越路吹雪物語 #54[解][字] 2018.03.23
あなたの場合は沢村一樹だから。
はい。
そうか。
どうも色々ありがとうございました。
お父様の話とか良かったです。
ありがとうございます。
(拍手)「あなたの燃える手で」
長年お世話になった東宝から独立したコーちゃん
新進気鋭の演出家浅利慶太との出会いにより新たな越路吹雪の魅力を存分に発揮しその人気はさらに確固たるものとなっていったのでした
お時さんが法美さんのマネジャーもやってくれたらって。
私は生涯越路吹雪のマネジャー以外やるつもりはありません。
作詞家岩谷時子としてはどう?…えっ?いい事思いついちゃったんだけど…。
この時コーちゃんが思いついたのが3人でレコードを作る事でした
いい感じ。
そう。
全ての曲を内藤が作曲し…
それに売れっ子作詞家の時子が詞を付け…
コーちゃんが歌うというものでした
ねえお時さん。
ん?今年の『紅白』はこれを歌いたいな。
それがね実は先方がチラッと『愛の讃歌』の名前を出してるのよ。
いいえ。
今年の『紅白』は『イカルスの星』。
美保子さんあんまり無理言ったら岩谷さんだって大変だよ。
大丈夫よね?ええ。
なんとか頼んでみるわ。
よろしく。
あっコーヒー淹れてくるわね。
ううんまだ大丈夫。
いいから。
もう冷めちゃったし。
あっ…。
すいません。
打ち合わせ中に。
あっいえ…。
慣れました。
内藤さんのコーヒーには勝てません。
僕も慣れました。
最初は僕に気を使いすぎなんじゃないかっていろいろと落ち着かない気持ちもあったんですけど。
こういう僕のための仕事の事にしても…。
あっ…慣れたとは違うか。
なんていうか信頼ですかね。
素敵ですね。
えっ?素敵なご夫婦です。
なんか岩谷さんに言われると…。
えっ?「遠い空にかくれたイカルスの星よ」「風のつばさにのったあの人を返して」「誰の眼にも見えない美しい星を」「ひとりで取りに行った私の人」「イカルスの星」
その年末の『紅白歌合戦』で美保子は希望どおり『イカルスの星』を歌い1年を締めくくりました
「星よ」ああっ…。
ありがとう。
飲んだ飲んだ…フフッ。
そのまま寝ちゃわないでよ?大丈夫。
内藤さんは?昔のバンドの知り合いと年越しパーティー。
毎年恒例の。
ねえ。
うん?お時さん来年…いやもう今年か。
いくつになる?私?うん。
53。
ふ〜ん。
私は?45かな?そっかあ。
何よ?急に。
う〜ん…。
ねえ?うん?『紅白』ってさいつまで出続ければいいんだろう?ほら1月に舞台がある事が多いじゃない。
そうすると稽古で結構疲れてる時にリハとかいろいろあるじゃない?若い人は全然平気なんだろうけどさ私もうすぐ45なわけだしさ…。
そんな美保子の様子が時子の心に引っかかったまま新しい年が始まりいよいよ3人で作ったレコードが発売されたのですが…
(阿部純一)去年の『紅白』でも歌って評判良かったし。
でしょう?他にもいい曲ばっかりだからこのレコードはいけるって思ったんだけどねえ。
売れる売れないは水物だからね。
つらいやねえ。
そう残念ながら思うようには売れなかったのです
でもコーちゃんやお時さんはたくさんヒット曲出してるからそれだけハードルが高くなって大変よね。
うん…それもある。
あれ?今日はお時さんは?ああ…。
お母さんの具合があんまり良くないらしくてね…。
わざわざ往診ありがとうございました。
(杉尾祐介)いいえ。
通り道ですからお気になさらず。
それより大丈夫ですか?お仕事にお母様の看護にと大変でしょう?お手伝いさんもお願いしてますから大丈夫です。
う〜ん…。
でもくれぐれもお体には気をつけてくださいね。
はい。
ではお大事に。
ありがとうございました。
