい世界観を行き来する作り。
これつまりはコカインのディールで成り上がったところでのお話なわけです。
こちらも"FAST LIFE"と似たような世界観ですね。警察のガサは入るわ大金数えるわ。その上曲名は"SUGAR HILL"です。
ここで言うSUGAR HILLはHARLEMの地名です。そしてHARLEMのSUGAR HILLといえば大物ドラッグディーラーのAZIE "AZ" FAISONで有名な土地です。
この辺の1980年代から1990年代にかけてのRICH PORTER、AZIE FAISON、ALPOがコカインで大金を儲けた話は上にあげたような楽曲やNY HIP HOPの不良っぽい価値観の根幹にあるものです。ストリートでのハスリン、成り上がった末のラグジュアリーな生活、死生観といったところです。
そして彼らのようなドラッグディーラーたちがクラブなどで好んで聴いたのが今回紹介したようなレコードなわけです。「ラジオフレンドリーな楽曲」なんてとんでもない。これ以上無いってくらいに「リアルな」楽曲なわけですね。
GANGSTA RAPやTHUG RAP的なところはどうしてもアメリカ西海岸や南部のイメージが強いのですがNY近辺でもコカイン、クラックといったドラッグにまつわるところでいろいろあるようです。 こうしたノリは伝統的に受け継がれていてBAD BOYレーベルやDIPSET周辺、今だとFRENCH MONTANAなんかがそういった世界観を引き継いで頑張ってるわけですね。あ、A$AP周辺の歌詞にもよく出て来ますね。不良の音楽はおもろいっすね。やっぱり。
コメント