ちょっと今言葉を色々選ばないと。
大丈夫です。
大丈夫ですよ。
どうもありがとうございました。
ありがとうございます。
（拍手）
新しい世界へと飛び込むため長くお世話になった東宝から独立する事を決意したコーちゃんでしたが…
（松岡功）で話って何かな？はい…。
実は…。
まさか辞めたいなんて話じゃないよね？東宝ではたくさんの事を学ばせてもらいました。
たくさんの経験をさせてもらって心から感謝しています。
でも…。
私歌手としても女優としてももう一度ちゃんと学びたいんです。
それはうちにいたのでは出来ない勉強なのかな？社長私との専属契約終わりにしてください。
お願いします。
お願いします！待ってるよ。
しっかり勉強してまたいつか東宝の舞台に戻ってきてくれるね？はい！もちろん。
予感はねしていたんだ。
日生劇場で浅利くんといるコーちゃんを見た時からね。
正直私も感じていた。
最近の東宝は越路吹雪の良さを生かしきっていないんじゃないかってね。
ちゃんと見てくれてたんですね。
そりゃ見てるさ越路吹雪のファンだもの。
だから新しい越路吹雪に期待してるよ。
はい頑張ります。
ありがとうございます。
ああそれと藤本くんにもちゃんと感謝をね。
今までの事もそうだけど今回も浅利くんと会っていろいろと話をしてるみたいだし。
藤本社長が浅利さんと何を？
（ドアの開く音）お時さん！許してもらえたのね？うん。
それより藤本社長の事。
えっ？あの人浅利さんと喧嘩したらしい。
喧嘩？なんで？知らないわよ。
だからそれ聞きに行くんじゃない。

（藤本真澄）どうした？そんな顔して。
どうしたって…。
（藤本）社長から電話あったよ。
よかったな東宝卒業出来て。
ええまあおかげさまで。
長い間…。
（２人）お世話になりました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
（雨宮すず子）私は嫌よ。
（すず子）何も辞める事ないじゃないの。
すず子さん…。
（藤本）だからそれはしょうがないだろ。
会社が決めた事なんだから。
（すず子）そんな事はもう耳にタコが出来るほど聞きました！だけどあんまり寂しいじゃないのよ。
優勢だったのに…。
まあ仕方ないですね。
それをのんきに将棋なんか指して！うん？俺か？すず子さんごめんなさいね。
私も寂しい。
だからたまには遊びに行ってもいい？私も。
そんなの…来ていいに決まってるじゃないの。
何当たり前な事聞いてんだか。
頑張るのよ。
はい。
はい。
頑張るからね！ありがとうございました。
（藤本）お前さんたちの事妹とか娘のように思ってたからな。
でもまあ出会いには別れがつきもの。
ねえ浅利くん。
確かに。
それより社長。
うん？浅利さんと喧嘩したって…。
なんの事だ？だってあの…東宝の社長が…。
あああれか？この前の。
あああれですかね。
誰かに見られてたかなあ。
あの…あれって何？浅利さん本気で越路吹雪を育てる気おありですか？育てる？別の言い方をすれば越路吹雪と運命を共にする覚悟おありですか？それはまたオーバーな…。
私は真面目に聞いてます。
では僕も真面目に。
僕は越路さんを育てる気も運命を共にする覚悟もありません。
なぜ僕がそこまでしなきゃならないんです？馬鹿馬鹿しい。
「馬鹿馬鹿しい」はないだろ。
馬鹿馬鹿しいとしか言いようがないからそう言ってるんです。
じゃあなんでコーちゃんに仕事で期待させるような事を言った？もちろん仕事はしたいですよ。
しかしあなたを始めとするコーちゃんシンパたちに巻き込まれるのはごめんだ。
いいですか？僕と越路吹雪は仕事をする以上は対等でなくてはならない。
だから育てるという発想はナンセンスです。
あと運命を共にする件ですがそこはもう内藤法美と岩谷時子という２人がいるじゃないですか。
彼らと同じ覚悟を僕が持てるわけがない。
それはあなただって一緒でしょ？噂に違わぬ生意気ぶりだ。
事実を言ってるだけです。
で僕は合格ですか？本当に嫌な野郎だ。
（ため息）越路吹雪をよろしく。
ありがとうございます。
どうぞ社長によろしく。
ああ。
じゃあ失礼するよ。
あっ。
お前将棋強いか？なんかよくわからないけど結局全てうまくいったって事？まあそういう事だね。
浅利さん。
はい？ありがとう。
礼には及びません。
仕事である以上僕にも利があるわけですから。
そうじゃなくて。
私の運命の人たちの事をちゃんとわかってくれててありがとう。
ああその事ですか。
皆さん素直でわかりやすいですから。
お時さんはシャイなんだからあまりいじめないでちょうだい。
それは失礼。
運命の人には逆らわないほうがいいですよ。
シャイだが強い。
まあそんな事…。
わかります。
おおお時さん全て見抜かれちゃってるね。
もうコーちゃんまで！
東宝内部ではコーちゃんの独立に多くの反対の声があったようですが社長の鶴の一声でそれも収まりコーちゃんは晴れて独り立ち出来たのでした
あっ駄目社長それいっちゃ駄目だわ。
「あなたの」
そして念願だった浅利慶太との仕事も決まりリサイタルの演出をしてもらえる事になったのですが…
「ただ二人だけで生きていたいの」「ただ命の限り」
（浅利）違う！
（浅利）さっきの僕の説明ちゃんと聞いてました？ええ…。
シャンソンは人生そのものなんです。
それが歌になるんだ。
…はい。
いいですか？この小節からここまでに込められたエディット・ピアフの心理状態生き様もう一度ちゃんと頭にたたき込んでください。
はい。
いいですか？はい。
もう一度お願いします。
（内藤法美）はい。