あっ先生!はい?来週の火曜日に越路がいつものがん検診でお邪魔しますのでどうぞよろしくお願いします。
ハハハ…そうでしたね。
了解です。
では失礼します。
ありがとうございました。
(ため息)
(浅利)卒業?越路をそろそろ『紅白』から卒業させようと思うんですけれど何しろあれだけ大きな番組ですから私の思いつきだけでやめさせるのはどうなのかなと思いましてご相談をと…。
卒業…。
あまり得策ではないですかね?いややめたいと思ったのならやめたほうがいい。
何もテレビに義理立てする必要はありませんよ。
元々越路さんは舞台の人なんだから。
そうですよね。
それより「卒業」っていうのは面白いなあ。
普通は「辞退」って言うでしょ?やだそういえばそうですね。
宝塚の頃の癖でしょうか。
ああそうか。
宝塚では退団する事を卒業って言いますもんね。
やめるのではなくて卒業。
私結構好きなんですこの卒業っていう言葉。
寂しさはあるけれど得たものが多くてありがたくて温かい別れでしょう?それにそのあと入学という新しい出会いがあると思うとワクワクしますし。
それそのまま言えばいいですよ。
えっ?『紅白』の担当者に。
そしたら絶対に向こうは嫌とは言えないから。
そうでしょうか?ええ。
言ってやりなさいよ越路吹雪は『紅白』を卒業するって。
そしてその年の秋コーちゃんの『紅白』卒業のニュースが駆け巡ると…
今の時代テレビ局を敵にまわすような事はまずいと思うよ。
はあ…。
でも先方にもご納得頂いてますし。
いや本当まずいって。
よう!コーちゃん。
ああおはよう。
『紅白』やめるんだって?ああ…。
大丈夫かい?何?なんで?だってあの怪物番組だぜ?出たいと思ってる歌手がごまんといるのにさそういう人間に恨まれるぞ?なんで?私が出なければその分そういう人たちの中で誰かが出られるってわけでしょ?喜ばれこそすれ恨まれるなんてないない!相変わらずコーちゃんはのんきだな。
そんな事人に言ったら偉そうな事しやがってってなもんだよ。
まあ気をつけるんだね。
ふ〜ん…?私が『紅白』に出なくなったくらいでなんでみんないろいろ言ってくるかねえ。
それだけ大変な番組って事よ。
昔はそんな事なかったのにね?私が初めて出た時なんて交通事情で出られなくなった人の代役だもんね。
そうそう。
出番が迫ってます代役お願いしますって電話かかってきてね。
お酒飲んでたから酔っ払ったまんまで行って歌って。
歌い終わったらはいさよならってね。
いい時代だったわよね。
うん。
でもまあ今回で本当にさよならってわけだ。
(美川憲一)越路さん。
なんだ憲ちゃんか。
びっくりさせないでよ。
そんな簡単にはいさよならなんて言わないでよ。
私はずっと憧れて尊敬して頑張ってきたんです。
だから『紅白』に出られた時は嬉しかった。
だって同じステージに並べるなんて『紅白』ぐらいだから…。
そう思ってるの私だけじゃない。
だからそんなふうに嬉しそうにはいさよならなんて言わないでよ。
そんなつもりないよ?でもそんなふうに思わせたのならごめん。
ありがとう憲ちゃん。
でもね人生にはいろんな卒業があるのよ。
私はどうせなら笑って卒業したいな。
えっ?まさか歌手やめるの?はあ?そんなわけないでしょ。
歌は私の人生なんだもの。
はあ〜よかった。
『紅白』私は今年で最後だけど憲ちゃんはまだまだ頑張ってね。
はい。
もう越路さんが呆れるぐらい出場し続けてみせますからね。
こりゃ楽しみだ。
アハハハ…!じゃあ飲もう。
ねっ。
じゃあグラス…。
あっこれでいいです。
フフフ…。
いただきます。
「からませながら」「いとしみながら」「くちづけを交すの」「愛こそ燃える火よ」「あたしを燃やす火」「心とかす恋よ」
(拍手)
そしてその年の大みそかコーちゃんはたくさんの人々に向けて心を込めてこの曲を歌い『紅白歌合戦』を卒業していきました
お時さん!大変!大変!ど…どうしたの?売れてるって…。
えっ?法美さんの曲大ヒットだって!『誰もいない海』が?うん!それはおめでとうございます。
ありがとう!じゃあコーちゃんも忙しくなっちゃうわね。
なんで?だって曲がヒットすればテレビ出演の依頼とかも増えるんじゃ…。
あっ違う違う違う違うヒットしてるのは私のほうじゃなくてトワ・エ・モワさんのほう!あっ…。
あっ…。
もう私嬉しくて嬉しくて。
だってやっとみんなが法美さんの曲の良さをわかってくれたんだもの。
おめでとう。
よかったわね。
うん!ありがとう!「今はもう秋」「誰も」
『誰もいない海』はコーちゃんとの競作という形で発売されましたがヒットしたのはトワ・エ・モワのほう
でもコーちゃんにしてみればそんな事は関係なかったのです
乾杯!ありがとう。
う〜んおいしい!こんなにおいしいワイン久しぶり。
本当にいろいろとありがとう。
やだ私は何も…。
これで少しはお返し出来たかなってちょっと思ってる。
えっ?美保子さんが僕のためにいろいろ尽力してくれた事感謝してます。
そんな…。
さあ食べよう!美保子さんがせっかく作ってくれたんだ。
冷めないうちに頂かないとね。
うん。
頑張ったでしょ?うん。
あっ…岩谷さんも呼べばよかったのに。
う〜ん呼んだんだけどねお母ちゃんが待ってるからって最近いつも早く帰るのよ。
そっか…。
うん…。
(電話)
(電話)はい内藤でございます。
ああお時さん?えっ?お母ちゃんが?お母ちゃんがどうかしたの!?お時さん…いい?あんたは一人なんかじゃないんだからね。
私がいるんだから。
私と法美さんがいるんだからね!一人ぼっちになったなんて思うんじゃないわよ!ちょっと!お時さん!わかってるの?お母ちゃんは私のお母ちゃんだもの。
会いたい。
ごめんねお母さん…。
お母ちゃん?わかる?2018/03/23(金) 12:30〜12:50
ABCテレビ1
越路吹雪物語 #54[解][字]
名曲「愛の讃歌」を世に送り出した戦後の大スター・越路吹雪と作詞家で越路吹雪の生涯のマネージャー・岩谷時子。昭和の時代を背景に偉大な2人の友情と波乱の人生を描く。
詳細情報
◇番組内容
新進気鋭の演出家・浅利慶太(近江谷太朗)と仕事をしたいと熱望する美保子(大地真央)だが、専属契約を結んでいる東宝は難色を示す。浅利と美保子が初めてタッグを組んだ日生劇場でのリサイタルは大成功を収める。作曲を夫・内藤法美(吉田栄作)に、作詞を時子(市毛良枝)に依頼し、新アルバム制作に取りかかった美保子。この頃から美保子と時子は紅白歌合戦からの卒業を考え始めるが、その決断は大きな波紋を呼んで…!?
◇出演者
大地真央、市毛良枝
近江谷太朗、羽場裕一、美川憲一
吉田栄作
◇ナレーション
真矢ミキ
◇脚本
龍居由佳里
◇演出
鎌田敏明(MMJ)
◇主題歌
瀧本美織『ラストダンスは私に』(ユニバーサル ミュージック)
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎(テレビ朝日)
【プロデューサー】藤本一彦(テレビ朝日)、布施等(MMJ)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/koshiji/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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