（ピアノ）「あなたの燃える手で」違う！はあ…。
理解してちゃんと自分の中に取り込まないと。
はい。
一番大切なのは「リアリテ」なんですよ。
現実性なんだ。
頭と喉だけで歌ったって意味はない。
今までの越路吹雪はぶち壊すんだ！…はい！
（浅利）もう一度。
コーちゃん大丈夫？ああ…寝ちゃいましたか。
あーっ楽しい！びっくりしたわ。
ねえこんなに刺激的で楽しいの久しぶり！ああ〜浅利さんに頼んでよかった〜。
あっ晩ご飯の用意しなきゃ！いいよ疲れてるんだからどこかに食べに行こう。
そうよそうしなさいよ。
駄目駄目。
結婚にもリアリティーが必要よ。
今は越路吹雪を脱ぎ捨てて内藤美保子にならなきゃ！ほらねこうやると切り替えのいい練習になるしね！言い出したら聞かないからなあ。
大丈夫です無理はさせませんから。
よろしくお願いします。
「古いこの酒場でたくさん飲んだから」「古い思い出はボヤケてきたらしい」駄目駄目。

（美保子の声）「私は恋人に捨てられてしまった」ここが…。
ああ…。
「人はこの私をふだつきと云うから」「ろくでなしろくでなし」
（浅利）駄目駄目。
稽古を重ねるうちにコーちゃんは今までにない大きな手応えを感じるようになっていました
それはそばにいる時子にもはっきりと伝わってくるのでした
そしていよいよ浅利と共に作ったリサイタルの初日がやってきました
ヘアも完璧。
はあ…。
メイクもオーケー。
はあ…うん。
ねえどう？いいわよ。
素敵。
うん…。
そう素敵な私。
今までとは違う私。
新しい越路吹雪。
コーちゃん？コーちゃん…。
どうしよう…。
歌詞が出てこない…。
いつもと違うからよ歌い方変えたからよ。
だから…。
コーちゃん大丈夫。
怖い…。
ねえどうしようお時さん…。
怖いよ…！
（ノック）
（スタッフ）越路さん袖にお願いします。
大丈夫ですか？大丈夫です。
すぐ行きます。
お願いします。
東宝から独立して初めての大きなステージ
世間が注目している浅利慶太との初仕事
コーちゃん本人も気づかないまま実は大きなプレッシャーを胸に抱え込んでしまっていたようでした
コーちゃん私を見て。
大丈夫だからしっかりしなさい。
あなたは大きくて強い虎。
お時さんが法美さんのマネジャーもやってくれたらって。
越路吹雪のマネジャー以外やるつもりはありません。
2018/03/21(水) 12:30〜12:50
ＡＢＣテレビ１
越路吹雪物語　＃５２[解][字]

名曲「愛の讃歌」を世に送り出した戦後の大スター・越路吹雪と作詞家で越路吹雪の生涯のマネージャー・岩谷時子。昭和の時代を背景に偉大な２人の友情と波乱の人生を描く。

詳細情報
◇番組内容
新進気鋭の演出家・浅利慶太（近江谷太朗）と仕事をしたいと熱望する美保子（大地真央）だが、専属契約を結んでいる東宝は難色を示す。浅利と美保子が初めてタッグを組んだ日生劇場でのリサイタルは大成功を収める。作曲を夫・内藤法美（吉田栄作）に、作詞を時子（市毛良枝）に依頼し、新アルバム制作に取りかかった美保子。この頃から美保子と時子は紅白歌合戦からの卒業を考え始めるが、その決断は大きな波紋を呼んで…!?
◇出演者
大地真央、市毛良枝
デビット伊東、池津祥子、近江谷太朗、榎木孝明
吉田栄作
◇ナレーション
真矢ミキ
◇脚本
龍居由佳里
◇演出
鎌田敏明（ＭＭＪ）
◇主題歌
瀧本美織『ラストダンスは私に』（ユニバーサル ミュージック）
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎（テレビ朝日）
【プロデューサー】藤本一彦（テレビ朝日）、布施等（ＭＭＪ）
◇おしらせ
☆番組ＨＰ
　http://www.tv-asahi.co.jp/koshiji/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字（字幕）

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード（ステレオ）
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード（ステレオ）
日本語（解説）
サンプリングレート : 48kHz

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